斜 里 岳

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道東の山旅、第一弾の雌阿寒岳はガスで視界不良、第二弾の羅臼岳は雨とガスでこれまた視界不良。第三弾の斜里岳はいったいどうなるのだろう。
天気予報が全くと言っていいほどあてにならない最近の道東の天気。

朝(夜中)に起床してすぐに窓の外を眺めた。すると・・・・・・星が輝いていた。
これは期待できる!天気予報も晴れ時々曇りだし。

右手にオホーツク海を眺めながら進むドライブは気分の良いものになった。

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清岳荘 5:54→下二股 6:49→上二股 8:26→斜里岳山頂 9:16〜9:46→上二股 10:24→熊見峠 11:00→ 下二股 11:49→清岳荘 12:40

合計時間(休憩時間を含む) 6時間46分


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ウトロのセブンイレブンで買ったサンドイッチとおにぎりを食べながらの移動。ようやく北海道らしい風景を堪能することが出来る。今日、帰るのにホント遅すぎ・・・・・。

宿泊先の国民宿舎桂田からの道中で観た斜里岳はとにかく素晴らしかった。

朝陽に当たる斜里岳


清岳荘はロッジのようなきれいな建物。良い意味で緊張感が和らぐ。なお清岳荘までのアクセスは手前数キロはダート道であるが、整備されておりジャンプするような箇所はない。飛ばさずに進めば乗用車でも全く問題にない道。なんたってバスも登ってくるんだから。

ちなみにトイレは清岳荘の中にある。靴のまま入ることが出来るし水洗で、しかもとってもきれい。大変ありがたい(使用料1回/100円)。

            清岳荘前の駐車場                          清岳荘

清岳荘前の斜里岳登山口から5:54に出発。
ここには登山&下山届記入帳もある。

清岳荘前の登山口出発(5:54)

最初から山道を進むかと思いきや一旦、車道のようなダート道に入り、しばらく進んでからようやく登山道に入る。

最初から熊に注意の看板があり少し緊張する。

本当の登山口?(6:10)

ほんの10分も進むと斜里岳名物の渡渉に入る。ここからの道。幌尻のような深い箇所はなく足袋のようなものに履き替える必要はないものの、膝下までくるスパッツは着用したほうが良さそう。

最初の渡渉(6:18)  まだ序の口です(笑)

この渡渉。茶色の部分は鉄分が多く付着しているようで滑り辛いが、そうでない箇所は意外と滑る。特に緑や黒い箇所。

マイナスイオンをたくさん浴びながらの歩行は気持ちいい。

あまり深くない渓流を何度も渡渉し、時には渓流横の岩を乗り越えながら。何箇所は足を置く石が見つからない所もある。そんな時は諦めてジャブジャブ入水するしかない。でもゴアテックスの靴ならばおそらく靴の中までは入ってこないはず。

渡渉中(6:23)


渡渉中(6:35)


渡渉中の自分(6:40)

6:49 下二股到着。
ここは旧道と新道の分岐点。もちろん我々は行きは旧道。下りは新道を選択。

下二股到着(6:49)

旧道を進むといきなり滝が現れる。それは羽衣の滝。傾斜はそれほどでもないが滝の端を歩くのは迫力満点。マイナスイオンたっぷり。
しかし、その次に現れる方丈の滝には傾斜が急になりロープも架かっており滑りやすい。

羽衣の滝(7:12)


羽衣の滝の横を歩きます(7:16)


方丈の滝上部を歩きます(7:45)

見晴の滝〜竜神の滝まではこのコースのメインイベント。かなり急な傾斜と滝の流れの中に足を突っ込んで進むのである。

滝登りの核心部に入ってきます 傾斜の急で意外と難儀(7:57)


この滝の左端を登ります(7:59)

ここには茶色ではない滑る岩も存在し舐めてかかるとヘッドスライディングすることになる。実際に同行者もやってしまい上半身前が濡れてしまった。ただずっと下まで滑落するということはなさそうな場所である。どこかの岩で引っ掛かるでしょう(笑)。

滝を上から見たところ(7:59)


急登の滝ももうすぐ終わり(8:08)

なかなか出来ない経験をさせてもらいながら急な滝も終わり、なだらかな小川へと変化する。
下には水が流れていますが、ジャブジャブと進みましょう!そうでないと一向に進めません。浅いので大丈夫です!

すると旧道との合流点(上二股)に到着する。8:26通過。

なだらかな小川になり、しばらく進むと上二股(8:26)

ここからはよく見るような登山道。すでに色を変えつつある山肌が非常に美しい。空は青い。やっと晴れたなぁ〜。

少し紅葉がかった山肌(8:44)

歩きやすい道を登っていくと八合目(胸突八丁)通過。これを過ぎるとガレ場を出る。
赤い岩や砂を登っていく。

歩き辛いガレ場(8:51)


8:55 稜線に到着する。
知床方面は完全にガスっている。しかし禿げた山頂付近は肉眼で捕らえることが出来る。
風は冷たく少し寒くなる。

稜線から見た山頂


あともう少し。急登を登りピークから少しだけ下ると銀色に輝く斜里岳神社祠が鎮座。一礼をして進む。

手前の銀色の建造物が斜里岳神社の祠 奥のピークは山頂(9:08)

そして最後の急登を進むと斜里岳山頂に到着する。9:16着。
残念なことに360度、ほぼガス。上は青空なのに。あと一時間早く到着していれは360度の絶景を拝めたことだろう。

標高1547mの斜里岳山頂

風も段々と強くなり、ガスが晴れる可能性もあるため、おにぎりを食べながら様子見することにする。

山頂から三角点方面を見るも雲が厚い


山頂から登ってきた道と南斜里岳方面を見る

一瞬、ガスが取れかかったりもするものの晴れることはなし。
終いには釧路や根室の高校生集団が山頂に到着。広い山頂が一気に狭くなる(笑)。

なので我々は下山をすることにする。
でも引率している先生方って大変だなぁとつくづく思う。

下りはゆっくり。ガスが切れることを願いながら。

馬の背からは時折、下界が見えるようになってくる。

稜線最後の景色 知床方面を見る(10:01)

意外と滑る胸突八丁を下る。


紅葉に近づきつつある山肌(10:16)

そして上二股からは新道に入る。ちなみにこの上二股にはトイレではなくトイレブースが一基ある。

奥のテントはトイレブース(10:24)

道は歩きやすい。後ろには徐々にガスが取れてきた様子の斜里岳。右手には斜里〜網走の街とオホーツク海を見ながらのコース。絶景じゃん!!

しばらく登り、ハイマツの生い茂る稜線から見る景色は360度の大パノラマ。斜里岳〜摩周湖〜オホーツク海と網走〜濤沸湖〜斜里の街並み。山頂では見ることが出来なかった風景が今。目の前に広がっている。
ただ、ただ素晴らしい。本当にこれが見たかったんです!

この先には・・・・・・


こんな絶景が待っていました(10:48)


ガスから少し顔を出した斜里岳山頂

自分にとって、この斜里岳には特別な思いがあります。
思い起こせば大学三年の夏。北海道放浪の旅を続けて終盤に差し掛かった頃。優美な斜里岳を濤沸湖から眺めながら、いつの日か「今度は斜里岳に登って下界の絶景をみたい」。そう思っていました。それが今、こうして実現しています。なんだかとっても感慨深いです。
今までの人生で色々とあったけれど、この斜里岳は昔も今も変わっていない。それが何だかとっても嬉しい。


こんな道を熊見峠に向けて進んで行きます


網走方面をアップ

11:00熊見峠到着。
ここからの景色はハイマツだらけ(笑)。

展望なしの熊見峠


しかしここからしばらく下ったところに一ヶ所だけ絶景を拝める場所がある。オホーツク海と街並みであるが、ここを過ぎるともう見える箇所はないため、目に焼き付ける。

絶景見納めポイント(11:03)


ドロドロ道を下る(11:04)

ちなみにこの熊見峠〜下二股までの道は急坂であり、かつ連日の雨でドロドロ。滑る滑る。意外と難儀。
出来るだけ周りの木々を掴みながら進む。

ドロドロ道を下る(11:48)


ようやく11:49に下二股到着。

ここからは登りに通った道。
今回の北海道山旅最後の道を噛み締めるように進む。

山道を終えて最後の林道を歩く(12:26)

12:40 無事に清岳荘に到着。
ちなみにここ清岳荘の管理人のおばさまは優しそうでとってもいい方に思えた。少しお話をさせていただいたが、物腰が柔らかく、でも山には厳しい。そんな印象を受けた。だって昼近くに入山して行ったカップルのこと。心配してたもんなぁ。

清岳荘前から見た素晴らしい下界 ここは標高680mもあるからなぁ

駐車場にはたくさんの乗用車&バスが止まっていて清岳荘のおばさまの話だと満車らしい。さすがは百名山。

このあとは当初、宿泊しようと考えていた緑清荘に立ち寄り入浴。
塩素使用とのことであったがあまり気にならず。泡付きのモール泉で意外といいお湯でした。


緑清荘に向かう道から見た斜里岳


久々にベタな写真を撮りました


緑清荘に向かう道から見た斜里岳

サッパリした体で原生花園駅へ。
ここからは知床連山〜斜里岳。濤沸湖が一望。最後の貴重な北海道時間を余すことなく堪能。
今日の知床も天候はよろしいようで羅臼からの景色もきっと素晴らしいのだろうなぁ。


小清水原生花園から見たオホーツク海〜知床半島


釧網本線原生花園駅から見た列車と斜里岳


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念願であり憧れでもあった斜里岳への登山を無事に終えることが出来ました。今はただ、ただ感慨深いです。

自分は北海道という存在から色々なことを学ばせていただきました。今の自分があるのも北海道のおかげであるかもしれない。心からそう思っています。本当にありがたい存在です。

多少の観光化はされたものの自分の学生時代と今とそれほど変わっていない道東。そのことが自分にとってはと〜っても嬉しいことです。


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14.9.15
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