宮 之 浦 岳

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今年のGW。百名山で登ったことのない山。そしてこの時期に雪のない山と言えば・・・・・・。もう宮之浦しか残っていないんです(笑)。

1月には飛行機と宿を予約。しかしレンタカーは高をくくって3月に予約開始したため、みんないっぱい。困り果てて「カミヤマレンタカー」さんに電話をしたところ1台だけ用意可能とのことでぎりぎりセーフ。
レンタカーの二の舞だけはと思い、トッピー号は乗船日一ヶ月前の8時半に予約。

あとは天気がどうなることやら・・・・・。

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朝はAM3:00起床。AM3:50出発。
宿泊していたゲストハウスで一緒になった親子連れを乗せ、荒川登山口へ。ここで縄文杉を目指す、親子を降ろし、淀川登山口へと向かう。

当初、天気予報の一番良いとされていた5/5に宮之浦岳登頂を考えていたが前日、宿泊先のゲストハウスのオーナーさんから「屋久島は天気予報が曇りであれば登るべき。一日晴れるなんてほとんどないんだから」とのアドバイスをいただき5/4に登頂を目指すことにしたのだった。

淀川登山口は賑わっておったが、幸運なことに我々はギリギリ登山口前に駐車することが出来た。

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淀川登山口 5:25→淀川小屋 6:07〜13→花之江河 7:26→投石平 8:07〜10→栗生岳 9:19→宮之浦岳山頂 9:31
登り時間(休憩時間を含む) 4時間6分

宮之浦岳山頂 10:18→投石平 11:51〜59→花之江河 12:34→小花之江河 12:45〜57→淀川小屋 13:53〜14:00→淀川登山口 14:38
下り時間(休憩時間を含む) 4時間20分

総合計時間(休憩時間を含む) 8時間26分


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5:25淀川登山口出発。
登山道は自然を壊さないように木道や階段を備え付けたりで尾瀬を思い起こさせる。
淀川小屋までは若干のアップダウンがある歩きやすい道。
途中、杉で囲まれた山肌に当たる朝陽がとってもきれいだった。

          淀川登山口出発(5:25)                 朝陽に当たる登山道(5:45)

6:07淀川小屋到着。
ここより先には「トイレブース」しかないため、用を済ませておく。また、前日はGWの影響もあってか、かなりの人が宿泊していたと思われる。

              淀川小屋                     汲み取り式トイレと携帯用トイレブース

淀川小屋を出発してすぐに橋を渡るのであるが、その下を流れる清流がものすごくきれい。

淀川小屋横の川

ここからはしばらく樹林帯の中をゆっくり登っていく。実はこの宮之浦岳へのコースの中で一番退屈な区間(笑)。
それでも時折、屋久島らしい付け根部分が朽ちたと思われる杉の木が現れるのが楽しい。

杉の木でいっぱいの登山道を進む(6:41)

また、下界は雲海が現れており「今日は晴れ」を確信した瞬間でもあった。いくら屋久島であってもこれから数時間は降らないでしょう。

7:08 高盤岳展望台到着。
かまぼこを切ったような岩(トーフ岩)が山頂付近に乗っかっている。やっぱり不思議だぁ〜




かなり登り、結構下ったなぁと思うと湿地帯に到着する。
そこが小花之江河。7:18到着。
樹林帯から抜け出たのもあってかホッとさせてくれる。

小花之江河を進む

ここからの登りも意外とハアハア。

7:26 花之江河到着。
ここは規模はそれほど大きくはないものの地上の楽園といった雰囲気。
目の前には白い岩をまぶしたような山々が広がり、屋久島に来たんだなぁと実感させられる時でもあった。

花之江河


花之江河

ここからしばらく登ると水の流れる道をジャブジャブと登ったり、花崗岩の白い岩を縫うような道も進むようになる。
それと白い岩をまぶしたような山々が段々と姿を現し、周りを囲ってくれていた。
なんて気持ちのいい場なんだろう。

ロープ場(溝の右上を進むと楽勝!)(7:58)


ここからは気持ちの良い稜線を進む(8:03)

また、二ヵ所くらい備え付けのロープを使って降下するようなところもあるが、ゆっくり進めば大丈夫。

8:07投石平到着。

投石平から見たこれから登る急登(8:07)

まず感じたことはここは風の通り道なのか、ひんやりする。熱くなった体には心地よい・・・・というよりも寒くなる。
でもここからの景色は素晴らしいです。周りを見渡すと白い花崗岩がまぶされたような山々に囲まれているのがわかる。時間があれば横たわる大きな岩で昼寝っていうのも最高かも。
それから後ろに構える黒味岳がまた素晴らしい。出来れば、この山にもピストンして帰りたかったが、同行者の体調を考えて自重した。
この景色を見ているだけで幸福感を強く覚える時でもあった。本当にありがたい。




ここからは急登。時折、ロープありで手を使わないと登ることが難しい箇所も出てくる。でも危ない道ではなく初心者でも丁寧に進めば大丈夫だと思う。

急登が終わるとほぼ平坦な道へと変わる。
前方には栗生岳(多分)が顔を覗かせ、次第に右手前方には爺岳が見えてくる。
素晴らしい光景。本当に屋久島らしい風景。本当に幸せ〜(笑)

徐々にガスが切れる宮之浦岳?(8:26) 栗生岳かなぁ??


徐々にガスが切れる宮之浦岳?(8:27) 栗生岳かなぁ??


一旦下っているところ(8:34)


栗生岳〜宮之浦岳へ向けて気持ちのいい道を進む(8:36)


栗生岳かなぁ??(8:47)


面白い岩を発見(8:51)


一旦下り、ますは栗生岳を目指す(8:54)

一旦下り、宮之浦岳までの最後の水を過ぎると再び急登。

でもここからの景色も絶景。屋久島山間南部の山々を一望することが出来る。

さらにハアハアしながら登る。


またまた面白い岩を発見(9:03)


振り返ると翁岳(9:03)


栗生岳ピークもあと少し(9:06)


翁岳〜安房岳を振り返って見る(9:12)

やっとピークと思うとそこは栗生岳山頂(直下)。


栗生岳から宮之浦岳方面を見る(9:18)


栗生岳ピーク(9:19)

宮之浦岳山頂はもう少し。
さらに登る。ただ勾配はかなり緩やかにはなってくる。


宮之浦岳のピーク発見!(9:25)


9:31宮之浦岳山頂到着!
標高1936m。
残念なことに山頂付近はガス・ガス・ガス。
もちろん屋久島標高第2位の名峰永田岳も見えない。展望はないが、GWのためなのか、山頂にはたくさんの人。写真撮影も時には順番待ち。

時折、南方向はガスが一瞬取れることもあるが、北方向は厚そう。

山頂標識(画像の大きな岩のてっぺんが最高峰地点)



せっかくなので山頂で昼飯にすることにした。メニューは屋久島では当たり前となっている朝弁当。前日予約でAM4時から受取可能の大変ありがたい弁当屋さんが数軒ある。
今回は同行者のチョイスで「あさひ弁当」にお願いをした。味は・・・・・(笑)であるがコンビニのない屋久島において朝早く作っていただけることは本当にありがたい。


しばらくは昼飯タイムも兼ねてガスが晴れるのを待つがますます悪化してくる様子。

山頂付近はかなり寒くなってきており、ゆっくり景色を堪能しながら下りることにした。

ちなみに宮之浦岳の祠を発見することは出来なかったが、後で調べたら高塚小屋に向かって下ってすぐのところにあったらしい。残念〜。

10:18 下山開始。
登りの時とは違い、ガスが段々と上がってきている。遠くの景色も見えなくなり始めている。近くの翁岳さえもガスの中。
途中、栗生岳の祠には挨拶をした。

男梅みたいな岩

ゆっくり下って登り、そしてまた下る。

いつも思うのであるがガスっている山も嫌いではない。
だって山らしいから。ピーカンだけが山じゃないから。

ガスった山中(10:52)


美しい登山道(11:09)


投石平上から見た黒味岳(11:33)


上から見た投石平(11:45)

11:51 投石平に到着。
ここでしばし休憩。周りはすっかりガス模様。
西から東へ流れるゆく雲が幻想的で美しい。

投石平にて

12:34 花之江河到着。
朝とは違い、霧のかかった湿原はまた素晴らしい光景。

ガスのかかった花之江河

12:45 小花之江河到着。
ここには人がだれひとりいないため休憩することに。
すると、ちょうどそこにいたヤクシカちゃんがわざわざ我々の方に寄ってきてくれたのには驚いた。人間を怖がらないというのか眼中ないというのか。
ここで飲んだ温かいコーヒーがものすごく旨かった。

              ヤクシカちゃん                          ヤクシカちゃん


ガスっている小花之江河

あとは樹林帯を下るだけ。
怪我をしないように、そして屋久島の森を楽しみながら進む(結構、暑いよ)。

13:53 淀川小屋到着。ここまでずっと我慢していたトイレにいく。
出来る限り携帯トイレは使いたくなかったので我慢していたのであった。

淀川に架かる橋


橋上から見たきれいな淀川


            淀川小屋内部                          誰もいない淀川小屋

14:38 淀川登山口到着。
意外と長かったけど楽しかった(*^-^)

淀川登山口

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出来れば淀川登山口〜宮之浦岳〜縄文杉〜荒川登山口のコースを縦走したかったのですが、GWは年間を通じて小屋が一番混むとの情報があって縄文杉も宮之浦岳もピストンにしました。

宮之浦岳への道は絶景のオンパレード。樹林帯から始まり、雲海、高盤岳に乗っかるかまぼこのような岩(トーフ岩)。日本最南端の高層湿原である花之江河。それから我々人間たちに話しかけてきそうな雰囲気を持つ花崗岩たちとそれを山肌にたくさん身に付けた山々。
そして笹の絨毯を敷き詰めたような山肌。
また所々に流れる清らかな水。
それら全てが完璧でした。

本当に素晴らしい山旅になりました。

天気予報が良い方にハズレ。山頂直下まではビーカン。
そして無事に登ってくることが出来ました。

本当に本当にありがたいことです。

屋久島はやはり山に入ってこそ、本当の魅力を感じられると思います。

屋久島にはこれからも登山するために行くんだろうなぁ。
きっとそうなると思います。
ピークハントなんてどうでもいい。ただ大自然の中を歩いているだけでいいんです。それが屋久島です。

なんたって屋久島には自然の三大要素(自分で勝手に命名)が詰まってる。「山」「海」「水」。これってすごいことだと思います。

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15.5.4
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