山梨県 奈良田温泉 白根館
以前から宿泊したいと思っていた白根館。念願が叶いました。最近、OPENした秘湯を守る会webサイトでの予約です。2人/24,300円で一泊二食付き。本館利用。
AM6:45自宅出発。空は曇天。今回初めて利用した首都高速の山手トンネルは非常に便利。特に埼玉方面から中央道に入るのにはこの道が不可欠。しかし国立府中ICを過ぎた辺りから事故渋滞。6kmを抜けるのに50分もかかった。この日は久しぶりに富士山を間近で見たくなり河口湖IC経由で進むことにした。しかし河口湖付近は雨。っていうよりみぞれ。ひょっとしたら晴れるかもしれないいう期待をほんの少し抱きながらのドライブだったが、やはり奇跡は起こらなかった。本栖湖〜下部温泉と通り南アルプス街道へと入る。ここからは慣れた道。しかし途中、崖崩れがあったために早川の河川敷に迂回路が造られていた。結構すごい崖崩れだったようだ。
PM0:50。奈良田温泉白根館着。ゆっくりと車窓を眺めながらの走行だったため思いの外、時間がかかってしまった。チェックインのPM1:00より少し早いが、玄関の戸を開けた。受付にあるチャイムを鳴らすと「あの有名な?ご主人」が出てこられた。色々な方がおっしゃっているように確かに笑顔が少ないし愛想もあまりよくないかも(笑)。(しかし帰る時にはそれが誤解であることに気づいた)



部屋は本館二階の二十六号室。ご主人自ら案内して下さった。ご丁寧にも同行者の荷物も持っていただいた。部屋からの景色はなかなかのもの。窓からは奈良田湖が一望。非常に開放感がある。部屋は六畳+1畳くらいのスペース付き。冷蔵庫もある。テレビは見放題。アメニティーも浴衣、歯ブラシ、手ぬぐい、ジャンボタオルと揃えてあり全く問題ない。またこの季節のこたつは嬉しい。それから本館のトイレは男女別の共同。しかしウォシュレット付きで綺麗にされている。



<木造りの露天風呂>
到着した時は男性用であるが夕食を境にチェックアウト時まで女性用となる。
4m×2mくらいの桧で造られた浴槽。湯口からは間欠泉のように毎分約20Lのお湯が注がれている。風情のある浴槽に目の前にそびえたつ山々。非常に気分がよくなる。
体感温度は41℃〜42℃くらい。外気が低いためもあってか長湯が全く苦にならない。お湯は無色透明。ただし時間によって変化するらしい。二回目に浸かった時には若干黄色く色付いていたのであった。色に加えてお湯の匂いも変化する。最初に入った時には硫黄臭が強かったが二回目に入った時には硫黄臭のあとにアンモニア臭を感じた。
しかし何たってこのお湯のすごさは肌ざわり。トロトロヌルヌルなのである。ローションを塗ったかと思ってしまうほど。しかしお湯から上がると肌はサラサラ。宮城県丸進別館のお湯も確かにトロトロヌルヌルなのであるが、あそこはかなり熱い。ゆっくり入っていられる温度ではない。それに引き換えここのお湯の温度は適温。湯守(ご主人)の腕なのであろう。一切、加温、加水せず熱交換にて温度を冷ましているようである。源泉100%掛け流しである。
素晴らしいの一言である。極上湯以外の何者でもない。
ちなみにここ白根館で一番好きな浴槽がここ。






<石造りの露天風呂>
木造りの露天風呂とは逆で到着した時は女性用であるが夕食を境にチェックアウト時まで男性用となる。
毎分約18Lのお湯が注がれている。体感温度は木造り露天風呂より若干低く、40℃〜41℃くらい。泉質も木造り露天風呂と同じ。時間によって色や匂いが変化していたのまで同じ。湯船の大きさは4〜5人は楽に入れる大きさ。思ったより景色は良くない。きっとここ白根館の下を通っている県道から丸見えになってしまうからであろう。
ここのお湯も極上湯である。特に深夜に入ったこの風呂は最高であった。空は曇っており星は見えなかったものの、し〜んと静まり返った山奥に聞こえるものは風の音と湯口から注がれるお湯の音。そんな環境の中、ひとりぽつんとお湯に身体を沈める。心身が洗われるような気がする。たまりませ〜ん(笑)。










<ひのき風呂(内湯)>
到着した時は奥の浴室が男性用、手前の浴室が女性用。しかしここも夕食を境にチェックアウト時まで入れ替えとなる。
どちらも左右が逆になってるだけで造りは同じ。
毎分約15Lのお湯が注がれている。浴槽への扉を開けるとぷ〜んと桧の心地よい香りが漂う。浴槽は二つに分かれており、湯口に近い方の体感温度は40℃くらい。遠い方は38℃くらいで若干濁っているように見える。この季節。浴室にはミストが凄い。写真撮影もひと苦労。
しかしここの浴槽。アンモニア臭が目立つ。硫黄臭はあまり感じられず。このアンモニア臭が思いの外、強烈で鼻にツ〜ンとくるのである。以前訪問した時は硫黄臭が目立っていたのに何故だろう?やはり温泉も自然物。季節や温度等の環境変化によって泉質も変わるのだろうか?きっとそうなのだろう。
なおシャワーやカランはこの内湯にしかなく、頭や身体を洗う時はここでのみ可能。












<食事(夕食)>
夕食はPM6時から、朝食はAM8時からとなっている。場所は1Fフロント前にある白鳳の間。ちなみに新館に宿泊されている方々は浴場近くのいろりの間で食事をするらしい。ここは掘りごたつのようだ(同行者情報)。
夕食は自家製の食材のオンパレード。こんにゃく、湯葉、そばがきの揚げ物、ご主人みずから猟で仕留めた鹿肉のお椀や猪肉の鍋などなど。味はどれも非常に美味しい。しかもヘルシー。ボリューム感はそれほどないが、完食してみるとお腹がいっぱいになる。
右上の左画像にはエゴマ(エ)と塩を混ぜたものと自家製の爪楊枝がある。エゴマはご主人も好きなようでごはんにかけて食べると美味しい。爪楊枝はクロモジという木枝で造っているとのことで非常に香りが良い。爪で傷をつけると柚子のような香りがする。






<食事(朝食)>
朝食は温泉水を使ったあずき粥。これも美味しい。
この白根館は糖尿病に効能がみられるとのことであるが、実は温泉の効能だけではなく食事なのかもしれないって気がしてきた。それほどヘルシーで美味しい。身体の毒素が抜けていくような料理。







<飲泉処>
手前にある内湯前にある。左には奈良田石清水(湧水)と右手には源泉。源泉を何度か飲んでみたが硫黄の香りが鼻から抜けるとその後にしょっぱさが残る。ちなみにこのお湯の飲泉には糖尿病改善の効果があるらしい。ここで湯治をされた方から血糖値が下がったとの報告がかなりあるらしい。

(ここで湯治なんて非常に贅沢だなぁ〜)



<その他>
フロント横には一杯100円コーヒーがある。自動ではあるが挽きたてのものを飲むことが出来る。カップもお洒落なものが数多く置いてあり好きなカップに入れて飲むことが出来る。
また浴場手前には休憩室があり、ここで一休みが可能。電動マッサージ機が二台もおいてあり自由に使うことが出来る。おそらくかなり高価なものだと思う。性能がかなり良い。




奈良田温泉白根館。かなりの山奥にはありますが、現地までは舗装された道を進むため、また宿の前には県道が通っているため正直、あまり秘湯感というものは感じません。
しかしお湯も料理も素晴らしく思います。宿も綺麗にされています。人気があるのも頷けます。

いくつかのHPを読ませていただくと有名な?ご主人の愛想がないだとか書かれています。確かに笑顔は少ないかもしれません。しかし私が感じたことを書きますと「非常にまじめな方」だと思いました。この宿をお湯を守るために真剣に仕事をされている。そんな印象を受けました。特に夕食の際、ご主人みずから料理の説明をされていたのには好感を持ちました。
同行者にとってはここ白根館は非常にお気に入りの温泉宿だそうです。私もそうです。


また近いうちに再訪する気がします。


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07.2.18(立ち寄り)/09・2.28〜3.1(宿泊)