神奈川県 姥子温泉 秀明館
宿泊した六花荘からは徒歩で5分ほど。姥子バス停から50mほど芦ノ湖よりに進んだところに看板あり。

AM9:50に到着。営業はAM10時からであるため、玄関前で待たせていただく。
ここの従業員(店主?)さんは建物に凍りついた雪を取り除いたり、下が凍って滑らないように塩化カルシウムを撒かれていたり、大変忙しそうにされていた。


AM10時ちょうど開門。受付で2,300円×2を払い、中へ案内していただく。なおここは日帰り個室休憩のみで4時間/2,300円もしくは3,000円。15時以降に限り、入浴のみも受け付けている。我々の部屋は別棟の9号室。有形文化財ではないかと思えるほどの風情ある建物。その昔、湯治場だった建物をきれいに改装したらしい。あっ、そうそう。ここの従業員さんはおじさまもおばさまも接客が丁寧でかつ気さくでとっても気持ちがいい。人気のある理由がよ〜くわかる。

部屋は和室の8畳くらい。昔ながらの湯治部屋の雰囲気は残しつつもきれいに改装されている。ストーブに電気カーペット。そしてクッションやお茶までも完備。日帰り入浴としては十分な設備。トイレは共同であるがこれもきれいで当然ながらシャワートイレ付。


浴室に向かう道すがら、休憩所がある。ここの畳式の部屋にはマッサージチェアがあり使いたい放題。


浴室は男女別にあり手前が男性用。奥が女性用。女性用浴室の画像を見る限り、何となく男性用よりも風情がある気がする。




脱衣所に入ると浴室が見える。その瞬間、思わず「ウォ〜」と声をあげてしまった。この光景はすごい。オーバー気味に言うと沖縄の斎場御嶽に来たような感覚。目の前にある岩に圧倒されそうである。パワースポットのようにも思えてしまう。
ちなみにこの浴槽では石鹸類を使用してはいけない。理由はよくわからないが自然環境を考えてのことであれば素晴らしい。浴槽はひとつを真ん中で二つに区切っている。奥に向かって右側がやや温めで体感温度は41℃くらい。源泉が随時、掛け流されている向かって左側の浴槽は体感温度が43℃とやや熱め。お湯の色は無色透明。湯底まですっきり見えるほど透き通っている。飲泉をしてみると無味→鉄臭→エグミ+酸味を感じた。またPHが3.7らしいが、数字ほど酸性がきついとは感じない。匂いは若干の石膏臭を感じるが、主張してくるほどではない。
またこの湯は目に効くらしく、同行者が従業員さんに聞いた話だと「浴室に置いてある金属性の桶にパイプから流れてくる約50℃の源泉を溜める。そしてその溜めたお湯に顔(眼球)を付ける。そうすると目にいい」とのことであった。実際に試してみたが、確かに視界がクリアになった気がした。

滞在した四時間もの間。何度も湯に浸かった。この浴室の雰囲気の中での湯浴みは不思議な感覚があり、その不思議な感覚を味わいたくって何度も浴室に足を運んでしまったのであった。この季節、奥の岩から染み出る泉はゼロのため、パイプで掛け流すお湯のみで浴槽は満たされている。コンディションのよい日(雨が降った4〜5日後)は岩から染み出た泉が一番奥の入浴不可の穴(浴槽?)に満たされ、そしてそこから溢れた泉が入浴可能な浴槽に掛け流されていくようだ。ぜひその日に訪れたい。



<同行者からもらった女性浴槽の画像>




ここの従業員(店主?)さんとお話させていただいたが先週は雪が40cmも積もったとのこと。箱根というよりも東北の湯治場に来た気分。

なおアメニティは充実。タオルや浴衣も用意されている。手ぶらで訪れても全く問題はない。しかし、清涼飲料水の自販機はあるものの、食堂がないため注意が必要。


4時間があっという間に過ぎ、秀明館を後にした。外は晴天となった空と積もった雪とのコントラストがとってもきれい。小田原に向かうバスに乗って車窓を見るとでっかい富士山がお目見え。そうとなれば反射的に大涌谷で下車。黒たまごの売店付近まで登って、じっくりと富士山を堪能させてもらった。




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12.1.29(立ち寄り入浴)