鷲羽岳・水晶岳
(三日目 三俣山荘〜水晶岳〜鷲羽岳〜三俣山荘〜双六小屋) 
8月19日
AM4:30 起床。
まだ雨が降っているようだ。風はそれほど強くなさそう。ウェザーニュースを見るとAM9:00〜PM0:00くらいが一番雨が降るとの予報。

AM5:00から朝食。味付けもよく美味いのはわかっているが、緊張しているせいか食が進まない。やっとのことで一膳のご飯を平らげた。ちなみにここの玉子焼きがとっても美味い。


サブザックに必要なものを詰める。長丁場のため食料なども持ったりで、やや多め。大きなリュックサックは三俣山荘にデポさせていただく。

AM6:04 三俣山荘出発。強風になったことを考えて黒部川源流ルートを選択。

出発してすぐに下り。しかも雨のせいで段々と道が水で占領されていく。下に向かうほど川のようになってくる。水が石に被っていて、それが滑って歩きづらい。

AM6:38 長い長〜い下りが終わると「黒部川水源地標」の碑を通過。
ここからは登りとなる。いくつかの川を渡渉するが、これが思いのほか怖いのである。おそらく通常は問題ないだろうと思われるが、この日の雨で足を置く岩が全て水に覆い尽くされている。どの岩を踏もうか、迷いながら進む。

(黒部川水源地標)

自分はまだ新しい靴のせいか、足への浸水は防げたが、同行者のはグショグショに。 しまいには同行者のご機嫌が最悪に・・・・・。逆切れ状態(笑)。ここからもさらに急登は続く。道は川と化す。途中、何組かのパーティーとすれ違い、水晶岳の様子を聞くが風は強くなかったとの話。これが起爆剤となり我慢が効いた。

(岩苔乗越へ向けての道)

そう言えば、ここまでだれ一人後ろから追ってくる人はいなかった。かなりの高い位置から下を見てもだれ一人いない。「ここを登っているのは我々だけなのか?」。これが非常に不安だった。それから、このあたりの画像はほとんどない。先日買ったばかりのデジカメ(NIKON COOLPIX P300)が水没したら泣くに泣けない。そんなわけで、レインウェアに中に仕舞っておいたのであった。


AM7:54 岩苔乗越通過。
やっと稜線に出た。思いのほか、風はない。実はここで不覚にも方向を間違えそうになった。しかし、こんな時に冷静なのが同行者。祖父岳方面に進んでしまった自分に対し、いきなり「そっちであっているの?」と自分に問いかけてきた。不安になった自分は元に戻り、標識を確認するとやはり違っていたのであった。これにはとっても助けられた。ここからは少しだけ急登。

(岩苔乗越からワリモ方面を見る)

AM8:09 ワリモ分岐通過。
ここで鷲羽岳方面と水晶岳方面とに分かれる。当然、水晶岳方面に進む。巻道のような石ゴロゴロの道を進む。思いのほか、歩きやすい。それが終わると、傾斜のゆるい歩きやすい道へと変わる。ハイキングに相応しい道だろうな。まだ濃霧なのは同じ。若干の登り道を進むと水晶小屋まで5分の表示。頑張れ!!。実はここから急登。息を切らさないように牛歩で進む。




(水晶小屋へ向けての道)


(水晶小屋へ向けての道)

AM8:44 水晶小屋到着。
ここでトイレを貸していただく(100円)。それとこの小屋の奥さんに水晶岳山頂までの道のりについて聞いてみたが、これから登るのには問題はなさそう。ちなみにこの小屋に「かなり混み合っております」との張り紙がしてあった。山小屋ということで宿泊のお断りは出来ないと思うが、出来れば断りたいのだろう。三俣山荘で聞いた情報だと昨日の時点ですでに定員をオーバーしているようだった。

(水晶小屋)

AM8:50 水晶小屋出発。
山頂付近は霧で全く見えない。最初はとっても気持ちのよさそうな平坦道。これを5分くらい進むと岩場に取り付く。といっても三点支持が必要な箇所は数箇所。山頂手前の小さなピーク三つ〜四つをトラバースするように進む。梯子も二箇所あるが、問題なし。

(水晶岳山頂へ向けての道 1)


(水晶岳をズームアップ)


(水晶岳山頂へ向けての道 2)


(水晶岳山頂へ向けての道より山頂を望む)

AM9:33 水晶岳山頂到着。
念願叶いました!!今回の最大の目標はここ。ここを登れずして下山するなんて考えられなかった。山頂手前で一緒になった大阪のお兄さんと同行者との三人で山頂からの景色を堪能していると・・・・。奇跡が起こった。見る見るうちに霧が晴れてきて雲の平付近が見えてきたのであった。それからさらにしばらくすると黒部五郎岳や鷲羽岳、野口五郎岳までも・・・・。薬師岳〜読売新道方面以外は見渡せるのである。心から神さまに感謝します!!!!大阪のお兄さん(かなりの健脚の持ち主)とは双六小屋で会いましょうと約束をして別れる。その後もしばらく動画撮影。これで思い残すことはない。


(水晶岳山頂)


(水晶岳山頂より黒部五郎岳方面を観る)

AM9:45 下山開始。
水晶小屋へ下山しているとさらに天気が回復。な、なんと槍の穂先まで顔を出したのである。次第に読売新道方面や薬師岳方面まで見渡せるようにもなる。なんてことだろう。ただただ、嬉しい限りである。朝の豪雨が嘘のようである。

(下山道より黒部五郎岳(右)と鷲羽岳(左)を望む)


(野口五郎岳などの裏銀座方面を望む)


(水晶小屋に戻る道で槍を発見)


(水晶小屋へ戻る道から黒部五郎岳と雲の平を観る)


(振り返って水晶岳を観る)


(水晶小屋へ帰還)

AM10:23 水晶小屋通過。
帰路は堪能できなかった景色を楽しみながら進む。正面には鷲羽岳を見ながら。とにかく素晴らしいの一言。

(鷲羽岳へ向かう道から表銀座方面を観る)


(鷲羽岳を観る)


(鷲羽岳を観ながらの快適な道)

AM10:50 ワリモ分岐通過。鷲羽岳の山頂付近の霧が取れてきているので、昨日に引き続き、再度トライすることにした。ここからはやはり急登。牛歩で進むしかない。

(ワリモ分岐から祖父岳方面を観る)


(ワリモ岳を観る)


(ワリモ岳頂上直下)

AM11:09 ワリモ岳山頂到着。
実はここは山頂直下で正式な山頂ではない。ここからは一箇所だけ、やや危険なところを通過する。あんまり信用出来ない?ロープが掛けられている岩をトラバースするような箇所。ゆっくり進めば問題ないが、少しだけ高度感がある。一旦、下って鷲羽岳へと取り付く。こちら側からも急登であるが、山頂が見えていたので精神的には楽。



(ワリモ岳より鷲羽岳を望む)


(鷲羽岳頂上に向けての急登)


(振り返ってワリモ岳〜水晶岳への稜線を眺める)

AM11:44 二回目の鷲羽岳山頂到着。
今日は絶景だ〜。昨日とは別の場所に立っているかのようだ。槍の穂先〜双六岳〜雲の平〜薬師岳(ガスっていたよ〜)〜水晶岳〜裏銀座方面が見渡せる。そして下を見ると昨日は見えなかった鷲羽池も見える。しばらくすると青空まで出てきた。嬉しいけど大変だ〜。日焼け止めを塗っていない。

(二度目の鷲羽岳山頂)


(鷲羽池と槍ヶ岳)


(裏銀座方面を望む)

AM 11:54鷲羽岳山頂出発。
ここからは同行者が大得意としている下り。ものすごい速さ。最初は遠くに見えた団体さん達に一気に追いつき、しばらくは後ろについて抜くタイミングをうかがいながらスローペース。そしてガイドさんの「お先にどうど」とのお言葉をいただくと一気に抜き去り、最後は小走りまでしやがった(笑)。

(鷲羽岳からの下山途中で三俣山荘をアップ)

PM0:37 三俣山荘着。
水晶岳・鷲羽岳周遊の総時間=6時間33分だった。あの悪条件を考えると悪くないペースだった。ここではデポしたリュックサックに荷物を詰め替え、今日は必要ではなくなるであろうレインウェアをたたむ。そして、昼食を採る。やっぱり焼きそば。美味い。同行者は持参していたパンで済ませていた。

(三俣山荘から鷲羽岳を望む)


(三俣山荘食堂より鷲羽〜ワリモ〜水晶方面を望む)

PM1:36 三俣山荘出発。
色々な意味でお世話になったし、とっても印象深い山荘だったなぁ。行きは巻道だったので帰りは中道。三俣峠からは三俣蓮華岳に向けて登る。かなりの急登。しばらく進むと「雷鳥ちゃん」に出会う。この雷鳥ちゃんってとっても可愛い。鳴き声やしぐさからも癒される。

(双六へ向かう道より鷲羽〜水晶方面を振り返る)




(三俣峠付近で出会った雷鳥ちゃん)

PM2:41 三俣蓮華岳山頂到着。
ここは長野・富山・岐阜三県境の地のようだ。鷲羽岳が目の前に見えるのが嬉しい。団体さんがいたので写真撮影だけ済ませて、先を急ぐ。


ここからは一旦、下り、また登り返し。

(双六小屋へ向けての中道)


(中道より巻道方面を見る)

PM3:10 丸山山頂付近通過。
ここからはほとんど下り。西方向からガスが上がってきて景色は朝のように戻りつつあるが、雨が降るようなことはなさそう。鷲羽岳や双六岳も姿を隠しては、また現す。の繰り返し。

(丸山山頂付近)

PM3:38 双六岳山頂へ(稜線コース)との分岐通過。
双六岳から伸びるカールと雪渓がこれまた素晴らしい。今日は絶景の連続で感激しっぱなし。



(双六岳の雪渓)

PM4:16 双六小屋で使用している水場通過。



(双六小屋を上から見る)

PM4:42 双六小屋到着。
いや〜。今日は疲れました。特に精神的に。水晶岳山頂に着くまではずっと緊張していた気がする。しかし、今や達成感が強くなり「行けてよかった」という気持ちが一番強い。 部屋はクロユリという四人部屋。そこに四人が寝た。布団1セット/1人なので全く問題なし。むしろありがたい。この日の夕食は頼まず、カレーライス(800円×2)とラーメン(800円×1)と生ビール(800円×1)で同行者と祝杯?を挙げたつもり。しかし、同行者は外で食べるのは寒いだとか、文句を言っていた(笑)。ちなみにこのカレーライス。かなり美味いです。平凡な味だけど平凡が一番。夕食時間後、水晶岳で一緒になった大阪のお兄さんと談話室で話をした。人の良さそうな方である。自分の登った山々を丁寧に説明して下さった。また、そこに居合わせた方で「明日は読売新道を進むが天気が心配」と嘆かれていたのが印象的だった。結果、その方は読売新道には行かず、下山したのであったが。
PM9:00の消灯を過ぎてもなかなか寝付けなかった。やはり寝付けたのは日が変わったあたり。


(双六小屋から観た鷲羽岳)


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11.8.17〜8.20