岡山県 奥津温泉 東和楼

温泉マニアの間では奥津荘さんよりもむしろ東和楼さんを推す方も多い。自分は宿泊代の安いほうっていう安易な考えでだけ東和楼さんにお世話になることにした。
最初に言わせていただきますが、この判断が「大当たり!!」です。超名湯です!!

狭い奥津温泉。東和楼さんは先ほど日帰り入浴した奥津荘さんのお隣なのである。

             東和楼                             宿泊した部屋「松」

到着するや否やご主人さんが部屋まで案内してくださった。部屋は二階の松の間。昔ながらの造りで広々としている。
この時にご主人から重大発表が・・・・。「今、川が増水しているのでお風呂も増水しています」とのことで出来れば家族湯に入って欲しいとであった。三朝温泉がそうであったので何となくやばい気はしていたがやっぱりね。自然が為すこと。これには従うしかない。しかしご主人さん。「今、川の水位が下がり始めているから何とか夕方までには入れるように清掃したいと思ってます」と。何と頼もしいお言葉。

結局、食事の終わったPM7時過ぎには入れるようになって一時間弱の間は男湯を同行者との貸切にさせてくださった。ありがたいことです。
それから共同ではあるものの、ここ東和楼さんのトイレがものすごくきれい。超高級シャワートイレ付き。腰を上げると水が勝手に流れる仕組みです。やっぱり「トイレに力を入れている旅館に悪い旅館はない」と勝手に思いこんでいるが、この法則は強ち嘘ではないと自負している。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<家族湯>
受付と同じ高さの一階に位置する。非常にこじんまりとした浴槽。二人で入ればいっぱいになる大きさ。ポンプアップ式ではあるが当然、源泉掛け流し。ここの浴槽は変わっていて湯底から補充される仕組みになっている。言わば人工足元湧出泉。お湯の温度は42℃くらいで適温。無色透明で匂いはほとんど感じない。ここにはカラン・シャワーもあり体を洗いたい場合はここを利用。

            家族湯全体                             家族湯浴槽

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<男湯>
地下一階に位置する。この浴室に行くには白く塗られた長いトンネル(20mくらい?)を抜けてゆく。四万温泉積善館のそれとそっくりでびっくり。すると男湯と女湯の扉が現れる。

脱衣所は簡素で共同浴場を思わせる。浴室の扉を開けると足元にはくるぶしまで浸かってしまうかと思えるほどの掛け流し湯。ご主人に聞くと毎分100Lのお湯が湧いているとのこと。
浴槽は4人も入ればいっぱいになるだろう大きさ。深さは最大で胸まで浸かってしまうほど。湯底は岩だらけ(笑)。お湯はアルカリ性単純泉の無色透明できれいなお湯。体感温度は40℃くらい。浴槽手前には深い穴があって足で触ると砂地。川とつながっているのかなぁ?。実はそこからやや冷たい水がほどよく湧出されているようで、長湯するにはやや熱めのお湯とうまい具合に混ざり合い、適温になっているようである。
浴槽の真ん中やや奥には源泉が吹き出している岩盤に突き刺したパイプがあり、そこから水面が盛り上がるくらい勢いよくお湯が湧出している。浴槽外に置いた桶が排水口へ流される姿は見事!お湯の質感は美人の湯だけあってしっとりスベスベ。お湯に浸かっている最中は多くはないが泡付きもあった。今まで足元湧出泉でこんなにドバドバ掛け流しの温泉に出会った記憶がない。贅沢の極みです。大好きです。素晴らしいです。

※時間によって湧出量が違う気がしました。これも自然湧出だからこそだと思います。


        男湯・女湯に向かう階段                 左画像の階段を下りたところ→ここを直進


           男湯・女湯入口            豪雨で湯没?した男湯
(水位が浴槽よりも数十cm上にある)


男湯 1

男湯 2


男湯浴槽を真上から

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<女湯>
同行者いわく、この浴槽からの足元湧出はなく、壁の向こうにある男湯のお湯が流れてきていると思われる。どうやら足元部分は男湯と繋がっているらしい。

また浴室も暗いらしい。これは男湯が川沿いにあり女湯は建物側にあるため、太陽光が入りづらいのも影響しているかもしれない。
女湯にはしかし、浴槽内手前の部分は浅くなっており腰を掛けてゆっくりできる構造になっているとのこと。


下からかなりの量のお湯が湧出する男湯にはかなわないが、これ単体で考えればいいお湯だとのこと。

女湯

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<食事>
夕食はPM6:00からにしていただいた。隣の空き部屋に用意していただき、そこで食べる。失礼ながら特別に「これは素晴らしい」というものはなかったが、どれも美味しく熱燗がやけに進んだ(でもめちゃめちゃ安いんです)。温かい方が美味しいものは温かいうちに出していただけたし、出していただくタイミングも我々にはドンピシャ。個人的には茶碗蒸しが特に気に入った。母親が作るそれと瓜二つの味だったからかなぁ。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝食もご主人に「大山に登るので・・・」と無理を言ってAM7時からにして下さった。実は食欲がなかったのであるが、結局、二膳も食べてしまった。温泉タマゴとのりの組み合わせって食欲をそそるんだよなぁ。

朝食

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


         宿泊した部屋から見た風景                      東和楼さんの前


          増水した吉井川                            水没した露天風呂

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

温泉マニアの間でも人気があるのがよ〜くわかる。翌朝はようやく晴れたので予定していた大山登山を決行。そのためAM7:30にはチェックアウト。なんともったいないことをしているんだろう(笑)。出来ることならばチェックアウトギリギリまでここのお湯を堪能したかった。場所も自宅からは決して近くないため、今度はいつ再訪するかわからないけど・・・・・・でもまた行きたいなぁ。



                     TOP    入湯リスト 



12.5.4〜5(宿泊)