山形県 白布温泉 西屋旅館
毎年恒例となっている両親との温泉旅行です。今回は茅葺屋根で有名な山形県白布温泉西屋旅館へ宿泊してきました。
AM7:00自宅出発。我々も米沢では今、流行りの天地人ツアー?を行いました。上杉神社、上杉御廟所などを参拝?見学?。PM3:45白布温泉西屋到着。やっぱり風情があります。あの有名な茅葺屋根の母屋と西屋の家紋がまずは目に飛び込んできました。車から荷物を降ろす準備をしていると何処にいらっしゃったのか、番頭さんが我々に近づいてきて足の悪い母親の荷物を持って下さいました。


玄関からして歴史ある造りであることがわかります。一言で言うと重厚感があるとでも表現したらよいでしょうか。受付の女性も感じがよく、しかも美人さん。




両親の部屋は二階にある西屋自慢の部屋「吾妻」。我々はその隣の「月山」

しかしここ西屋の廊下はとにかく気持ちがいいです。どこまでも素足で歩けます。当然スリッパなんてものは用意されていません。きっと清掃も大変だと思います。しかし日本で生まれ日本で育てられた我々にとって、素足で居られるのは一番リラックス出来るスタイルなのではないでしょうか。私はそう思います。



<吾妻>


<月山>





<滝湯風呂(内湯)>
男女別各1。
とにかくここのお風呂には圧巻です。すごい、素晴らしいという言葉も搔っさらっていくような浴室。一番最初にこの浴室を覗いた瞬間、正直言葉が出ませんでした。
数百年も前から、未だにこんな浴槽が残っているなんて脱帽です。
昔からの浴室ゆえにシャワーはありません。しかしここにはそんなものは必要がないと思います。ドバドバと掛け流されるお湯を桶ですくって使えば十分です。奥の源泉口の方からは三本の滝湯があり、そこからとてつもない量のお湯が投入されています。しかもこれだけではなくこの滝湯にプラスして加水一切なしの源泉100%の浴槽もあり、そこからも掛け流し状態で投入されています(当然ここには熱くて浸かれません)。3~4人も入ればいっぱいの浴槽に毎分100Lくらいの無色透明のお湯が投入されています。お湯の温度は43℃~45℃くらいだと思います。かなり熱めですが身体をシャキッとさせてくれるお湯です。匂いは若干の石膏臭。源泉100%の浴槽からすくって少し舐めてみましたが香ばしいいい香りがしました。
この浴室。非常に有名で西屋の名物なのにもかかわらずほとんど貸切状態でした。せっかくなので父親と自分だけで寝湯も楽しみました。親子で寝湯なんてなんとも贅沢です。
高温のお湯のため長湯は出来ませんでしたが計4回入りました。入ったあとは汗が引かなくて困りました(笑)。
一言でこのお湯を表現すると「スカッと爽やか」。
またこの浴室にはシャンプーとボディーソープは用意されていました。



























<宿泊者専用貸切風呂>
我々の宿泊した二階の一番奥にあります。予約制ではなく空いていれば札を使用中にしていつでも浸かれます。しかし自分は浸かりませんでした。あまり温泉の好きではない母親だけが使用しました。お湯の投入量それほど多くはなさそうです。ここもシャワーはありません。

入った後、母親に聞きましたが、かなり熱めで掛け湯を何度もしただけで結局は浸からなかったとの事でした。ここにはホースもあるので加水をすればよいのですが歳のせいなのか面倒だったようです。
ここはあまり風情もなく、お湯の投入量もあまり多くないため出来るだけ滝湯に入るようにした方がいいと思います。
せっかく西屋へ来たのであれば。








<食事>

夕食は6:00から。朝食は8:00からにしてもらいました。我々は運よく一日一組限定の囲炉裏付きの部屋を使用することが出来ました。
夕食は予約時に三つのコースから選べるようになっています。我々はせっかくなので西屋オリジナル御膳というコースにしました。
他にすきやきコース、しゃぶしゃぶコースがあるようですが、私は西屋に宿泊したのであればやはり西屋オリジナルがよいと思いました。
味はどれもおいしく非常に満足でした。全体的に高レベルの食事だと思います。
特に冷汁が気に入りました。キャベツなどの野菜やきのこ類をふんだんに使い、湯通ししたものにカツオ出しの汁で食べる。特に暑い夏などには持ってこいの料理だと思いました。
また米沢牛二切れほどいただきましたが脂が上品で柔らかく、非常に美味い肉でした。

補足ですが、おかずでお腹いっぱいになってしまいご飯(白米)を食べることができませんでした。しかし夜食用にとおにぎり二つとお新香盛り合わせを部屋へ届けておいていただけました。ちょっとしたことかもしれませんが、こういったサービスは嬉しいものです。こんな山奥にコンピニなんてありませんから、もし夜中にお腹が空いたらアウトですし。





朝食も囲炉裏付きの部屋。全体的にヘルシー。味噌汁が2~3杯分もあり平らげるのに苦労しました(笑)。でも美味しかったです。中でも筍ごはんが特に美味しかったです。歯ごたえの良い筍と程よい量の油揚げがアクセントとなり、あっという間に食べてしまいました。またデザートも付きました。ぜんざいのようなものでしたが、こういったものはあんこ好きにはたまりません。これもあっという間に食べてしまいました。






























<その他>
トイレは離れ(別館)以外は共同ではありますがシャワー付きも備え付けられていました。
またここ西屋旅館にはクーラーがありません。確かにこの季節でも朝方はかなり涼しかったです。ただ、お風呂上がりにはせめて扇風機だけでもあったら嬉しいのにって思いました。あのお湯にしばらく浸かると間違いなく汗が噴き出ます(笑)。そんな時はぜひとも扇風機です。

愛煙家の方には辛い話ですが、部屋では禁煙となっています。吸いたい方は数か所にある喫煙所で吸うしかありません。これは2000年の火事からだそうです。この貴重な建物を残すためには当たり前のことだと思います。





帰路は霧に包まれた白布峠を超え、会津若松の鶴ヶ城と白虎隊のお墓を見学してから帰宅しました。これも母親のリクエストでした。さすがに疲れましたが大変満足していた様子だったので、自分も満足です。




白布温泉西屋旅館。建物、お湯。ここにあるもの全てに歴史の重みを感じました。以前は三軒あった茅葺屋根の旅館も、2000年の火事により、今はここ西屋のみが残っています。仮に西屋の茅葺屋根まで燃えてしまったら開湯700年にもなる白布温泉自体の歴史に幕を閉じてしまうと思います。そういった意味でも相当なプレッシャーもあるかと思います。
ですがぜひとも、この素晴らしい温泉遺産をこれからも末長く残していただきたいと思います。


仲居さんはじめここの従業員の方々。皆さん素朴な印象を受けますが、人の良さそうなお顔をされた方ばかりでした。大変気持ちのいい旅館です。
値段だけで考えると少々高いかもしれませんが(吾妻、月山各々二名で利用 1人/17,000円)、決して高くはない、この旅館だったらこのくらい払ってもいいと思わせてくれる旅館だと思います。特に茅葺屋根の維持費は相当なものだと思いますし。
温泉ファンでなくても宿泊する価値があると思います。


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09.6.20~6.21(宿泊)