お盆休みの翌週末。きっと空いているのではないか?と思っていました。ついついまたまた登山をしてきました。今回は尾瀬にある至仏山。山頂からの景色は絶景との前情報があったのでとっても楽しみにしていました。
AM2:30自宅出発。所沢ICより関越道。渋滞の様子は全くない。っていうよりも車の数が非常に少ない。嵐山あたりで雨が降ってくるがすぐに止む。しかし何だかいやな予感。再び前橋付近から徐々に降雨。渋川伊香保ICを過ぎた付近から本降り。沼田ICを下り日本ロマンティック街道(国道120号)を進む。相変わらず雨が止む気配は全くない。それに加えて霧が出てきた。
結局、雨の中、尾瀬戸倉の第一駐車場に到着(AM5:25)。尾瀬も上高地や乗鞍同様に入山規制行っており(尾瀬は期間限定)ここから乗合タクシーかバスにて鳩待峠へと向かうのである。
到着するなり、ここを管理しているおばさんが早く乗合タクシーに乗る様に急かす。まだ準備も出来ていないのに・・・。リュックに必要なもののみを詰め、そして着替える。雨は天気予報があたったのか、この頃には上がっていた。
乗合タクシー乗車(尾瀬戸倉〜鳩待峠まで片道900円)。一台に9人乗るスタイル。
AM5:58鳩待峠到着。およそ23分かかった。思いの外、早くて快適だった。
鳩待峠に到着したはいいが、尾瀬ケ原方面と至仏山方面を望むものの霧で何にも観えない。が何となく神秘的な雰囲気を醸し出しており個人的には決して嫌いではない。休憩所裏手にあるチップ式トイレ(100円程度)に立ち寄る。このトイレは非常に非常にきれい。水洗式だからと言ってしまえばそれで話は終わってしまうが、山小屋って基本的には汚いトイレが多い。にもかかわらず。きっとトイレがきれいってことは尾瀬の自然に対しても同じ気持ちを持って行動しているのだろうなぁって思えた。そして・・・いよいよ出発。
AM6:15鳩待峠(標高1,591m)出発。ここからはずっと下りである。大きな石で造られた階段を進む。雨に濡れた石は滑る。時折、雨も降ってきたのもあって余計に歩きづらい。
自分の勝手な尾瀬のイメージは「湿原」であるが、そんな印象は全くなく、むしろ山の麓を歩いているような感覚がある。しばらく進むと木道へと変わる。風景は別として尾瀬らしい道だ。
そして段々と木々だけではなく草木が増えてくる。非常に和やかな風景である。濃緑や黄緑色した草木が笑っているかのように生き生きと生えている姿は実に気持ちがいいもの。
AM7:12山の鼻到着。ここには至仏山荘やキャンプ施設があるせいか、たくさんの人々がすでに散策へ向かう準備をされていた。
山の鼻ビジターセンターの裏にあるチップ制トイレ(100円程度)で用を足す。ここのトイレも非常に綺麗で頭が下がる思い。ちなみにここを過ぎると鳩待峠に到着するまでトイレはない。なので至仏山登山の際にはあまり行きたくなくても。必ず寄った方がいいと思う。
AM7:21山の鼻出発。するとここ山の鼻にいらっしゃるネイチャーガイドの方が我々を呼び止める。するとついさっき熊が目撃されたとの事であった。水芭蕉の実を食べに来るらしい。そのため集団で尾瀬ケ原に入るよう説得させられる。当然、文句を言うまでもなくありがたく従った。女性ガイドさんの大きな声、そして男性ガイドさんは笛を鳴らしながら進む。しかしほとんどの方は尾瀬ケ原の散策。至仏山に向かうのは我々のみ。少し心細いが・・・。ガイドさんからは「鈴を鳴らしながら進んでくださいね。それから雨で木道がかなり滑るから気をつけてください」とのアドバイスをいただき尾瀬ケ原途中で別れる。
こういったネイチャーガイドさんって本当にありがたいです。とっても勉強になりますし、楽しませてくれます。一方、危険も知らせてくれます。頭が下がる思いです。
ここからは当面の間、鈴をうるさいと思うほど鳴らしながら進んだ。色々と試したが杖に付けるのが一番鳴ることがわかった。
AM7:30至仏山登山口通過。ここを通過してすぐに動物の排泄臭がした。それに加えて獣道のような雰囲気の登山道を進む。とにかく鈴をガンガン鳴らしながら登る。他の登山客の気配も全くない。
AM8:13「ここが森林限界です」の表示通過。この表示地点はまだ木々が生い茂っているものの、しばらく先に進むと視界が一気に開けるため熊に出会いにくくなるはずである。少し緊張が解れる。
肩の力を抜いて進むと急に視界が開ける。すごい絶景である。正面には燧ケ岳が君臨。その手前にはじゅうたんのような尾瀬ケ原が広がっている。この景色は山頂まで途切れることなく観ることが出来るのである。素晴らしい!!
このあたりからの登山道は岩場が増えてくる。蛇紋岩という岩でとにかく「滑る岩」なのである。特に濡れていると最悪である。つるっつると滑る。靴底がグリップしてくれないのである。さらに傾斜もかなりある。予想以上に手強い。
しかししかし、下界を眺めるとそんな苦労も一瞬にして吹き飛んでしまうのである。
さらに進むと岩ひとつひとつの大きさが大きくなってきており、かつ傾斜もさらにきつくなってきている。おまけに滑る岩だし・・・。どんどんペースが落ちてくる。
AM8:57中間地点到着。ここで登りの半分が終了。でもまだ半分。
しかし登りはさらにさらにきつくなる。鎖場が二か所。正直、自分にとって、このくらいの岩場は何ともないが同行者は非常に苦労していた。
AM9:23木製階段出現。前情報だとここからはかなり楽になるとの事。同行者にそれを話すとホッとした表情をした。
ようやく回りの木々の背が低くなってきており標高が上がってきたことがわかる。またこの付近からは視界を遮るものはなくなり、下界は180℃の絶景。
木造の階段は滑る岩よりもはるかに歩きやすく、どんどん進む。ピークに近づくにつれて風が強くなってきた。ってことは眺望がよくなるかもしれない。期待しながら山頂を目指す。
AM10:29至仏山頂到着。着いた瞬間、驚いた。本当に正真正銘の360℃の大パノラマなのである。それにしてもすごい景色だ。空はうす曇りであるが、視界はなかなかよい。思わずうっとりしてしまった。素晴らしい絶景だ。
思いの外、たくさんの登山者がいたようだ。山頂は広いため皆さんゆっくりしているようだ。我々も例外ではなく昼食を摂らせてもらった(コンビニおにぎり)。
おにぎりを食べてしばらく景色に圧倒されていたが、風も強くなってきて少し肌寒くもなってきた。
AM10:53下山開始。相変わらず岩場が続く。岩場って登りよりも下る方が大変だ。何たって滑るし怪我をしやすいはずだ。しかし下山ルートも絶景を望みながら進む。相変わらず風は強いものの気分的には非常に快適である。
AM11:45小至仏山頂到着。ここの頂上は非常に狭い。また岩がゴツゴツとしており、ゆっくり出来る雰囲気の場所ではない。しかしここから観る景色もまた素晴らしい。至仏山が邪魔?をして360℃というわけにはいかないが、それでも目の前には大パノラマが広がる。
AM11:50下山開始。ここからもしばらくは岩場が続くが、やがて木造の階段へと変わる。やはり階段の方が歩きやすい。ここからは鳩待峠まで楽勝な道が続く。この尾根伝いの道からも燧ヶ岳と尾瀬ケ原の絶景を観ることが出来る。
名前はわからないが、ちょっとした休憩所兼展望台のようなところがある。PM0:10着。ここでしばらく休憩。お弁当を食べるには絶好の場所のような気がする。
さらに下る。PM0:22オヤマ沢田代通過。この狭い空間に尾瀬らしさを垣間見ることが出来た。尾根伝いなのに何だか不思議。
PM0:29オヤマ沢(標高1,980m)通過。ここからは展望が期待できない。途中、ひょっこりと燧ヶ岳が顔を出したりはするものの木々の高さが数mにもなるものが多くなってくるため、森林の中を進むことになる。それから空にはようやく晴れ間が出てきたことと標高が下がってきたこともあって急に暑くなる。持参した「凍らせたアクエリアス」も一気に底をついた。
PM0:53鳩待峠まで2km地点通過。このあたりは平凡な下り坂。細かな石がゴロゴロしていて、気を抜くと足を挫きそう。
PM1:16鳩待峠まで1km地点通過。相変わらず平凡な下り坂。早く着かないかなぁ〜。
PM1:36鳩待峠到着。この時間。鳩待峠にはたくさんの人で溢れかえっていた。登山やハイキングを終えた人。これから尾瀬に入る人(きっと泊まりだろう)。この光景を見るだけで尾瀬人気がうかがえる。
休憩所で群馬名物の花豆を使ったジェラードが売っていたので買った(1個/500円)。売っているおじさんと話したところ、このジェラードは水芭蕉の形を真似たらしい。言われてみると確かに・・・。
思いの外、濃厚で美味かった。
しばらく涼んだのち、尾瀬戸倉第一駐車場へ。帰りも乗合タクシー利用。帰路の途中、老神温泉の日帰り施設「湯元華亭」に寄った。まあ、ここも素晴らしく最悪なお湯(笑)。二つ星???のお湯である。「加温・塩素循環」だそうだ。加水をしていたら三ツ星?になってしまうところだ。やはり汗を流した程度で早々とあがった。
多少、関越道が渋滞したものの、無事に帰宅出来た。
至仏山は自宅から比較的アクセスもしやすく、山頂からの景色も最高。
しかし何と言っても尾瀬に来る方々は皆さんマナーが良いと思った(富士山とは違う)。非常に気持ちいい。入山規制しているのも個人的には賛成。週末やお盆休みなど、もし入山規制せずにマイカー入山OKにしたら、あっという間に尾瀬は汚されてしまうだろうって思う。
次回の尾瀬は一泊して「燧ヶ岳登山+尾瀬ケ原ハイキング」をゆっくりと楽しんでみたい。
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09.8.22
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