・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
弓ヶ浜温泉湯楽亭を後にして、しばしのドライブ。
三角線の終着駅である三角駅を少しだけ見学。来たことのない駅舎を前に感激。
一旦天草方面に戻り、帰りは有明海を左手に見ながら天草街道を進む。天気があまり良くないせいか、雲仙方面はうっすらとしか見えない。

三角駅 三角駅
途中、宇土市の住吉というところで海苔の養殖をやっているよう光景を目にし、思わず車を降りて見学。今まで映像でしか見たことがない光景に感激した。

海苔養殖の風景 海苔養殖の風景

海苔養殖の風景 海苔養殖の風景
宇土市街地からは阿蘇〜大観峰〜小国町と通り、ファームロードわいたを北上。「←寺尾野」の標識を見落とさないように注意深く進む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらく進むと標識を発見。
標識通りに進むとかなり下っているのがわかる。すると集落らしきところに出る。ここが寺尾野。
もちろん駐車場などはなく、邪魔にならないようにピッタリと路肩に車を寄せる。
ここから歩いて数分。集落の一番下。廃屋の横を過ぎて一番奥にある湯抜きのある木造の小屋が「薬師湯」
集落から隠れるようにひっそりと建っている。
入口も集落側ではなく隠れるように林側にある。

寺尾野集落 寺尾野集落

薬師湯へ 薬師湯小屋
実はこの薬師湯。寺尾野集落が幾度かの土砂崩れに遭い、その都度、湯小屋の場所を変えて建て替えていたらしい(一緒に入ってお話させていただいた寺尾野のおじさま談)。
湯小屋の扉を開けるとすぐさま左右に分かれる。左が男湯。右側が女湯。
我々がお邪魔した時にはちょうど寺尾野にお住まいのご夫婦が畑仕事の後、ひとっ風呂浴びに来られていた。

薬師湯湯小屋 薬師湯入口
備え付けの料金箱に100円を入れてから入湯。
風呂桶は5つくらいあってありがたい。また当然ながらカランやシャワーなんぞはない。

男湯
ラッキーなことにここ寺尾野のおじさまと一緒に入らせていただいたおかげで貴重なお話を伺うことが出来た。とっても優しい方でした。
※この湯小屋の清掃は寺尾野の住民の方々が交代でされているらしいです。
奥から流れ出たばかりのの源泉温度は39℃くらい。そこからお湯が注がれた奥の浴槽は38℃くらい。さらに奥の浴槽から注がれた手前の浴槽は35℃くらい。
無色透明で飲泉しても程よい硫黄臭が鼻から抜ける優しい湯。
しかし、実際はかなりガツンとくるお湯かもしれない。お湯をすくって臭いを嗅ぐと見た目や飲泉した時よりもずっと強い硫黄臭。目を瞑ってお湯を鼻に近づけると細かな白い湯花が舞う白濁硫黄臭のそれと変わらないと思えるほど強い。
肌触りは匂いとは裏腹に強くはないもののツルスベ感がある。


一言でいうと完璧に違いお湯である。温度、匂い、浴室の風情など自分の好みにぴったりだから(笑)。
実際に地元、寺尾野のおばさまが同行者に向かって「服が硫黄臭くなってしばらく消えないよ」と笑いながら言っていたらしい。
肌触りはなめらか。何だかとっても気持ちよくって貸切状態の極上湯に一時間近くものんびり浸かっていたのであった。

同行者にもらった女湯画像
寺尾野のおじさまがお風呂から上がられる際に「温いからゆっくり浸かっていったらいいよ。」と自分の家に招き入れたかのように優しく言って下さったのが印象的だった。ちなみにこのおじさまは夕方また入りにくるそうです(いいなぁ〜)。
※この湯小屋を出る時に誰もいなければ換気のために壁側の窓を開けて出て欲しいそうです(寺尾野のおじさまおばさまからのお願い)。
車に戻る際、寺尾野集落の犬に吠えられながら、ここを後にしたのであった。おまえは誰だ?と言わんばかりに(笑)。
泉質=硫化水素泉 湧出量=34.4リットル/分
(薬師湯内の掲示板を参照)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここの浴場はいろいろな意味で貴重な存在だと思います。それにジモ専なのにもかかわらず、部外者を受け入れていただけていることに嬉しさを感じます。
また入浴料(協力金)100円というのもいいですね〜。これより多い金額にするときっと「金を払っているんだから」と言って難癖を付ける人も出てくると思いますので。
それから春からはかなり混雑するとのことでした。寺尾野付近に山菜取りに来られた方々がここで汗を流して帰るらしいのです。
こんな素晴らしい温泉に出会えたこと、そしてこの温泉を管理されている寺尾野の方々と大自然に心から感謝したいと思います。
今はこの薬師湯が愛おしく思えます。いつまでもいつまでも残って欲しいと思います。
またいつの日か寺尾野の方々の邪魔にならないように静かに訪れて、この極上湯をありがたくいただきたいと思います。
|