雨 飾 山

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今年最後の日本百名山登山は雨飾山にしました。残り少なくなってきたので選ぶのも悩みます。
結局、妙高山との選択に悩みましたが、今回は富山県の穴谷の霊泉での水汲みも兼ねてということもあり、車でしかアクセスしづらい雨飾山にしました。

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天気予報では土曜日より日曜日の方が良いとのこと。しかし、実際は土曜日の方が良かったらしい。
やっぱり日本海側のこの時期は天気予報があてにならない。

宿泊先の姫川温泉白馬荘を4時過ぎに出発。この季節、この時間の周囲は真っ暗。
しかし、昨晩降っていた雨も上がり空には所々に星が見える。

小谷温泉山田旅館、雨飾荘を過ぎ、しばらく進むと雨飾高原キャンプ場に到着する。ここまでは一時間もかからなかった。

駐車場は激混みかと思って早く出てきたが意外と空いていたので拍子抜け。
結局、我々が登山開始するまでの間に満車になることはなかった。

駐車場で空を見ると曇天。風もかなり強そう。しかし天気予報だと徐々に天候回復とのことなので登山開始を7時と決める。それまでは仮眠と朝飯に当てることにした。

天気予報はスゴイ。日が昇ってくるにつれて時折、晴れ間がのぞいてきた。風も強いし長野県側には青空が。これは期待できるかも??????(笑)

なおこの駐車場にはきれいにされている水洗トイレがあり、しかも和式と洋式の便器もある。大変ありがたい。

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雨飾高原キャンプ場登山口 7:00→荒菅沢 8:15→笹平 9:15→雨飾山頂 9:46
登り行動時間(休憩時間含む) 2時間46分

雨飾山頂 10:02→この間、天候回復を願って山頂直下で停滞する→笹平 10:55→荒菅沢 11:48〜54→雨飾高原キャンプ場登山口 12:52
下り行動時間(休憩時間含む)+停滞時間 2時間50分

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7時00分。雨飾高原キャンプ場登山口出発。
長野県側はすでに晴れているようで日が射してくるものの山頂方向の新潟県側はまだ厚い雲に覆われている。

紅葉がきれいな雨飾高原キャンプ場登山口を出発(7:00)

しばらくは木道で整備された道を歩く。このあたりはちょうど紅葉の真っ盛りなのだろう。とっても美しい。

(7:01)


(7:09)

そんな道を行くと2/11の標識に到着。

(7:13)

ここからの道は本格的な登りになる。
ちなみにこの雨飾山の小谷コースの総距離は4,400m。それを400mごとに11分割し1/11〜10/11で各箇所を示してくれている。決して標高差ではなく距離。
しかし、現在地を把握出来るため非常に便利。

(7:21)

この最初の登りはなかなかの急登。体が温まるまでゆっくりゆっくり。
昨晩の雨と道を覆いつくしている落葉のおかげで足元は意外と滑る。

その急登も長くは続かず次第には緩やかな登りに変わる。


(7:25)


(7:44)


荒菅沢が見えてきた(8:08)

しかし、天気予報は本当に当たるのだろうか。まだ、ガスは濃い。


8時14分。荒菅沢到着。
ちなみにここから上が雨飾山のハイライト。急登を延々と登ることになる。

荒菅沢到着(8:14) 太くない川を渡渉する

上に行くにしたがってガスは濃くなってくる。

荒菅沢を超えると急登(8:16) 布団菱もガスの中

最初は樹林帯の急登であるが、次第に稜線に出る。晴れていれば絶景のはずなのだが。

(8:19)


(8:43)


このあたりからは岩稜帯を歩くことになる。
でも足元には積雪も・・・・。おそらく天気が良ければかなり解けてしまうと思うが、この日は寒くてこの付近には日差しが全く届かず。おまけにアサヒビールさん寄贈のハシゴは凍っているし。
慎重に進まざるおう得ない。

このあたりから岩稜帯を進む(8:50)


アサヒビールさん寄贈のハシゴ(9:00)


(9:05)

9/11を過ぎる当たりからは積雪量も増えて5cmくらいは普通にある。
岩の凹凸が見づらい箇所もあり、スピードは上がらない。

9時15分。平らなところに出たなぁと思ったら笹平だった。
晴れていればここから雨飾山の山頂が見えるはずであるが、その気配さえもない。

笹平(9:15)

標高差のない道を下ったり登ったりで進む。

ここは稜線の平原。風もなかなか強くて手が悴む。

(9:17)

9時20分。梶山新湯(雨飾山荘)からのコースとの合流点通過。なんとこの付近。足元が氷になっている。

(9:20)

ここからさらに進むと木々が白くなっている大きな丘に出合う。
これが雨飾山の山頂部。

この丘をゆっくり登る。やはり雪が積もっていて大変歩きづらい。しかも急登。
ガスはさらに濃くなり自分が何処を登っているか。山頂はどのあたりなのか。わからずに進む。

山頂直下の登り(9:40)

するといきなり平らな尾根に出る。そして右手を見ると「北峰の山頂」だった。呆気ない(笑)。

そして左手に目をやると。うっすらと人の姿と標識らしきものが見える。これが雨飾山(南峰)の山頂だろう。
進むと本当に山頂だった。
※この山は双耳峰であり南峰の方が少しだけ標高が高い。

9時46分。雨飾山頂到着。標識1,963m。






周囲の景色は完全に雪山。冬山をやらない自分にとっては不思議な光景。
ここでゆっくりして天候回復を待ちたいところだったが、とにかく寒くて手の感覚がなくなるくらい寒い。
なのでとりあえず、山頂直下まで下山することにした。

一旦、北峰の山頂へ寄ってから下山。

北峰の山頂


北峰の山頂から見た南峰の山頂


山頂から山頂直下の鞍部までの下山はなかなか難儀。積雪で岩が滑る。なので慎重に慎重に下る。

無事に鞍部まで下り、真っ白の笹平を歩いていると・・・・。

急に下界が見えてきたのであった。それならばと山頂直下まで急いで戻ったのであった。
それからは風の強い中、一瞬・一瞬ではあるが下界を見渡すことが出来るため待機。
すると、なんと日本海まで望むことが出来たのだった。

また下界が晴れるということは上がってくるガスが薄くなるため上もその分、晴れる。すると山頂直下から雨飾山の山頂部分がドカッと顔を出してくれたのであった。雪を纏ったその姿はとっても幻想的。

もし晴れた日に登っていたら、こんな光景に出逢えただろうか。今までいろんな山に登ってきたけれど、初めて出逢えた光景。
幸運以外のなにものでもない。

山頂直下から見た雨飾山山頂部


山頂直下から見た雨飾山山頂部(てっぺんの棒のような物は山頂標識)


山頂直下から見た糸魚川市街と日本海

寒さが体に堪えて笹平の標識までゆっくり向かったが、何度も後ろを振り返り雨飾山の優美な姿を目に焼き付けたのであった。

笹平から見た雨飾山山頂部

笹平を過ぎると急坂を下りる。
※頭の中には松山千春の「雪化粧」がグルグル回っていたのは言うまでもない(笑)。

この下りは急な傾斜の尾根伝いを進むのであるが、正面に見える天狗原山?の頭にかかる雪がとってもきれいで幾度となく立ち止まってしまう。
また、この頃には下の方には晴れ間が覗き、気温が上がってきたせいで雪が解けてきている。かなり歩きやすくなってきた。

(10:57)


(11:03)


下って来た道を振り返る(11:13)


(11:16)

11時48分。荒菅沢到着。
朝よりは大分、視界は良くなってきた。布団菱なども見える。

荒菅沢から上を見上げる


荒菅沢から下を見る

この荒菅沢を過ぎれば難しくない下り。太陽の光に反応するかのように輝る葉たちがとっても美しい。

荒菅沢を振り返って見る

12時40分。2/11到着。ここで登山も終わり。あとは、平坦な遊歩道を進むだけ。

12時52分。雨飾高原キャンプ場到着。



下山後は温泉。
今回は
小谷温泉の山田旅館にお邪魔した。以前、宿泊したこともありお湯の良さはわかっている。
実際に浸かってみるとやっぱり名湯以外の何物でもなく、出来ることなら宿泊してゆっくりしてみたくなった。ただ、以前より少しだけ体感温度が低くなったような気がしたが、個人的にはその方が長湯出来るから好き(*^^)v

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今回、紅葉シーズンをやや過ぎたあたりでの登山となりました。そのため、紅葉時名物?雨飾山登山道の「大渋滞」に巻き込まれることはありませんでしたが、その代わりに雪に巻き込まれました(笑)。

いつの日か紅葉真っ盛りのシーズンの「平日」に登りたいと思います。

でも雪を纏った雨飾は本当にきれいでした。

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15.10.25
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