鷲羽岳・水晶岳
(一日目 新穂高温泉〜双六小屋) 
今年は絶対にあってはならない放射能の大量放出がありました。残念で悔しくてたまりません。
こんな状況の中、現存する大自然をいつまで観ることが出来るのか。我々人類を含む動物や植物はいつまで正常に生きられるのか。本当に心配でなりません。
そんなことから、秘境と呼ばれる場所を見れるうちに観ておきたい。そんな思いが日を追うごとに強くなってきました。

百名山の中で秘境と言えば・・・・。水晶岳がまず浮かびました。そんなことで行ってきました。
当初は鷲羽岳・水晶岳・黒部五郎岳の三座を目指しましたが、天候不良により黒部五郎岳については諦めました。

8月16日
自宅をPM9:00に出発。この日はUターンラッシュ。上りは混んでいるようだが下りはスイスイ。

8月17日
AM0時過ぎ。松本ICを下りて新穂高温泉へ。AM1:30には無料駐車場に着く。この日は激込みの様子もなく、すんなり駐車することが出来た。

AM4:20 仮眠から起きる。
やはり空は曇天。しかも少しだけ雨も降っている。まあ、行けるところまで行ってみよう。

AM5:12 新穂高温泉深山荘前無料駐車場出発。

新穂高温泉バスターミナル前にある新穂高登山指導センターで登山届の提出を済ませ、AM5:29出発。
槍穂方面とは違う、左俣から進む。4WD車なら難なく進めそうな道を歩く。ゴーっという蒲田川を流れる大量の水の音を聞きながら、思いのほか傾斜のある道を進んで行く。

(新穂高バスターミナル前の橋を通過)


(わさび平小屋方面へ向けて進む)

AM6:38 笠新道入り口到着。
ここには水場がある。せっかくなので少しいただいてみた。少しだけのどに引っ掛かる感覚。ひょっとすると鉱泉かも。

(笠新道入口)

AM6:50 わさび平小屋到着。
ここでトイレ休憩(100円)。この小屋の前には沢水で冷やされたキュウリなどの野菜やすいかやバナナなどの果物が売っている。この小屋の前にも水場があり、水分補給は可能。

(わさび平小屋)

AM7:00 わさび平小屋出発。
ここからも4WD車なら走行可能と思われる道を進む。

AM7:19 小池新道入り口到着。
ここからようやく登山道となる。最初は石ゴロゴロの登り。浮石もそれほどではなく比較的歩きやすい登り。そんな道を進んだ後は極々普通の登山道。一ヶ月ぶりの登山のため、すぐに息が切れてしまう。

(小池新道への道)


(小池新道の登り)

AM8:24 秩父沢通過。
上を見ると「何だかいやらしい雲」が出てきている。この沢を渡る時がとっても気持ちがよかった。冷気が通るため一瞬、ひんやりするのである。

(秩父沢に架かる橋)

AM8:40 チボ岩通過。
岩が思いのほか湿っており、滑りやすくて少し歩きづらい。ストックは使わない方が賢明かも。


AM9:21 イタドリヶ原通過。
ここからしばらく登ったところでいきなり雨が落ちてくる。段々と雨脚が強くなってきたため、あわててレインウェアを着る。しかししかし、こんなものを着ると一気に体が暑くなってくる。それと日頃の運動不足が相まって、動悸がすごいことになってきた。しばらく休憩しても治まることはなく、途中で20分くらいも休憩をしてしまった。それからは再発を恐れてずっと牛歩。また、同行者も息が上がってしまうようで、これまた牛歩を余儀なくされる。そんな情けない理由で標準時間よりもかなりゆっくりペースで進むこととなった。



AM10:14 シシウドヶ原通過。
ちなみにここまでは比較的登りやすい道。傾斜がきつく、息切れはするものの危険な箇所は全くと言っていいほどない。しかしレインウェアの中は汗でびっしょり。時折、強く降る雨によって木陰で避難せざるを得ないこともしばしば。これもペースを遅くする大きな原因にもなる。あ〜ぁ。レインウェア脱ぎたい〜。



AM11:17 鏡平山荘到着。
ここより手前、五分が結構な急登で息が上がってしまった。本当は鏡池に映る槍穂が見たかったのであるが、この時は霧・霧・霧。何にも見えない。まずはここで大休憩。中がグショグショになったレインウェアを脱ぎ、体を乾かす。そして下界で買ってきたおにぎりを無理やり食べる(食欲がない)。この時点でも雨は降っている。おまけにこの山荘で流しているウェザーニュースによると明日も明後日も雨予報。同じタイミングで登られたほとんどの方々が、この鏡平山荘で一泊して明日、下山するかもしくは本日、このまま下山するかの選択をされているようであった。しかし我々は強行突破を選択したのであった。山の天気は変わりやすいのは百も承知。あっという間に雨になることもあれば晴れることだってある。今回は、その後者に賭けてみようと思ったのであった。


(鏡池)


(鏡平小屋)

AM11:45 鏡平山荘出発。
後ろからはだれ一人、追ってくる人はいない模様。正直、不安にもなるが何とかなるでしょう。危険なコースではないし。 実はここからの一時間が結構、身体に応えた。意外と急登なのである。晴れていれば槍穂の山容からパワーをもらえるはずなのであるが、真っ白でおまけに雨と汗でぐっしょりの体。正直、萎えてくる。

(弓折乗越へ向かう道)

PM0:56 弓折乗越到着。
ようやく稜線に出た。ここから急登がないと思うとホッとするのであった。この頃になると、いつもの体調に戻ってきたようで気分も上々。しかし同行者は体調が思わしくなくペースが一向に上がらず。むしろ、落ちてきているかもしれない。

(弓折乗越)

PM1:17 花見平通過。
こんな場所にこんな砂地があるなんて、不思議な光景。ここからは若干の登り下りはあるものの楽勝なコース。

(花見平)


(双六へ向かう稜線)

PM1:48 双六小屋発見。
ほんの一瞬だけ視界が開けたのである。このあたりから見る双六小屋の光景はメルヘンチックな感じがして、ちょっと感激。赤い屋根がまたGOOD。 ここからはほとんどが下り。

(双六小屋発見)


(双六小屋まであともう少し)

PM2:22 双六小屋到着。
「やっと着いた〜」というのが正直な感想。当初はこの日。三俣山荘まで行きたかったのであるが、体調不良と雨の影響でここまでがやっと。受付をし、二階の双六岳という部屋に通される。ここの窓際の布団が我々の寝床。実はこの日はめちゃめちゃ空いていた。我々の部屋は定員がおそらく16名だと思うが、この日は何と10名。夏休みのこの期間でこれは大変にありがたい。夕食はPM5:00からで、まだ時間もあるため小屋の周りをブラブラ。若干、天候が回復したようで鷲羽岳や三俣山荘まで見えた時もあった。


            (双六小屋)                        (双六岳という部屋の前)


           (我々の部屋)                           (我々の寝床)

夕食はPM5:00からの一番手。前評判の通り、味は良し。野菜やちくわの天ぷらがメインディッシュ。特にご飯の炊き方が上手だと思った。

               (夕 食)

消灯はPM9:00であるが、早めに布団に潜った。すると外は轟音に。急に大雨が降ってきたようであった。明日の天気はやっぱりだめなのかなぁ。この雨の轟音と疲れすぎのせいなのか中々寝付けない。眠りに落ちたのは、0時くらいだったと思う。

※双六小屋の感想
この場所でこの環境は凄すぎる。建物全体がきれい。従業員の方々の対応もGOOD。食事は美味い。トイレは水洗。水は双六岳の雪渓から流れる水の恩恵を受けているため豊富で無料。乾燥室は熱風が強くて数時間後には、ほとんどのものが乾いてしまうスグレモノ。談話室も二部屋あり、BSテレビも観ることが出来る。携帯は圏外(FOMAとソフトバンクしかわからないが)であるが、公衆衛星電話があるため、方々との連絡も可能。生ビールやカレーライス、ラーメンなど(各々800円)も売っている。もし、この小屋に風呂があれば下界の民宿と何ら変わりないと思う。



                       二日目へ続く



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11.8.17〜8.20