宮城県 湯ノ倉温泉 湯栄館


川原毛を後にし、再び県道を走る。途中、泥湯温泉を通る。この温泉街自体、白い煙に包まれて非常に入ってみたい。有名な奥山旅館で一旦、車の速度を落とすものの今回は断念しておくことにした(泣)。国道398号に入り、またまた大湯温泉阿部旅館の前を通るがここも素通り(泣)。このあたりは秘湯が多く、何泊か覚悟してくる地域だよなぁ。花山峠を過ぎ、再び宮城県に入る。花山峠からやや宮城県側へ入った湯浜峠から見た栗駒山が非常に綺麗だった。

国道398号から温湯温泉入口付近を左折。またまた秘湯で有名な温湯温泉佐藤旅館を通過(泣)。ここを過ぎたあたりからダート道となる。ダート道といっても比較的走りやすい。ここを約4km進むと赤い橋が見える。ここが湯ノ倉温泉湯栄館の入口。適当に路上駐車?をし、車を下りる。リュックサックにタオル等の温泉グッズや持参した穴谷の霊水を積め、出発(AM9時)。ここから徒歩で湯栄館へ向かう。橋を渡った直後から急な傾斜が続く。段々と息が切れてくる。しかし5分くらい進むと平坦な道になり、そこからは森の中をゆっくり散歩といった感覚で歩く。非常に気持ちがいい。天気もこの頃には晴れてきており深呼吸するには最高の空気である。トータルで約15分。奥に赤い屋根の建物が見えてくる。ここが湯ノ倉温泉湯栄館。入口ではここで飼っていると思われる犬に出迎えられた。この犬。ものすごく人懐っこく可愛い。連れて帰りたくなった(笑)。

時計を見るとAM9時20分。入浴開始まではあと40分もある。しばらく湯栄館の周りを散策することにする。すると奥からご主人と思われる方が出てきた。同行者が「入浴はまだですよね?」と慢心な(笑)笑顔で話しかけると一瞬考えたようだったが「もう、いいよ」との返事。やっぱり女はこういう時には得だ(笑)。

入浴料二人分1,000円を払い中へ。入浴開始時間前。当然、他のお客さんはいない。玄関右手の階段を下ったところが浴室、トイレとなっている。一番手前は男用の内湯。扉を開けて外へ出て5mくらい進んだところが女用内湯。有名な大渓流露天風呂へはここでサンダルに履き替えて行く。露天風呂手前には男女別の脱衣所が設置されておりここで脱衣する。

早速露天風呂へ。浴槽を清掃したばっかりなのかお湯が完全には溜まっておらす、やや少なめ。湯船は大きく、20人くらいは同時に入れそうな大きさ。風があるせいか湯面には葉っぱが沢山浮いていた。まさに野湯感覚である。まず湯に足を浸けてみる。結構、熱めではあるが我慢して入るほどの温度ではない。そして肩まで浸かる。歩き疲れていたせいもあってか気持ちがいい。お湯は無色透明。石の香り+やや甘い香りがする。甘い香りが何なのかはわからないが、とにかく甘い香りがほのかにする。滝のように落とされている源泉を舐めてみるが無味に近い。少しだけ鉄味がするかなぁ?この湯船。周りは緑に囲まれ、すぐ横を流れる川の音を聞きながら何とも贅沢な温泉である。個人的な感想としては秘湯感という意味では富山県黒薙温泉の方が勝ると思うが、ここの環境も素晴らしい。また日差しの反射できらきらとした川の水面が何とも美しい。お湯の温度が高めのため足湯8割、半身浴1.5割、全身浴0.5割といった割合で約1時間。他のお客さん(若いカップル)が入ってくるまで、ゆっくりとここの温泉を楽しませてもらう。身体が熱くなっているせいかもしれないが川の上流から吹いてくる風が何とも気持ちがいい。

続いて内湯へ。この湯も熱い。掛け湯を何度もして浸かる。しかし浸かると結構気持ちがいい。泉質は露天風呂と同様。ここは4〜5分程度で上がる。温泉は逆上せる前に上がるのが一番である。身体はかなり温まっており額からは汗がポタポタと落ちてくる。上がった後に同行者が言っていたがこのお湯は何となく重いとのこと。自分も同感である。重いといってもいい意味である。飲泉では「群馬県釈迦の霊泉」の飲み応えが重く感じ、身体に効きそうな感があったが、それと同様な感覚をここの内湯の入浴で覚えた。
この湯ノ倉温泉湯栄館。お湯はあまり特徴がないが野湯感覚を味わいたいと思われる方々には非常にいい温泉であると思う。個人的には富山県黒薙温泉の方が断然好きですが(爆)。何でかって言えばあそこには凛とした空気が漂っているからです!
07.5.26(立ち寄り)
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