奥 穂 高 岳

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一度来たらクセになってしまって百名山完登が遅くなってしまうと懸念していた穂高。しかし我慢の限界がきてしまい、今年とうとう入山いたしました。

ありがたことに天気にも恵まれて素晴らしい山旅となりました。やっぱり懸念していたとおり、これからはある意味、自制しないと百名山完登が遅くなってしまうかもしれません(笑)

「百名山時々穂高」。これからはそんな山旅生活がいいかもしれない。今はそう思います(*^^)v

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一日目(8/10)
AM5:45 上高地バスターミナル出発→徳沢(AM7:16〜29)→横尾山荘(AM8:21〜37)→本谷橋(AM9:31〜44)→涸沢小屋(AM11:56〜PM0:15)→ザイテングラート取付(PM1:18〜27)→PM2:48 穂高岳山荘到着

合計時間 9時間2分(休憩、食事時間全て含む)



二日目(8/11)
AM5:23 穂高岳山荘出発→AM6:04 奥穂高岳山頂到着→AM6:22 下山開始→AM7:17 穂高岳山荘到着(下山時はすれ違い渋滞のため、待ち時間長し)

AM7:35 穂高岳山荘出発→AM8:44 ザイテングラート終了(下山時はすれ違い渋滞のため、待ち時間長し)→涸沢小屋(AM9:33〜44)→涸沢ヒュッテ(AM9:51〜AM10:35)→本谷橋(AM11:57〜PM0:13)→PM1:05 横尾山荘→徳沢園(PM2:11〜26)→PM3:23 明神館→PM4:06 河童橋到着

合計時間 10時間43分(休憩、食事時間全て含む)

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<一日目>

今回は新宿発の「さわやか信州号(グリーンカー)」を利用。我々が乗った車両はシートがあまり良くない代わりにトイレ付きのものだった。
自分はトイレがある方が気分的に安心である。

AM5:30頃。上高地バスターミナル到着。ほぼ定刻通り。
さすがに夏休み(お盆休み)週末の朝。ターミナルは人でごった返している。

まずはトイレ(使用料100円)を済ませ、登山届を提出。

AM5:45。上高地バスターミナル出発。
ここからは当分の間、ハイキング。平坦な遊歩道を歩くのである。
実はこの平坦な遊歩道がとにかく長い。散歩程度ならば気持ちのいい道だと思うが、この後に本当の意味での登山を控えている場合はちょっと(かなり?)つらい。

またこの遊歩道は拠点(明神館・徳沢・横尾)には休憩施設&きれいなトイレがあるため、便利といえば便利。

     ごった返す上高地バスターミナル               河童橋から見た穂高連峰(ガスってる)


         あまり変化のない遊歩道                明神館を少し過ぎた所から見た明神岳


         徳沢へ向けての遊歩道                    徳沢へ向けての遊歩道


         徳沢園通過(AM7:29)                    横尾への遊歩道


       横尾山荘到着(AM8:21)


横尾からはようやく登山道に入るらしい。といっても事前情報だと本谷橋までは遊歩道とそれほど変わらないとの話も多く、いったいどっちなんだろう。
答えは「足して2で割った」感じだった。

PM8:37。横尾山荘を出発。
有名な横尾大橋を渡り、ようやく山の中へと入る。最初はやはり遊歩道と変わりない道。それもしばらくすると道には大小の岩が出現し始め、おまけに左手にはこちらに覆いかぶさってくるかのような「屏風の頭」が現れる。この時がようやく穂高に来たと思える瞬間でもあった。

             横尾大橋                         屏風の頭が見える


AM9:31 本谷橋到着。
かなり沢山の方々が休憩している。我々もこの暑さでやっぱりバテ気味。登山自体はきつくないのであるが、とにかく暑い。しばしの休憩。やはり川沿いの場所は涼しい。

         本谷橋到着(AM9:31)                 本谷橋の様子(橋が大小二つある)

AM9:44 本谷橋出発。
ここからは完全に登山道。いきなりなかなかの急登から始まる。ただ、比較的歩きやすい道のため、危険なことはなく、すべては体力との兼ね合い。まだ先も長いためゆっくりゆっくり登る。

          涸沢カールへの登り                      涸沢カールへの登り

40分くらい登った時だろうか。ようやく涸沢カールの片鱗が姿を現す。これで一層やる気が出てきた。

目の前に涸沢カールと前穂が(*^^)v (AM10:26)

ここからは常に前を見ながらの歩き。遠くに涸沢ヒュッテとその手前に割と大きな雪渓があり、そこを目標に進む。
このあたりはもう急登ではなく、普通の登山道。おそらく安全に歩けるように整備していただいていると思われる。

途中、涸沢カールの雪渓が解けて出来た川の横を通過。思わず、ここで顔を洗ってしまった。気持ちいいのは当たり前。

涸沢カールと手前の小さな雪渓

さあ、ここから涸沢ヒュッテ、涸沢小屋まではあと少し。意外と大きな雪渓をゆっくりゆっくりと登っていく。

涸沢ヒュッテ手前の雪渓を上から見た様子(意外に大きくて通過に計20分くらいもかかってしまった)

AM11:42 涸沢ヒュッテ到着。ここでゆっくり食事をするのが夢だった(笑)。でも今日は通過。数分の間、涸沢カールの絶景を眺めただけで涸沢小屋へ移動。
理由は・・・・・ソフトクリームが食べたかったから(笑)。

でもこの涸沢カールを目の前にした瞬間の気持ちは絶対に忘れない。「言葉が出なかった」のである。圧倒だとか感激だとかいう言葉でもない。
今でも言葉で表現するのは難しいが、強いていうのであれば、まず最初は「優しさと強さとスケールの大きさ」を感じた。そのうちに「許されるのであればここに長く滞在してみたい」。そんな気持ちになった。

また、大自然って本当にありがたい。心からそう思える瞬間でもあった。

涸沢ヒュッテ到着(AM11:42)


涸沢ヒュッテから見た前穂〜吊尾根〜奥穂方面


涸沢ヒュッテから見た奥穂


涸沢ヒュッテから見た穂高岳山荘、ザイテングラート〜前穂方面


涸沢ヒュッテからザイテングラート&穂高岳山荘をアップ

AM11:56 涸沢小屋到着。
早速、ソフトクリームを買う(1個500円)。やっぱり、美味いね〜。この場所でこれを食べることが出来るなんて幸せだ〜!!

それから個人的な感想であるが、賑やかさが好きならば涸沢ヒュッテ。ゆっくりしたいならばこの涸沢小屋がよい気がする。何故かは行けばすぐにわかると思います(*^^)v
今日の気分は小屋の方かな。

涸沢小屋から見た前穂〜吊尾根〜奥穂


      涸沢小屋のソフトクリーム(食いかけ)             涸沢小屋出発(PM0:15)

涸沢小屋出発直後は樹林帯の急登。しかし、15分も歩くと樹林帯を抜けて岩稜帯の急登へと変わる。上には獅子岩と尖った涸沢槍、そして雪渓が見える。
以前、何かのDVDで見た光景が目の前に広がっているのは何だか不思議な感じ。

標高もすでに2,400mを超えている。そのため息切れがきつくなってくる。

また、雪渓を横切る箇所があり、慎重に進めば問題ないのであるが、落石と踏み抜きが怖いため少し緊張しながら進む。

岩稜帯を登る(獅子岩と涸沢槍が見える)


雪渓を歩く

PM1:18 ザイテングラートの取付に到着。
奥穂山頂への核心部と言っても過言ではない箇所。ここから穂高岳山荘までの間、すっと急峻な岩場が続く。ところにより手を使わなければならない箇所も多々あり、当然ながら鎖やハシゴもある。慎重に進めば問題はないが、つい三日前に死亡滑落事故が起きているという事前情報があるため、緊張しながらの登山となる。

ザイテングラート取付(画像右の盛りあがった箇所がザイテングラードの始まり)

PM1:27 ザイテングラート取付出発。
夏休み最初の週末。想像していた通り、ザイテングラートはなかなか混んでいる。
また同行者は急峻な岩場などの恐怖を感じる箇所は得意でないため、所々で後ろの方に先に行っていただくようにした。

登りについては最初は三点支持が必要な箇所もあり、それなりにきつい所もあるが、段々と登っていくに連れて簡単になってゆく。そんな印象を受けた。特に2/3を超えると手を使わなければならないような箇所はほぼなくなる。
また気を付けなければいけない箇所はザイテングラート中腹あたりの岩を巻くように進む鎖場。谷側が意外と切れ落ちている。
とにかくこの岩場は長いのでアスレチック感覚で楽しみながら、ゆっくり「自分のペース」で進むことを心掛ければ、ほぼ問題ないと思う(後ろから突っつかれたら踏ん張らず、すぐに行かせた方がよいと思う)。


ザイテングラー(PM1:36)


ザイテングラー(PM1:45)


ザイテングラート(PM1:54)


ザイテングラート(PM2:14)


ザイテングラート途中からみた前穂(PM2:19)


ザイテングラート(PM2:39) この岩場は終わると山荘までほんの数分。


穂高岳山荘到着(PM2:48)

PM2:48 穂高岳山荘到着。
もう時間が遅いせいもあってか岐阜県側から濃いガスが流れてきて徐々に見通しを悪くしている。でも蝶ヶ岳〜常念〜大天井方面はきれいに見える。

穂高岳山荘前から見た涸沢カール+蝶ヶ岳〜常念岳

一泊二食付きで9,600円。一階一番奥の「くろゆり」という部屋の1・2を割り当てられる。この日はやっぱり混んでいるようで一枚の布団に二人。夕食はPM5:00からであるが我々は三巡目。

小屋はこんなすごい場所に建っているのにとってもきれいにされている。トイレに近い部屋は若干、臭いが気になるかもしれないが、これだけの人数分を処理するのであれば上出来でしょう。

食事は北アらしく美味い。サバの焼き物やメンチカツなど。また水場はフロントに蛇口があり、そこで汲む。宿泊者は無料。

         我々が宿泊した場所                           夕食

我々の宿泊した「くろゆり」では皆さん、山好きで明るい方々が集まったようで楽しい山談義になった。東京からいらっしゃったカップルさん。特に彼女が山好きなようだった。また岩手と北海道からいらっしゃった親子ような二人組など。
とってもいい思い出になりました(*^^)v。また、どこかで会えるといいなぁ〜。


そういえばこの日、山荘の真上で滑落事故があった。見てはいないので詳細はわからないが、自分が見に来た時にはすでに毛布でぐるぐる巻きにされていた。
幸いにも手が動いている姿が見えたので少しホッとしていたが、それも束の間。岐阜県警のヘリであっという間に飛んで行った。手際の良さとヘリの操縦技術の高さがとっても印象に残った。
(※山荘のブログによると足首の骨折だけで済んだらしい。ヘルメットを着用していたようでこれが功を奏した可能性あり。)

こういった救助は山に登る人間にとって本当に本当にありがたい。しかも、ここには岐阜大学医学部の診療所もあるし。
山は自己責任というけれど、助けられる命は助けて欲しい、助かって欲しい。また自分の目の前でそういうことが起きたら出来る限りのことはしたい。そう思いました。

こういうのを間近で見ると複雑な心境になります

この救助後は何事もなかったかのように奥穂山頂方面はガスが取れてきました。

山荘前から奥穂山頂方面を見る

さあ、明日の天気は晴れ予報。久しぶりにきれいなご来光を拝めるでしょうか。またジャンダルムを間近に見ることが出来るでしょうか。
とっても楽しみです。

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13.8.10〜11

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