仙丈ケ岳

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昨日は
甲斐駒。今日は仙丈ケ岳。北沢峠付近に泊まるかなりの人が、この行程を選ぶのではないかと思います。
我々も例外ではなく・・・・・(笑)。

昨晩、こもれび山荘のご主人が「今日より明日の方が天候が安定するはず」とおっしゃっていたが果たして・・・・・。

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北沢峠(こもれび山荘) 6:22→馬の背ヒュッテ 8:40〜8:52→仙丈小屋 9:36→仙丈ケ岳山頂 10:09〜10:25→小仙丈ケ岳 11:22〜11:30→大滝の頭 12:09→北沢峠(こもれび山荘) 13:08

合計時間(休憩時間を含む) 6時間46分


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朝から品のかけらもないデカイ声で起こされる。多分、ツアー客の連中と思われる。時計を見るとまだ3時半。朝食の味噌汁サービスは4時から。本当に本当に常識を疑う・・・・・・・。
一階の各カーテンが閉まっていて且つライトが点いていないということは皆さん、まだ寝ているということ。

あの人達には「気配り」という言葉が存在しないのだろうか?
ただ静かに食事をして靴を履けば済むこと。至って簡単なことなんだけど、それさえも出来ないなんて・・・・・。

我々もそうならないように気を付けたい。

飯豊の本山小屋なんかはトイレ以外、4時前に起きてはいけないという規則がある。これを皆さんはちゃんと守っている。

こもれび山荘さんも今回の件については熟考された方がよろしいかと思いました。ルールを決めるべきところはしっかりと決めないとトラブルになると思います。きっと我々と同じような思いをしている方々がこの日以外にもいらっしゃると思いますので。

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我々は仙丈ヶ岳往復のみなので早く出る必要は全くなく、ゆっくり起きて朝食&準備。

騒がしい人達が去った後、ゆっくり朝食(5:06)

6:22。こもれび山荘スタート。
空は泣き出しそう。今回のコースは大平山荘→馬の背ヒュッテ→仙丈ヶ岳→小仙丈ヶ岳→こもれび山荘。

大平山荘へはバス道ではなく近道である山道を下る。

大平山荘はバス道沿いにあるがいかにも山小屋と言った雰囲気。しかも中はきれいそう。薪も置いてあるし、ちょっと惹かれるなぁ。

大平山荘通過(6:31)

ここからは本格的な登山道になる。

最初はなだらかな道であるが、しばらくするとつづら折りの急登に差し掛かる。
先週の飯豊が効いているのか自分は「楽勝」なのだが、同行者のペースが昨日に続き、全く上がらない。年なのかなぁ(笑)。
実は標高が高いせいか高山病にかかったかもしれない。昨日、頭が痛いと言っていたし。最近は低山ばかりだったから(笑)。
また最近、登るときに横ブレが少し激しい気がするので指摘はしてみた。無駄な動きは体力を消耗しやすいし。

急登を進む(6:54)


急登を進む(7:07)


この急登が終わると沢沿いに出る。まだ雪渓の残る涼しげな道。
なんとなく光岳に向かう静高平手前の急登に雰囲気が似ている。
所々、急登もありザレ場ありではあるが鋸岳を背に進む道は案外と気持ちがいい。汗をかいている時って水の音が本当に心地いい。

雪渓出現(7:36)


雪渓出現箇所から後ろを振り返り鋸岳を見る(7:36)


雪渓&沢伝いに進む(7:43)

しばらくすると上から雨が。
やがて本降りになったためレインウエアを着用。
しかし、10分くらいすると小降りに。

着込んで暑い中、左側の対岸にある滝を見過し、鹿対策の金網群を進むとやがて小屋が現れる。

8:40。馬の背ヒュッテ到着。
ここでレインウエアを脱ぐ。


なかなか天気は回復せずにあたりは真っ白。でも雨は落ちてきそうにない感じはする。

ここからは馬の背と言われる尾根伝いを進む。正直、尾根っぽいなぁとしか感じない。視界も50mくらいだからなぁ。

稜線上と思えるがどこを歩いているんだか・・・・(9:13)

この馬の背を過ぎるとお花畑っぽい(笑)場所を登る。
標高が上がってきたこともあってか息がハアハアしてくる。

お花畑のようなところを通過(9:30)

そんな道もしばらく登り続け、水場を過ぎると突如、右手に仙丈小屋が現れる。
ガスが濃いため突如という感覚が強い。
生ビールの表示に目が眩んだが「我慢!」。
この小屋のトイレは驚きの水洗らしい。環境に配慮した浄化槽があるとのこと。
それと晴れたら景色が最高なんだろうな。きっと。

仙丈小屋到着(9:36)

さぁ、山頂まであと少し。小屋裏の急登をしばらく登ると風の強い稜線に出る。さすがに寒く、レインウエアの上着のみ着用する。
ここからの道は高山によくある岩稜帯の登り。山頂は近いんだなぁって「想像」しながら歩く。

花が散ったチングルマ なんか癒される〜


仙丈小屋裏の急登(9:46)


山頂へ向けて(9:51)


山頂へ向けて(10:02)


山頂へ向けて(10:06) 奥のピークが山頂

いくつかのピークを過ぎ、うっすらとではあるが目の前にたくさんの人が立っているピーク発見!これが山頂に間違いないだろう。
動画を回しながら進む。
※ここ数年。山頂到着時には必ず動画を撮影しなが上がる。自分は撮る人。同行者は映る人。


10:09。仙丈ヶ岳山頂到着。標高3,033m。
周りはガスガスガスガス。何にも見えない。
しかしこの天気にもかかわらず山頂は大賑わい。



大仙丈ケ岳方面も真っ白


          仙丈ケ岳山頂の三角点                      こもれび山荘の昼飯

ここでこもれび山荘の昼用弁当を食べる。鶏弁です。食べやすくて美味いです。でも量が少ないっす。

バテ気味の同行者の体力が回復するまでしばらく休む・・・・・が寒い〜。
しばらくガスが晴れるのを期待はするが難しそう。
なのでゆっくり下山することにする。
もちろん下山ルートは登りと変えて小仙丈ヶ岳経由にする。

大仙丈沢カールが見えると思われるという付近も展望はほとんどなし。
でもこんなガスった景色も南アルプスらしく、決していやではない。

ガスの中を下山(10:38)

標高をどんどん下げていくと徐々に視界が開けてくる。さっきは見えなかった小仙丈ケ岳が徐々に顔を出す。

小仙丈ケ岳へ向けて 先のピークの一番奥が小仙丈ケ岳(10:54)


視界がかなり良くなる(10:55)

ここから小仙丈ヶ岳ピークまでは甲斐駒ヶ岳を見ながらの稜線歩きとなる。気持ちのいい道がしはらく続く。若干、岩場もあるがゆっくり進めば大したことなし。

すると五人くらいのパーティーとすれ違い挨拶を交わす。その中にはなんとTJさんがいらっしゃっていたのであった。こんにちはと言ったらTJさんもこんにちはと返してくれた。でもずっと急登だったせいか、少々お疲れ気味だったかな。ただ、大病から復活されたばかりでしかもまだ後遺症もあるとはTVを通して聞いている。それを考えると本当によく山登りが出来るなぁと感心する。登山家としてだけではなくひとりの人間としても人々に元気と希望を与える存在なんだなぁと思った。
※実母も田部井さんと同じ大病をしましたが、彼女の生きざまにも励まされているようです。人工物を着けるようになってはしまいましたが、おかげさまで順調に復活しています。


稜線から仙丈ケ岳方面を見る(11:09)


稜線上から見た小仙丈ケ岳ピークと雲に隠れる甲斐駒(11:15)


稜線上から振り返り小仙丈沢カールを見る(11:20)

しばらくすると目の前には甲斐駒ヶ岳が雲の隙間を縫って少しだけ顔を出してくれた。荒々しく豆大福のような山容にうっとり。

11:22。小仙丈ヶ岳到着。
甲斐駒ヶ岳や鋸岳は姿を隠したが馬の背や小仙丈沢カールはきれいに見ることが出来る。
しばし栄養補給タイム。



この小仙丈ヶ岳からはずっと下り。しかもなかなか急。でも晴れていれば甲斐駒ヶ岳を正面に見ながらの下山になるからきっと素晴らしいのだろう。我々はそれを期待しながら展望の利く箇所では立ち止まり、雲が切れることを待ったが叶わず。

面白い形の雲の間を下山(11:36)


下山中、顔を出した鳳凰三山をアップ(11:41)


甲斐駒や鋸岳を正面に見ながらの下山だが・・・・(11:47)

6合目付近からは樹林帯に入る。すると標高を下げたせいなのか右手には鳳凰三山がくっきりと顔を出してくれた。
着実に高度を下げていくと気温が徐々に上がってくる。ちょっと暑い。

長い下りを終えて2合目までくると残りは遊歩道のような比較的傾斜の緩い道。

13:08。無事に北沢峠到着。

早速、こもれび山荘で生ビールでも飲もうかなぁって思っていると仙流荘行バス受付のおじさまが「どっちに帰るの?」と聞いてこられたので「仙流荘です」と答えると「すぐ乗って!」と。
13時発の増便があり、それに間に合ったのであった。
※後でわかったのであるが、バス一台満員に達すると次々と出発していたらしい。
慌てることなかったかも(笑)。

同行者はこもれび山荘に戻り、デポしていた荷物をピックアップ。それから昨日、作り置きとして頼んでおいた「朝には焼きたてだった」アップルパイとあんこ入りのクロワッサンを受け取りに(ちなみにパン生地がモッチモチでとっても美味い)。


自分はバスの切符を買う。

そして13時10分過ぎ。北沢峠をバスは出発したのであった。運転手さんのガイドは楽しく道端に咲く花や鋸岳の説明をして下さる。

意外と時間の経つのが早く感じ、14時前には仙流荘に到着した。

早速、仙流荘の塩素バリバリの温泉(笑)で汗を流し、生ビール&ラーメンで至福の時間を過ごした。

            仙流荘バス停                              仙流荘

17時発の茅野行JRバスに乗り、トクだ値35で既に指定席を購入済のスーパーあずさに乗り帰宅。
自由席はかなり混んでいた様子。茅野駅から乗ったハイカーもかなりいるようで山登りで疲れた体に立ちんぼとはちょっとかわいそう。

そうそう。このJRバスにも昨日宿泊したこもれび山荘でも例のイラストレーターさんが一緒だった。仙水峠手前で道を譲った時以外、全く会話をする機会がなかったが・・・・・(笑)。

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南アルプスの女王と呼ばれている仙丈ヶ岳。残念ながらガスで真っ白のため、その片鱗程度しか見ることは出来ませんでした。
しかし、危険な箇所も少なくて山小屋も道中の数ヵ所にあるため、夏であれば気軽に立ち寄ることの山だと思います。
晴れていればきっとお花畑やカールが見事なんでしょうね。
天候は良くなかったとは言いつつ、今回も怪我や体調不良もなく無事に登山が出来ました。ありがたい限りです。

百名山を完登したら、ぜひ再訪したいと思います。出来れば仙丈小屋か馬の背ヒュッテに泊まって。


さぁ、来月は道東へ。天気がいいことと熊に遭わないことを祈って・・・・・。

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14.8.24
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