長野県 上山田温泉 有田屋旅館
2012年最初の温泉は・・・・・。
気になっていながら、そして近くを通りながらも一度も訪れたことのない上山田温泉にしました。
インターネットで素泊まりも受けている宿を探すと「有田屋旅館」さんがヒットしました。
二連泊なので安いのも条件です。こちらは1泊1人/4,700円(入湯税別)でした。


JR東日本トクだ値を利用。大宮から長野新幹線。あさま517号。何ともリッチ。旅行で新幹線を使うのも久しぶり。
大宮11:10発。指定席はほぼ満席。やはり三連休だからだろうか。熊谷を過ぎると右手には赤城山。高崎を過ぎると榛名や妙義の山々。軽井沢近辺では浅間山。上田に近づくと四阿山と名山を次々と見ることが出来る。高崎を過ぎるとトンネルばかりではあるが、所々で車窓を楽しめるのはよい。
12:20上田着。ここからはしなの鉄道に乗り換え。外装は新鮮に見えるが内装や通り過ぎる駅は以前の信越本線と何ら変わりない。
12:44戸倉着。駅前には昔ながらの「戸倉上山田温泉」ゲートが妙な雰囲気を出している。

           長野新幹線あさま                         車内の様子


        しなの鉄道 上田駅にて                       戸倉駅前のゲート


現地までは徒歩で移動。晴天の中、千曲川沿いに歩くのはとっても清々しい(やっぱり長野。寒いが・・・)。
PM2時過ぎ。お世話になる有田屋旅館到着。女将さんが出迎えて下さった。この日は混んでいないようで一番奥の105号室に通していただく。女将さんいわく、わざわざ広い部屋にしていただいたようである。建物は古いがとってもきれいにされている。特にトイレは扉を開けるとフタの開くシャワートイレ付き。トイレがきれいだとそれだけで気分が良くなる。

今回は素泊まりのため最初から最後まで布団は敷きっぱなし。我々にとっては好都合。温泉宿によっては朝食が終わると布団をすぐ上げるところもあるが、これって好きではない。せっかくダラダラしに来たのに「飯食ったらさっさと出て行けって」言われているような気がして。

           有田屋旅館と大通り                        玄関の様子


           お世話になった部屋                          男湯前


              脱衣所                               浴室内


              湯口                            湯船内部からの排水口

肝心の温泉はというと・・・・・

浴室に掲示してある分析表によるとアルカリ性単純硫黄温泉。ここ有田屋旅館も上山田温泉のかなりの数の宿に配湯されている上山田温泉株式会社からのお湯のようである。

浴室の扉を開けるとほんのりと硫黄臭を感じる。浴槽の大きさは2.5m×2mくらい。深さは股下程度あるが、腰をかける箇所があるため半身浴が可能。お湯の色は浴槽の色の影響なのか緑色に見えるが、実際は無色か若干黄色がかっているか?(定かではない)

お湯の投入量は思いのほか多い印象。1分間/30Lくらいはあると思う。また湯使いもかなりよく、浴槽縁から掛け流しているだけでなく、浴槽の下に穴が開いており、そこから浴槽外にもお湯が抜ける仕組みになっている。この方式は千曲川を隔てたところにある国民温泉や観世温泉にも取り入れられている。

お湯の温度は時間によって異なり、午後〜夕方は42℃くらい。夜〜深夜は少し熱めで43℃くらい。体感温度なので正確ではないが、深夜が一番熱く感じた。

お湯の肌触りや匂いは一日目と二日目ではかなり違った。前者はしっとり感があり、お湯の匂いも「硫黄臭→石膏臭」。後者はベトベト感があり、匂いも「焦げ臭」がやたらと強かった。しかし、上がった後はスベスベ。
当然のことではあるが、「温泉は自然の恵み」と強く感じる瞬間でもある。

飲泉可のため何度か飲んでみる。ほんのりと硫黄臭が鼻から抜け、その後にはエグミのようなものを感じた。飲めないほどではない味。

総合的な感想は「かなり良質の温泉であり、湯使いもGOOD」。
正月明けでお客さんが多くなかったせいもあって、終始貸切状態だったのもよかった。




男湯浴室全体 1


男湯浴室全体 2


女湯浴室全体


この有田屋旅館。家族経営のようでアットホームな雰囲気。若旦那に美人の若女将。そして一歳くらいの可愛いお子さん。皆さん笑顔で気持ちがいい。特に若旦那には夕食のおすすめ店を教えていただき、そこへ訪れたらこれが大当たり。その名は「古波久」。馬刺しや玉子焼きも美味かったが、最後の〆で食べた名物おしぼりうどんが辛くて美味かった。
建物も古いがきれいにリフォームや清掃されており、文句なし。お湯もGOOD。

しかし残念なこともある。我々の部屋内にある洗面所の排水口のところや女性用風呂にある洗面所の排水口のところにたばこの灰が捨ててあったこと。また、お茶受けのおせんべいの袋が二つとも開いていたこと(もちろん手を付けなかった)。最後に連泊であるから仕方がないことかもしれないが、湯上り用のタオルを二日間、同じものを使わされたこと。しかも湿っているのに・・・・。
料金は安いし、食事もしていないため、ひょっとするとこの有田屋旅館のいいところを見過ごしているかもしれない。
でも先に挙げた残念なことは「お金をかけずにちょっとした気配りだけで改善出来ること」だと思う。

色々と書かせていただいたが、肩肘張らずに過ごせる雰囲気はとってもいい。これは温泉宿のとっては大切なこと。きっと近い将来、あの若旦那と若女将なら素晴らしい旅館にするだろうと思える。決して作ってはいない、あの自然な笑顔を見ているとそんな気がする。



最後にここ上山田温泉街では「姨捨ツアー」なるものをやっている。たった1人/1,000円で日本三大車窓、そしてスイッチバックで有名なJR姨捨駅から善光寺平の夜景を堪能出来る。おまけにお味噌屋さんによってお味噌をお土産としていただける。
早速、これに参加した。冬の空気って澄んでるから、最高の夜景を見ることが出来た。



帰路も徒歩で戸倉駅まで行く。何度歩いても千曲川沿いの道は気持ちがいい。
あっ、そうそう。有田屋旅館さんのお向かいにある塩川菓子舗。ここの温泉饅頭が超美味い。あんこの塩加減がちょうどよく、甘さを引き出している。

上田駅からはあさま524号。大宮には13:26着。あっという間に着いてしまった感がある。
新幹線で帰宅するのってなんだか損した気分。帰りの風景をもう少し堪能しながらの方が余韻に浸れて好きなんだけどなぁ。




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12.1.7〜9(宿泊)