幌 尻 岳(二日目)


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9/13(一日目)
12:00 とよぬか山荘出発(専用シャトルバス)→12:45 第一ゲート(シャトルバス終点)着→12:50 第一ゲート出発→14:39 北海道電力取水施設着→15:07 渡渉開始→16:43 幌尻山荘着

合計時間 3時間53分(休憩・着替時間全て含む)


9/14(二日目)
5:00 幌尻山荘出発→6:57 命の泉→8:40 新冠コース分岐→8:48 幌尻岳山頂到着〜8:52→10:04 命の泉→11:12 幌尻山荘到着
小計時間 6時間12分(休憩時間含む)

11:38 幌尻山荘出発→13:10〜25渡渉終了(着替)→14:00 北海道電力取水施設→15:50 第一ゲート(シャトルバス終点)着→16:00 第一ゲート発(専用シャトルバス)→16:45 とよぬか山荘到着
小計時間 4時間12分(休憩・着替時間含む)

合計時間 10時間24分(休憩・着替時間含む)


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9/14(二日目)

前日、千葉のおじさまと打合せしていて4時40分くらいに登山開始しようと話していたのだったが、朝から細かい雨。割りと濡れる。
4時に起床。
朝食に無印良品のバームクーヘンを食べる。なかなか喉を通過しないが水で流し込む。
結局は準備に手間取り、5時ちょうどに山荘を出発することになってしまった。


初っぱなから急登。歩き易い道ではあるが、朝一からの急登はなかなかキツイ。スタートして30分もすると同行者の様子がおかしい。千葉のおじさまのペースが早いため、一生懸命付いて行こうと登った結果がすでにバテバテ。仕方なくおじさまには我々を置いて先に進んでいただくよう話す。

ここからが大変。同行者はしばらく進んでは止まり、またしばらく進んでは止まりの繰り返し。ここでこの状態ではかなりまずい。
しまいには「ひとりで山頂に行ってくれば」の発言。困った〜。
その後、同行者には何度も「下山しよう」というが「もう少し進んでみる」との答え。一応、パワーパーや飲むゼリーなどを補給してもらい体力回復を促したが。

命の泉へと登る(6:05)  なかなかの急登です


命の泉へと登る(6:46) 天候は相変わらず・・・・

そんな調子でなんとか「命の泉」の標識まで到着。6:57着。

「命の泉」標識着(6:57)

実際に泉に行くためには数十m下る必要があるようでパス。少しの体力も無駄には出来ない。
ここでしばらく休憩し、引き続きこのまま上に進むことにする。

実はここからもしばらくは急登。木の根などで滑りやすい箇所もあるが、明らかに景色は変わってくる。ハイマツが出始めてくると徐々に急登も少し緩やかに。

あっ、そうそう。この登りで山オヤジのであろう糞が横たわっていた。まだ新しそう。
やっぱり怖くなり、鈴をガンガン鳴らしながら進む。

命の泉の上もなかなかの急登(7:06)

するといきなり稜線に出る。絶景!と言いたいところだか、今は雨・風・ガス。な〜んにも見えない。

ハイマツ帯と大小さまざまな岩、そして横倒しになり枯れ果てた木々の間を縫うように尾根を進む。この日は風がかなり強い。今まで経験した中でも三本指に入るくらいの強風。方向的には海(太平洋)側から山側へ吹いていると思われる。
なかなか登り応えがあるね〜幌尻!(笑)

場所によってはヤセ尾根もあるため滑落しないように慎重に進む。

ヤセ尾根を進む(7:31)

すると、お花畑だろうと思える比較的なだらかな道へ出る。

きっとここは晴れていれば北カールが下に広がり、そして目の前にはどっしりと大きな幌尻岳の全容が現れるんだろうなぁって想像しながら進む(笑)

晴れていれば・・・・・(7:59)


晴れていれば・・・・・(8:07)

そんな道をしばらくルンルン気分?で進むとまたまた稜線へ出る。このあたりはかなり強い。何度か体がよろけそうになる。岩を縫うように進む箇所もあり全く気が抜けない。

この上の岩群も超える  風が強くて・・・・・・(8:12)

すると正面から大きく手を振る人を発見。千葉のおじさまだ!
もう下山してきている。話を聞くとここから10分で山頂とのこと。
なんにも見えないため我々がどこを歩いているか、イマイチ把握出来ておらず非常にありがたい情報。

さらに進むとすぐに新冠コースとの合流点。

ラストスパートだ!
岩ゴロゴロの道を慎重に登ること約10分。

山頂直下の岩ゴロゴロ道(8:45)


あれが幌尻岳山頂標識だ〜(*^^)v

幌尻岳山頂到着。8:48着。
これで同行者と登った百名山も50座目。




山頂は横殴りの細かい雨と強風と濃いガス。感激!と言いたいところであるがそんな心の余裕はなくカメラのレンズは曇って上手く撮れないし、ゆっくり立っていると身の危険を感じるし。

同行者は山頂が見えた時、涙が出てきたと言っていたが自分には無事に帰還しなければいけないという緊張に似た気持ちが心の大半を占めていたため、涙を流すような余裕は正直なかった(笑)。

そういえば同行者は命の泉からは一度も大休憩を取ろうと言わなかった。パワーバーが効いたかも。このパワーバーにはいつも助けられている。最後の頼みはパワーバー。恐るべし。

8:52 幌尻岳山頂出発。

やっぱり下山は早い。相変わらず視界悪し。雨・風・ガスも相変わらず。
景色を楽しむこともなく、ただ安全に帰還することだけを考えて進む。

下山途中の晴れていればなぁ〜の風景 しかもレンズは雨で濡れているし(9:20)

するとあっという間に命の泉に到着。10:04。こんなに近かったの?って思うくらい呆気なく。

ここから樹林帯。歩き易い急登を今度は下る。ゆっくり進んではいるが、ペースはなかなか。

川の音が聞こえてくると山荘まであと少し。

11:12 幌尻山荘到着。

閑散としている幌尻山荘(11:12)

今回の山頂アタック。結局、雨でカメラレンズがすぐに濡れてしまい、まともな写真を撮ることは出来ず。残念〜。

山荘に着くなり千葉のおじさまがまだ出発されておらずパッキングをされていた。話をすると山荘の管理人さんがこの雨ならまだ渡渉は大丈夫だろうと言っていたとのこと。

早速、自分も管理人さんに話に行く。やはり、今なら大丈夫ではないかとのこと。前線の影響で明日の天気予報もよくないし台風も接近している。
ってことで今日、下山すること決定!
もう一泊、山荘を予約していたがキャンセルしすぐに下山準備に取り掛かる。
すると千葉のおじさま。我々を待ってて下さったのだった。

そして11:38。幌尻山荘出発。すぐに最初の渡渉。やはり山荘の管理人さんの助言のとおり、まだ大丈夫そう。

ここからは同行者には可哀想だか、休憩なしで進む。

徐々に下流に行くに従って深さは増すが渡れないほどではない。
一番深いと思われる箇所でも股下くらい。

最後の方は渡渉シーンを撮影する余裕も。

同行者に撮影してもらった自分(12:52)

13:10。渡渉終了。
ここで通常?の靴に履き替えてレインウェアも脱ぎ、そして汗でびっしょりになっている上着も脱ぎ半袖になる。

実はここから北電取水施設までの間がまた長い。岩をへつる箇所あり、石ゴロゴロ箇所ありとすでに7時間以上歩いた体には堪える。

いい忘れたが当然ながら千葉のおじさまは先に出発された。さすがに女性の着替えは時間がかかる。最終バス出発時間を考えれば少しでも早く進んでおきたいのが本音。

そしてようやく北電取水施設に到着。14:00。

北電取水施設通過

気分的にはかなりホッとしたがバス乗り場まではまだ7,5キロもある。

時間を考えると間に合うとは思うが、同行者の体力を考えると絶対ではない。

とにかく残り4キロくらいまではペースを上げて進むように心がける。

車も通ることが出来る道のため、歩くことは容易ではあるが足が重くなるのと同時にリュックサックの重さも辛く感じるようになってくる。
こうなると林道がやたらと長く感じてくる。

次第に同行者の疲れもピークに達し、足の痛みと肩の痛み。この二つが襲ってきた。当然、ペースはガタ落ち。あとは時計とにらめっこ。

長い長い林道(14:13)

そしてやっとやっと15:50にシャトルバス乗り場に到着。結構、ギリギリ。
千葉のおじさまはすでにノンアルコールビールを飲んでリラックスしていた。

16時ちょうど。
バスは出発。我々もバス内で販売している飲み物の中からノンアルコールビールを買う。

安堵の境地と相まって酔っ払いそう。ノンアルコールなのに(笑)。

道中は本当に少し寝てしまった。

そして45分後、とよぬか山荘到着。

この頃になると空には青空が少々、のぞかせていた。

終わった〜。でも絶景をみたかった〜。

このあとは千葉のおじさまとは別れの挨拶をして、各々とよぬか山荘を後にしたのであった。

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今回の山旅は人生初の渡渉体験。しかも山頂アタックはひどい風雨とガス。景色は楽しめませんでしたが、いい経験が出来たと思いますし、心は充実感でいっぱいです。

また要所、要所で何かに助けられていたかのような気がしています。それから忘れてはいけないのが、千葉のおじさまの存在。いつも、気にかけていただいていたようですし。みんなみんな本当にありがたいことです。
あの天候にもかかわらず無事に登頂出来て、しかもその日に下山〜渡渉〜下界に帰還までも終えることが出来ました。あの時の情況をいろいろと考えると奇跡に近いです。
翌日以降の天気を考えるとあのタイミングを逃していたら・・・・考えるだけでゾッとします。

かなりの遠距離ですが、いつの日か快晴の幌尻岳に行ってみたい。そしてお花が咲き乱れる北カールを歩いてみたい。今はそう強く願っています。

もともとは大好きな北海道。これからも何度も行くことになると思います。

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13.9.13〜14

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