山梨県 増富温泉 不老閣
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以前から来たいと思っていた増富温泉の不老閣さんに宿泊してきました。日帰り施設の「増富の湯」には何度かお邪魔したことがあったのですが、そことは別源泉とのことで非常に楽しみでした。

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韮崎駅から山交バスに揺られること約一時間。増富温泉に到着する。この付近には雪が少しだけ積もっており、山梨にしてはめずらしい。
バス停から赤い橋を渡り、歩くこと一分くらい。不老閣に到着する。


到着すると感じのいいお兄さんが部屋まで案内して下さった。
部屋は3階。テレビ、こたつ付、空調付きの快適な部屋。布団は夕食時に敷いてくれる。また、朝はチェックアウトまで敷きっぱなしなのが嬉しい。それから掛け布団は羽毛と思われ、軽くて温かく快適。




トイレは共同であるがシャワートイレ付きのため清潔。
また、ここ不老閣さんには要所に暖房器具が備え付けられてあるため、体が弱っている方にも優しい。標高が約1,000mあるにもかかわらず、館内ではそれほど寒さを感じなかった。しかもエレベーターまである(すごく遅いが・・・・(笑))。


≪飲泉≫
「ラジウム泉」と書かれた札が掛けられたおちょこと徳利が部屋のお膳に置かれていた。色は無色透明。浴槽のお湯からは想像できないほど透明。
早速、飲んでみるが鉄臭+塩味が全面に出てきて決して美味いものではないがおちょこ一杯なら大丈夫(笑)
いかにも効きそうっていうのが率直な感想。
しかし、不思議なことに翌朝、飲んで見ると塩味はしっかり残っているものの増富のお湯らしいまずい鉄臭(笑)がほとんど消えていた。やっぱり鮮度が命なのかなぁ。



≪天然岩風呂≫
不老閣さんの代表的なお風呂。
ここは宿泊者専用となっており、時間で男性時間・女性時間・混浴時間とこまめに分けられている。しかし、宿の方に伺うと「混浴=男性時間」となっているのが実態らしい。
またこの岩風呂の入浴時間は短くてAM7:00〜PM5:00まで。安全を考慮してのことだろうか。ちなみにPM5:00になると従業員の方がお湯を抜きに来る。

岩風呂へは宿の玄関を一旦出てから、つづら折りの山道を数分、登る必要がある。それを登り切ると奥に小屋がある。これが湯小屋。
ちなみに湯治棟を突っ切ると少しばかり山道を短縮出来る。





入ってすぐに脱衣所。そこから左へ進と上がり湯、最後にかぶり湯をするための冷た〜いアトム風呂(岩風呂3号源泉)、そして固く蓋を閉められている不老閣霊泉(不老閣1号源泉)とがある。




一方、右側へ進み少々長い廊下を登ると神棚のある部屋へと到着する。その部屋の一番奥に「不老閣名物の天然岩風呂」が鎮座している。
今にも落ちてきそうな大きな岩の下にそれはある。
なんだかとっても神々しくて、入る前に湯船に向かって思わず手を合わせたくもなる。


体感温度は思いの外、高くて25℃くらいはありそうな感覚。分析表では20.7℃のため、不思議な気持ちになった。自分が鈍感なのかなぁ?(笑)。
若干のキシキシ感があるものの、肌触りは優しくて拍子抜け(笑)
お湯は笹濁りで手前の箇所からポコポコと源泉(天然岩風呂源泉)が静かに吹き出している。足元湧出の贅沢なお湯である。
浴槽自体は深くて狭い。深さは腰くらいまである。広さも大人が四人も入ればいっぱいになる。しかし、女性たちは最大で13人が入ったとの話も。あり得ない(笑)


浸かった直後はやはり冷たく感じたが、しばらくするとその冷たさも慣れてくるのだろうか。不快から快感へと変わる。岩風呂のため、ガスが溜まりやすいと言われており、息苦しさもあるかと思いきや大丈夫だった。




≪内湯≫
男女入替制で到着してから内湯の入浴可能時間である夜の10時までと翌朝7時からとで男女が逆になる仕組みのよう。



『長寿の湯』





<湯窪の湯>
二人で入ればいっぱいの大きさ。体感温度は27〜28℃くらいだろうか。加温された源泉(岩風呂2号源泉)が浴槽手前のパイプから注がれている。
この浴槽の良いところは人工的に炭酸を作っていること。これにより、お湯に浸かっていくに連れて泡が体に付着する効果により、体がぽかぽかしてくる。
また、浴槽の縁や底は何故だか暖かく、暖房をしているのかと思うくらい。掛け流される源泉よりもむしろ、浴槽の方が暖かく感じた。
そもそも足が悪くて天然岩風呂へ行けない方のために作った浴槽とのこと。
お湯の色は笹濁り程度。
またこの浴槽には「温泉」ではなく「恩泉」と表記されているものがあり、この言葉に深く納得させられてしまった。いい言葉だなぁ。



<長寿の湯>
左側が上がり湯。右側に加温なしの源泉(不老閣2号源泉)が掛け流されている浴槽がある。お湯は黄緑に濁っており透明度もほとんどない。体感温度は30℃くらいだろうか。肌触りはお湯の中にいるときにはペトペト。上がるとさらさらスベスベ。
ウトウトするには最適なお湯。欲を言えばお湯の投入量がもう少し多いと最高。







『不老の湯』


<不老の湯>
朝イチの湯船には膜が張っていた。この浴槽には手前と奥の二ヵ所から源泉(不老閣2号源泉)が掛け流されている。
ここも長寿の湯同様、透明度はほとんどなくていかにも濃そう。体感温度は30℃くらい。

ただ長寿の湯よりはお湯の投入量が多いと思われ、新鮮なお湯に浸かれるのはGOOD。




<ラジウム蒸気吸入室>
名前の通り、サウナ。ただ水でなくラジウム泉(不老閣2号源泉使用)を吸入するもの。元々、サウナがそれほど好きではないため軽く入っただけで済ませてしまった。なので感想はない(笑)。




『貸切ラジウム水晶風呂』
この風呂は貸切風呂。一時間制で我々は翌朝の一番であるAM9時から。なお、予約制なので時間を決めたらフロントに申込む必要がある。
ちなみにこの風呂は有料。日によっては無理の日もあるようだが、この日は日曜日。冬料金で1500円だった。


この風呂のスゴいところは最強泉質源泉のブレンド。天然岩風呂(岩風呂源泉)+アトム風呂(岩風呂3号源泉)+不老閣霊泉(不老閣1号源泉)のブレンド湯。
特に岩風呂1号源泉と不老閣1号源泉が効力と温度(低温)が強烈なためブレンドにしているとのこと。また、アトム風呂と不老閣泉には基本的に浸かることが出来ないため、この貸切の水晶風呂に入らなければ強烈な源泉にKOされることはない。


浴室を入って左側にブレンド湯。右側に42℃に保たれた上がり湯。
カラン・シャワーやシャンプー類もあり、おまけにお好みでBGMを流すことも出来る。
体感温度は30℃くらいはあるような。放射能を壊さない程度に加温しているとのこと。
また掛け流されている源泉は30℃よりも下回っているような気がしたが、どうやら浴槽を暖めているようで縁に体を預けるとその部分が温かくなってくるし、おまけに浴槽内の湯温もその効果で上がってくるよう。

かなり構えて行ったせいもあるのだろうか。思いの外、体にズシッとくるようなことはなく、気持ちよく入ることが出来た。
しかし、後から・・・・・。
とにかく眠気が強烈に襲ってくるのである。効能のある温泉は総じてこの傾向が強い。

かなり効く温泉のような気がした。



≪食事≫
夕食、朝食ともに二階にあるふくろうという食事処でいただく。
この不老閣は湯治宿のイメージが強いため期待はしていなかったが、とっても美味しくて配膳される係の方々も一生懸命。
カロリー計算もされており、流石は湯治宿。

夕食






朝食



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・不老閣1号源泉
泉質=含放射能−ナトリウム・塩化物冷鉱泉  自然湧出
他は自分で撮影した分析表がブレてしまったため次回、しっかりと確認してきたいと思います。

・不老閣2号源泉
泉質=ナトリウム塩化物温泉 PH=6.3 湧出量=25〜30L/min  
泉温=31.7℃ 玄関の北側、地下45mから自然湧出

・不老閣岩風呂源泉
泉質=含放射能−ナトリウム・塩化物冷鉱泉 PH=6.3 湧出量=不明 
泉温=20.1℃ 岩風呂から自然湧出

・岩風呂2号源泉
泉質=含放射能・二酸化炭素・ナトリウム・塩化物冷鉱泉 PH=5.8 湧出量=1.66L/min  
泉温=20.7℃ 岩風呂北側より自然湧出

・不老閣岩風呂3号源泉
泉質=含放射能−ナトリウム・塩化物冷鉱泉 PH=5.8 湧出量=1.22L/min 
泉温=17.3℃ 自然湧出


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ここ不老閣さんには半年、一年後を明るく楽しく生きようと真剣に湯治されている方もいらっしゃいます。でも、だからと言って健常者や若い元気な方々が遠慮することはないと思います。
元気な方はその元気を少しでも分けてあげればいいと思います。他愛のない話で笑えばきっと免疫が活発になる。そう思います。
明るい場を作ることって、とっても大切なことですからね。

また岩風呂に入っていてある進学校の元校長先生とお話させていただいたのですが、実はここの温泉は「精神的な病」にも効果があるのだと。
これにはビックリでした。
ひょっとすると皆さんとお話をしているときっと「病んでなんかいられない」って思うのかもしれません。

もちろん医者ではないので効果があると断言は出来ませんが、トライする価値はあると思います。
湯治について、改めて考えさせられた不老閣さんでした。


それから・・・・・・。
自分の体もこの不老閣さんのお湯に浸かってからというもの妙に軽いんです。ぐっすり眠れるんです。これって不思議なことです。ここまで如実に効果が現れる温泉に出会ったのは初めてです。やっぱりスゴそうです。


※帰る時に次の予約をしてしまいました(笑)。




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15.1.24〜25(宿泊)
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