群馬県 川原湯温泉 王湯

 

この日も鈍行での温泉訪問となりました。吾妻線川原湯温泉駅下車。駅員はいるが非常に鄙びた駅であり、駅前にはバスの停留所しかない。ここからダラダラとした坂を登り、徒歩10分程度で川原湯温泉街に到着。温泉宿も数件しかなく、店もこれと言ったものはなく非常に寂れた感がある。人通りもほとんどなし。そんな温泉街の一番奥に共同浴場王湯がある。
 

この王湯。源頼朝が発見したと云われている。現在は川原湯の温泉をまかなう源泉の真上に位置する。木造の建物でいかにも温泉場の共同浴場といった感じ。受付の感じのいいオバサマに入浴料300円(休憩付は600円)を払い中へ。ここには受付すぐの階段を下りていったところに内湯、渡り廊下を渡ったところに露天風呂がある。どちらも男女別なのがうれしい。

まずは露天風呂へ。石で出来た浴槽。あまり風情は無く、無理矢理に造った感がある。なので写真撮影のみで終わる。
  

続いては内湯へ。ここは脱衣所からして風情がある。脱衣BOXは木製。ここで扉を開けて10段くらいの階段を下りたところに浴槽がある。ちなみに階段を下りたところにも脱衣カゴがあり、自分はそこで脱衣した。上で着替えると貴重品が心配なため、下で脱衣した方が安心かも。浴槽は石で造られており、シャワー、カランはひとつのみでシャンプーは置いていない。投入口は3つあり、どれも激熱。投入口の横には水の蛇口があり、ここから水を流しっぱなしでないと到底湯には浸かれない。貼紙にも「水を止めないで」と書いてある。この浴室は何とも風情がある。明治、大正に造られたのかと思わせるような造り。早速、湯船に身体を沈める。温度は先に入っていらっしゃったおじさんが適温にしてくれていたせいか42℃〜43℃くらい。お湯の色は若干白く濁っている。所々で白と黒の湯の花がプカプカと浮かんでいる。備え付けのコップで飲泉をしてみると若干の塩味+タマゴ臭。お湯の匂いは石膏臭+若干のタマゴ臭。山形県滑川温泉のお湯に似ていて非常にいいお湯である。肌への当たりもまろやか。川原湯の存在は知っていたが、今回訪れたのは初めて。早く来ていればよかった。まさかこんなにいいお湯だとは…。温度が低くないため長湯は出来ないが、それでもこの気持ちのいいお湯から上がるのがもったいなく全身浴→半身浴→足湯→全身浴を何度も繰り返し、堪能させていただく。結局40分くらい、ここでまったりさせてもらった。
    
この川原湯温泉王湯。他の温泉宿の湯もこの湯を引いているとのこと。非常にいい湯である。何となくここのリピーターになってしまいそうな気がしてきた(笑)。
あと数年でここ川原湯温泉がダムの底に沈んでしまうらしい。非常に非常に残念である。本当にダムを造る必要があるのだろうか。何だか利権が絡んでいるだけのような気がしてならないのだが…。
08.1.9(立ち寄り)
TOP     入湯リスト