富 士 山
(河口湖口〜剣が峰〜河口湖口)

生まれて初めて富士山に登りました。日本人なら一度は。と思う方も多いのではないかと思います。
今回は富士登山が初めてとあって勝手がわかりません。なので登山ツアーに参加してプロの登り方を教えていただこうと思いました。
ビックホリデーの「富士登山ご来光+御鉢巡り」ツアーです。

AM7:45。新宿西口スバルビル前集合。どうやらバスの到着が遅れているらしく出発はAM8:20くらいになってしまった。この日は三連休の中日。若干は空いていると思っていたが大間違い。国立府中IC手前からすでに渋滞。談合坂SAあたりでようやく解消。しかし富士スバルラインもひどい渋滞。途中、観光バスを優先的に前へ行かせる計らいがあったものの吉田口五合目に到着したのはPM2:00近くになってしまった。早速、五合園レストハウスに通された。しかしここでは何も食べなかった。談合坂で買ったパンで昼食は済ませたのであった。
 

集合時間PM2:30。登山ガイドのWさん登場。結局、このWさんと親しくさせていただいたおかげで標高の高い山の登り方、そして富士山の魅力、怖さなどを直々に教えていただいた。それだけではなく数々のファインプレーもしてくれたのであった。詳細は後ほど。

くだらない?集合写真撮影のあと、いよいよ出発。PM2:52。
Wさんの歩くペースは老人が歩いているのではないかと思えてしまうほど超ゆっくり。1秒に1歩ペースである。しかしこのペースを守ることが高山には非常に大切だということを教えられる。五合目ではすでに標高2,300mを超えている。ここで無理をすると高山病にかかる可能性がある。このゆっくりペースが薄い空気の高山に身体を慣らすのには大切。それからもうひとつ。最初から飛ばすと後で必ずツケが回ってくる。富士山は登りだけではない。下りも長くて大変。Wさんいわく下りの体力を残して登ることが大切だと教わる。

10分も進むと下界には三日月のような形をした山中湖周辺の絶景が観えてくる。すごいスケール。

PM3:15。五合目吉田口通過。ここからはしばらくだらだらとした登りが続く。

PM3:39。6合目到着。上を見上げると点々と存在する山小屋群が、山に這いつくばる様に建っているのが見える。少し異様な光景である。ここからはジグザグな山道。道幅も広く非常に歩きやすい。下界には先ほどから観えている山中湖、そして河口湖が観えてきるだけではなく秩父連峰が延々と観えてくる。これまたすごい景色。




このあたりから歩きやすい道から岩場の道へと変わってくる。しかし登り辛いというほどではない。
PM5:13。七合目到着。最初の山小屋「花小屋」の手前である。このあたりからは徐々に渋滞が始まる。やはり連休。登山客が半端ではなく多い。ゆっくりゆっくり進む(進めない)。途中、本降りの雨もあって気温がかなり下がってきた。




PM6:10。富士一館到着。ここでかなりの長い間、休憩を取らされる。夏と言えども標高2,800m。あっという間に体が冷えてくる。また富士一館で宿泊される方々が夕食のカレーライスを食べており、匂いを嗅ぐだけで腹が減ってくる。
そうこうしているうちに目の前に虹が現れたり、夕陽が雲にあたって出来た、ものすごい幻想的な風景に出会うこともできた。この長い休憩がなかったら、この体験をすることはなかっただろう。



PM6:40。富士一館出発。


PM7:20。宿泊先である東洋館到着。思いの外、時間がかかったようだ。早速、寝床に案内される。二段ベットの二階部分。何と三枚の布団に8人が寝るように枕が置かれていた。当然、隣の人とは肩があたる。左隣が同行者だったため、まだマシな方かもしれないが、両サイドとも知らない方だったら横になるのも辛いだろう。しかし、ここの建物自体は非常に綺麗。トイレも水洗で山小屋とは思えないよう。女性受けすると思う。
しばらくして夕食。東洋館名物?のハンバーグ定食である。ご飯のおかわり自由なのが太っ腹である。自分もおかわりさせてもらった。肝心のハンバーグの味はというと悪くはないが美味くはない。なんだかバターような味がきつくて。正直、イシイのハンバーグやマルシンハンバーグの方が好きだ。またこの時に翌朝の食事が配られる。中身はおいなりさん。それと食事中に明日(今晩)の予定が発表される。

実は前日、山頂へ向かう登山道の渋滞で八合目で引き返して来たとの話をWさんから聞いていた。なので案の定、本日のロビー集合時間はPM10:15。予想以上に早い出発。寝る時間がないと思うかもしれないが、山頂まで行けないとここまで来た意味がなくなってしまう。周りからは「え〜」って声も少し聞こえたが、自分は「Wさん。さすが〜」と心の中で思った。

食事も終わったところで床につく。時計を見るとPM8:30を回っていた。しかし全然寝れない。寝るための悪条件だけではなく明日、山頂に着けれるであろうという興奮のためだろう。ご丁寧にもこの時間、空は晴れていて山頂方面には御来光館の明かりが、そして夜空には手に届きそうな大きな星が輝いていた。

結局、一睡も出来ず身体を休める程度に終わってしまった。

PM10:15。ロビー集合。これから出発する他のお客さんや下から登ってこられた方々で玄関はごった返していた。その影響もあってか出発がなかなか出来ないようだ。結局PM10:40の出発。初っ端から岩場+渋滞。岩場は大したことがないが渋滞はどうにもならず。かなり標高が高いためゆっくり進むことも必要ではあるが、無事に山頂まで到着できるのであろうか心配になる。

標高3,000mを超えたあたりでWさんから「もう3,000m超えたよ」と話しかけられる。少し元気付く。太子館を過ぎると砂礫の道へと変わる。幅広で歩き辛くもないが、とにかくこの日は風が強い。最大でおそらく風速20mくらいはあると思う。身体が浮くことが何度かあったくらいだから。

PM11:54蓬莱館通過。日付が変わってAM0:44。白雲荘通過。AM1:27元祖室到着。各々の到着時間を見てのとおり、非常に時間がかかっているのがわかる。風が強くて順調に進めないのが大きな原因なのだろう。それとこの強風で体力が奪われていき、Wさんの携帯電話に入る情報は「また一人、また一人」とリタイヤされていく情報。想像以上に過酷なのは確かである。しかしこの風のおかげで下界は絶景。正面の富士吉田市だけでなく沼津、熱海、甲府方面の夜景まではっきり見える。こんなスケールの夜景。日本各地を探してもそうあるまい。




かなり気温も下がってくる中、みな必死で登る。富士山ホテルに到着し、Wさんがここのご主人に休憩のお願いをするものの人数が多すぎるため断られる。

本八合目江戸屋付近で須走口登山道と合流。一気に人が増える。ここまでくるとようやく山頂付近の建物が見えてくる。しかし距離はまだある。
同行者の様子が徐々におかしくなってきたのはちょうどこの頃。顔色が悪くなり、少し登っては休み、また少し進んでは休みの状態。とてもじゃないが、山頂まで行ける雰囲気ではない。それでも何とか御来光館を通過。肉眼で山頂付近をはっきりと見ることが出来る。

実はここからが大変だった。同行者は50mも進むと立ち止まり、息を切らせていた。この繰り返しが続いた。持参してきた酸素もすでに2本を使い、残りは1本。それでも九合目を通過。同行者もよく頑張っている。

しばらく進むと夜明間近。下界が明るくなっていることに気付く。山頂へはまだ数百mあるが、休憩も兼ねて、ここらで御来光を拝むことにする(AM4:38〜4:42)。手前に見える三日月形の湖は山中湖。










感想は書きたくない。っていうよりも書けない。凄すぎて・・・。ただ一言。
「圧巻」

Wさんいわく、久しぶりの綺麗なご来光とのこと。
すごいパワーをいただいて出発。と思いきや同行者の様子は変わらず。ここまで来ると20mくらい進んでは一休み状態。顔色はすこぶる悪い。完全に高山病の症状が出てきているようだ。頭が痛いって言うし。


AM5:23。富士山頂到着。
山頂はたくさんの登山客でごった返していた。写真撮影なんて出来る状態ではない。
Wさんの計らいで山小屋「東京屋」に難なく入ることが出来た。ここでようやくちゃんとした休憩を取ることが出来た。早速、一杯500円の高級味噌汁(笑)を二つ注文。東洋館で受け取った朝ごはんと一緒にいただく。500円と超高級な味噌汁ではあるが、この場面では安く感じるくらいありがたい。同行者もすっかり元気になってきた(ホッとしました〜)。

さあ、ここからが本番!Wさんに御鉢めぐりを催促させてもらった。「えっ。行く気あるの?」と返ってきた。「もちろん。日本最高地点に立つためにここまで来たのですから」と言うと「わかった。それじゃ、行こう」との返事。

Wさんと添乗員Sさんが他のツアー客に御鉢めぐりに参加するか否かを確認。するとなんと13名が参加とのこと。しかしこの日はまだコースに積雪があり、剣が峰の往復のみ。一周は出来ないとの事。

AM6:10出発。大日岳を登ると右手には剣が峰が観える。しかしすごい強風。踏ん張らないと間違いなく飛ばされるほどすごい。こんな強風。昨年、宮古島で経験した台風以来。特に崖っぷちを通る際にはかなり緊張。山側に体重を乗せながら進む。途中、宝永火口も観ることが出来た。




AM6:50。頂上富士館到着。ちょうど富士宮口の山頂でもある。実はここまできて同行者がダウン。意識が朦朧状態。顔色も真っ青。少し心配になってきた。早速、頂上富士館で休んでもらう。自分も同行者を置いて行く気もない。今回はここで諦めようかと思ったが、同行者が「ここまで来たのだから行っておいで。行けるんでしょ」との発言。悪いとは思いつつもお言葉に甘えさせてもらった。

AM7:00出発。馬の背には3分ほどで到着。ここからは超急坂。やはり風がものすごく強い。正直、怖さもある。ゆっくりゆっくりと登る。少し登ると息が切れるため休み休み進む。特に上に進むにしたがって足元が滑り易くなってくる。


AM7:15。剣が峰頂上到着。ここが日本最高地点。3775.6m。念願達成!!。早速記念撮影。しかし「日本最高峰富士山剣が峰」の碑には行列が・・・。順番待ちしている時間はない。なので二等三角点と電子基準点を撮影。この二つも立派な日本最高地点。特に電子基準点にはだれも寄り付かなかったが、自分が撮影しているといつの間にかに人だかり。ちなみに電子基準点とはGPS用の観測点らしい。御鉢の中は雪だらけ。まだまだ山頂は気温が低い。結局、2〜3分でここを後にし、馬の背を下る。








AM7:30頂上富士山館到着。ここで同行者と合流。全く具合が良くなっていないようだ。
結局、自分ひとりで「富士山頂奥宮」に二礼二拍手一礼。今回の登山のお礼はもちろんのこと、登山をさせてくれる機会を与えてくれたこと。そして登山が出来る身体を与えてくれたことに感謝をした。


AM7:45。富士山頂奥宮出発。やはり帰りも強風。同行者の様子がおかしい。先ほどよりもペースが遅くなり、前を進むWさん達から遅れをとる。付いて行けるレベルではない。特に登りについては10mも進むと立ち止まってしまう。するとすぐに酸素を吸わせる。その繰り返し。終いにはWさん達の姿が見えなくなってしまった。

AM8:20。須走口(吉田口)下山道到着。ここでWさんを探すが見当たらない。5分くらい歩きまわっただろう。やはり見つからない。おそらく我々があまりに遅すぎて先に下山したに違いない思ったその瞬間。Wさんが我々を探しに来て下さっていたのだ。非常にありがたかった。ここからはしばらくWさんと一緒に下山。同行者も下山道を下るにつれて意識もはっきりしてきたようだ。先ほどとはまるで別人。歩くペースもかなり速くなる。また急な下りではあるものの砂地のため、小走りで下りることが可能。楽しく進む。


AM9:15。須走口と吉田口の分岐点到着。我々は吉田口へ。ここからは砂地の道から石ころが転がっている固い道へと変わる。なかなか歩き辛い。傾斜も段々急になってくる。歩いても歩いてもなかなか下がらない。かなりの下方に七合目のトイレが見えるがなかなか近づかない。しかしこんな時こそ周りの景色を楽しみながら歩くのが一番。天気のいい下界を眺めながらの下山。遠くの山々の尾根が段々と高くなってきていることで自分のいる位置がかなり下がってきていることの気付く。途中、運搬用のブルに出会う。急斜面を簡単に登り下りしているのがむかつく(笑)。





AM10:46。七合目トイレ到着。ここからも下りは続く。六合目で吉田口登山道に合流。このあたりから霧が濃くなってくる。視界もあまりよくない。


そしてPM0:00ちょうど。五合目到着!!着いた早々早速、目に入ったアイスクリームを食べる。うんまい!!普段は美味しく感じないかもしれないが下山直後のアイスクリームは格別。

添乗員さんに聞いてみると御鉢巡り参加者では我々が一番先に帰還したとのこと。結局、全員下山完了までかなりの時間を要することになった。

PM1:30くらいに五合目を出発。道は渋滞しておらず、山中湖そばの「紅富士の湯」の立ち寄る。ここで入浴+食事。ちなみにここのお湯は温泉と言えども塩バリ(塩素バリバリ)!!久しぶりに強烈な塩素臭を嗅いだ。結局、汗を流す程度ですぐに上がってしまった。

PM3:45紅富士の湯を出発。ここからが大変。中央道が大渋滞。大月ICを過ぎたあたりから小仏トンネル付近まで渋滞。

PM8:00くらい。新宿駅西口到着。ここで解散。





今回、生まれて初めて富士山に登りました。無事に登ることが出来て、また圧巻のご来光を観ることが出来て本当にツイていると思います。

大げさと思われるかもしれませんが、富士山に登れるだけの心身と登る機会を与えてくださった存在に、そして今回の登山で大変お世話になった登山ガイドのWさんに心から感謝したいと思います。

今回の登山を機に富士山オタクになるかもしれません。そんな予感がしています。
そして次回、必ず達成したいのが同行者と一緒に剣が峰頂上に立つことです。



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09.7.19〜7.20