山形県 滑川温泉 福島屋

PM11時30分。自宅出発。今回は何となく長いドライブがしたくなったため国道4号線で北上。急ぐわけではないのでのんびりした走行。小山、宇都宮、矢板、白河、郡山と過ぎ、AM4時。本宮ICから東北道に入り、安達太良SAにて仮眠。AM6時45分、再び出発。この日の朝の天気は良く、安達太良山や吾妻連峰が手に取るように目の前に迫り、おもわず「うぉ〜、すげぇ〜」と声をあげてしまった。福島飯坂ICを下り、国道13号を進む。山形県に入り最初の曲がり角を左折。JR板谷駅、先日見学した峠駅の横を通り、AM8時30分。滑川温泉福島屋に到着。標高850mのこの地はやはり曇っていた。宿はかなり古い造りでありが風情がある。横には流れの速い、前川が流れており、この川の音がなんともいい雰囲気を出している。

受付はAM9時からであるが、フロントの若いお兄さんに声をかけると「どうぞ」の返事。早速、お邪魔させていただく(二人分1,000円)。しかしこの日は名物の露天岩風呂が12時まで女性専用となっていた(残念!)。玄関からキシキシと音を立てる床を抜けると一旦外に出る。ここが露天岩風呂と檜露天風呂の入口。備えられているサンダルに履き替える。同行者は女性専用の岩風呂へ。自分は混浴となっている檜露天風呂へ。

脱衣所からして風情がある。木造である。かなり小さく四畳半程度の大きさ。早速、湯船に。湯船の大きさは7人くらいは入れそう。ケロヨンの黄色い桶で掛け湯をするが結構熱い。なので入念に掛け湯をし身体を慣らす。ようやく慣れたところで入湯。これは気持ちいいぞ〜!思ったより肌触りが柔らかい。お湯の色は若干白濁しており、硫黄の香りがする。湯の花のちらほら浮いている。湯口から流れ出るお湯を舐めてみるとタマゴ臭がプ〜ンと鼻から抜ける。自分好みだ。お湯の温度は43℃〜44℃くらいだろうか。川のせせらぎとこの高地特有の凛とした空気。そして紅葉が終わりかけているもののそれでも美しい木々。これらに囲まれ、しかも硫黄臭。う〜ん。たまらないなぁ。お湯は熱めだが外気が低いため半身浴を数分すると肩がすぐ冷える。すると即座に全身浴。この繰り返し。この湯に浸かっていると心身が洗われていくようであるのと同時に自然のパワーを注入してもらっているように感じる。貸切状態が長かったせいでまったりすることが出来た。湯船の縁に首を乗せ、しばし眼を瞑っていると聞こえてくるのは川の音と風の音のみ。なんて素晴らしい環境だろう。結局、熱いお湯なのにもかかわらず40分も入っていた。しかし逆上せることもなく、上がった後は気分爽快。

続いては内湯へ。この福島屋は男性専用風呂はなく混浴と女性専用のみとなっている。一旦建物の中へ戻り、木造の階段を一階下がったところに内湯がある。この内湯はものすごく風情がある。湯治場を思わせる造りである。湯船は御影石のようなもので出来ている。壁はもちろん木造。浴室には上がり湯まである。早速、湯船に浸かる。これはGOODな温度。40℃くらいだろうか。ほとんど無色透明なお湯である。硫黄の香りは檜風呂に比べやや落ちるが、消しゴムのカスのような湯の花の量がすごい。ここは長湯出来そうなお湯。自然との一体感は感じられないかもしれないがお湯自体を楽しむにはむしろこちらの方がいいかもしれない。本当に気持ちがいい。しかし同行者が外で待っているのが気になり、結局10分であがる。

もう少し長く滞在していたかったのであるが、もう一軒ハシゴする予定があったのと夕方には地元に戻らなければならない事情があり、後ろ髪を引かれる思いでここを後にする(ここは来年の春までお預けなんだなぁ)。

ここは人気の姥湯温泉の途中にあり、どうしても通過しがちであるが、自分は姥湯よりもむしろ滑川の方が好きである。姥湯は混みすぎで「自然をまったり」なんて味わえない気がするし、仮に空いていたとしてもあの景色を絶景だとは思う半面、荒々しすぎて落ち着ける景色ではない気もする。いつの日か、ここ滑川温泉で宿泊をしてみたい。

※同行者からもらった露天岩風呂と女性専用内湯の画像を載せます。
07.11.3(立ち寄り)

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