長野県 甲武信ヶ岳
小学校の時、授業で「埼玉県で一番高い山は甲武信ヶ岳」と習って以来、いつかは登ってみたいって思っていました。正確にいうと、甲武信ヶ岳のお隣にある三宝山なのですが・・・・(苦笑)。
今回は日帰りのため、標準タイムと距離の短い千曲川源流を通るコースを選択。

自宅をAM1:00に出発。首都高速、中央道も順調。途中、双葉SAでラーメンを食べて、須玉ICを下りる。国道141号で清里、野辺山と進む。途中、通行止の箇所があり若干の遠回りを強いられたものの無事に川上村に到着。
ここからは「梓山」という地名や「千曲川源流」と書いてある標識の方向に向けて進み、さらに奥へ奥へと進む。最後の数百メートルは走りやすいダート道。すると行き止まりにコンクリートで固められたきれいな駐車場に到着。ここが毛木平駐車場。AM4:30着。この時間になると夜が明けている。
ここで30分ほど仮眠。もう少し寝たかったが、何故か自分の車のそばで「クソジジイども」がでっかい声で談笑するもんだから寝れやしない。

この毛木平駐車場はかなり広く、60台くらいは置けるらしい。しかしほぼ満杯状態になっていた。ここにあるトイレは水洗ですごくきれい。男性用は和式と小用便器が各1ヶ。しかも無料。ありがたいものです。

AM6:05 毛木平駐車場出発。天気は良好。4WDなら全く問題のないダート道を進む。周りには生き生きとした新緑の木々が笑っているかのように茂っている。


AM6:13 十文字峠コースとの分岐点通過。道はまだまだ4WDなら進める道。傾斜もほとんどなく平坦な道。しかし左手にはゴーゴーと音をたてて流れる千曲川が気持ちいい。マイナスイオンがバリバリ。

AM6:28 千曲川源流まで4km標識通過。ここを過ぎたあたりからようやく登山道らしい道へと変わる。千曲川の川幅も狭くなり、また頭上に咲き誇るシャクナゲの花がやけに美しく感じる。






ここからは当面の間、千曲川を渡涉したり、マイナスイオンを浴びながら傾斜のそれほどきつくない道を進む。




AM7:36 ナメ滝到着。何故、この名が付いたのか想像も出来ないが、気持ちのいい場所。水浴びをしたく場所。


ここからも傾斜のあまりきつくない、千曲川沿いの道を進む。寝不足なのでこのくらいの道がちょうどよい気もする。ずっとマイナスイオンを浴びながら歩くということもなかなか出来ない経験。せっかくなのでいつもより、たくさん深呼吸をしながら歩く。


AM8:14 千曲川源流0.9km地点通過。徐々に川の水量が減ってきている。ただ、チョロチョロといったものではない。




AM8:48 千曲川信濃川水源地点到着。水量はかなり少なくなってきており、雰囲気はあるが上からはチョロチョロと水が流れ落ちてきている。水源はもっと上?って思ってしまう。
でもここが水源っていうのならそういうことにしておきましょう(笑)。



(水源と言われている場所)

実はここからが、この登山道ほ本番へと入る。急に傾斜がきつくなるのである。下のコンディションは悪くないため登り易いが息が切れる。知らぬうちに牛歩で進んでいる。今年の登山初の急斜面かもしれない。そのせいもあってかペースがダウンしてくる。


AM9:16 金峰山方面との分岐点に出る。ここは尾根伝いで景色は最高!って思いきや周りの木々が高くて見通しはよくない。休憩しようかと思ったが、景色のよい場所まで我慢することにした。

ここからの道は尾根伝いのせいか、傾斜は思いの外、ゆるやか。長岡から来たというご夫婦が立ち止まっており、我々も立ち止まると・・・・・「富士山」が観えるのである。五合目より下を雲に隠し、何とも幻想的な雰囲気。素晴らしい!!裾野が観える富士山も美しいのであるが、こういった富士山も美しい。
しかし、どことなく寂しげにも思えた。


このあたりからは傾斜がややきつくなるが、ラストスパート。しばらく進むとと急に視界がよくなりガレ場に差し掛かる。上を見ると色々な方々のHPでよく見る頂上の標識が目に入る。

AM9:42 甲武信ヶ岳山頂到着。標高2,475m。毛木平から3時間37分かかった。今年最初の本格的な登山と考えれば良しとしたい。


この頂上からの眺めはすんごく素晴らしい!!
ここに到達するまでの景色は正直、単調で千曲川沿いでなければ二度と登らないかもしれない(苦笑)。それとのギャップがあまりにあるために感激も一入なのだろう。それにしても気持ちのいい景色。富士山~五寸岩のある金峰山と後ろには南アルプス~八ヶ岳連峰~三宝山。梅雨の季節。しかも週末。こんなに見通せるのは稀有かもしれない。本当にありがたいことである。

(富士山)


(金峰山~八ヶ岳連峰)


(右は三宝山)

ここで早い昼飯にする。本日はガスバーナー持参のため、カレー味のカップラーメン。それとバナナ、
コッペパン。食後は粉コーヒー。やっぱり美味いね~。

さあ、この後は下山をしようかと考えていたが・・・・。同行者がトイレに行きたいという。当然、自分も行きたいのであるがトイレのある「甲武信小屋までは急坂を15分くらい下らないと行けない。しかもその後は登り返すしかなく、きつそう。正直、戸惑ったが下ることにする。


甲武信小屋到着。すると布団を干していたここのご主人「徳さん」が「何?」と話しかけてきたので「トイレをお借りしたいんですけど」というと徳さんが「100万円ね」と言ってきた。
自分は「わかりました。100万円ですね。」といって財布に手をやると徳さんは奥のトイレを指差して「入口に箱があるがらそこに入れてね」と言って去っていった。・・・・その箱にしっかりと小銭の100万円入れました!

(甲武信小屋)

しかししかしここのトイレはとてつもなくキレイ。まだ作ったばかりなのかもしれないが、木の香りがする。ビックリである。

帰り際、徳さんにあいさつしようかと思ったら、あちらから近づいてきて世間話をした。朴訥な山男といった雰囲気のある方。実際はお話好きなので朴訥ではないが・・・・(笑)。

別れ際には「今度はゆっくりとおいで」と言って下さった。そしてそして最後には地図には載っていない登山道を教えて下さり、近道させてもらった。途中、雪渓もあり楽しませてもらった。あっ、当然ながらアイゼンなんぞを必要とするレベルではありません。

(近道への入口)

10分程進むと甲武信ヶ岳山頂と三宝山への分岐点に出る。ここから三宝山に行くには明らかに近道。ありがとうございます。徳さん!!。

実は甲武信ヶ岳山頂からは来た道を戻ろうと考えていたが、徳さんが「今はシャクナゲが綺麗だから十文字から帰った方がいいよ」と言って下さったので、そうすることにしたのであった。最初は同行者の事も考えて、「岩場や鎖場もあって大変らしいですが・・・」と聞いたら「いや、たいしたことない。大丈夫。五時間くらいあれば下山出来るよ。行っておいで。」との言葉を信じたのであった。
その結果は後ほど・・・・

しばらくは稜線を歩く快適な道。見通しはよくないが。そして下ったと思ったら、今度は三宝山山頂に向けての登り返し。思いの外、息が切れる。傾斜もなかなかきつい。しかも気温が上がってきたようで汗が垂れてくる。

そんなこんなで汗を垂らしながらAM11:35。三宝山山頂到着。埼玉県の最高峰2,483m。そう、ここが正確には埼玉県の最高地点なのである。ここのは一等三角点もあるが、広い山頂を見渡すと大きな岩を発見。周りを見渡しても間違いなく、その岩のてっぺんが最高峰のようである。せっかくなのでその岩のてっぺんに登らせてもらった。



(中央やや左にある、木々に隠れている岩が最高峰?)

やっぱりここで甲武信ヶ岳に引き返したほうがよさそうとも思ったが、同行者が「ここまで来たから十文字まで行こう」と言い出した。これにはビックリ(;゚Д゚)!。全くもう~。怖いもの知らずの発言である。自分は下調べをしているから、ここからは登り下りの連続なのは百も承知。しかし同行者が歩く気、満々ならば付き合うしかない。

5分ほどの休憩の後、出発。取りあえずはずっと下り。若干、残雪があり注意しながら進む。軽アイゼンなしでも全く問題ない。

PM0:21 尻岩到着。尻というよりも桃といった表現の方があっている気がする。


ここからがまた登りとなる。なかなかの急登。やっぱり息が切れるし汗が垂れる。


20分ほど上がると白い大きな岩が積み重なっているところを通る。パワースポットかと思ってしまう不思議な場所。


さらに進むと短いハシゴやら片側が切れ落ちた岩場やらが出現。結構、バリエーションに富んでいて面白い反面、疲れる(笑)。



(切れ落ちた白い岩のてっぺん付近から三宝山方面を振り返る)

すると正面にゴツゴツした白い岩山が現れる。頂上付近には石碑のようなものが見える。これが武信白岩山。なかなか不気味で異様な雰囲気がある(PM0:58)。


一旦、鎖場を下り、武信白岩山を巻くように再度登り。もう登りは飽きたよ~。


そしてようやく登りも終わりかと思ったら、まだまだ。大山の山頂まで登りが続く。しかも急登。汗がボタボタ落ちる。

PM1:50 大山山頂到着。ここからの展望はGOOD。しかし疲労が溜まってきている。ここでたくさんの水分補給。


PM1:59 大山山頂出発。ここからは急斜面を下りる。鎖場あり、少しの三点支持必要な場所ありと楽しめる。同行者もかなり上手くなったようでこの手の道も難なく進むことが出来る。
ここからはずっと下り。しかし、木の根っこあり、土に埋もれた岩などが足元にあり、思いのほか歩き辛い。


PM2:40 十文字小屋到着。ここでリンゴジュースを購入(500ml/300円)。疲れた身体に甘い飲み物が欲しかったのであった。
この小屋周辺ではシャクナゲが咲き乱れているらしく、ゆっくり見ようかとも思ったが、おニューの靴だったので足が超~痛いのと早く下山したい気持ちが強くて、ジュースを飲み干したら出発することにしたのであった。

PM2:50 十文字小屋出発。ここからも結構、疲れた。急斜面の下り。つま先が痛くなるほど。でも途中、至近距離で鹿ちゃんに出会った。まん丸の目をしていて超~かわいい!。人間をあんまり怖がらないのか、逃げなかった。

そしてそしてPM4:22 毛木平駐車場へ帰還。そうそう。ここに着く30分くらい前に湧き水に出会った。コップも置いてあるため飲水OKだろう。なので顔を洗って、飲んじゃった。美味い。美味すぎる。冷たい水は最高!!


10時間以上にも及ぶ長~い山歩き。超~疲れた。もしまた甲武信ヶ岳に登る機会があるのならば、西沢渓谷から入山して甲武信小屋で一泊したい。

まあ、これもいい思い出になったと思う。埼玉県最高峰にも行けたことだし。




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11.6.4