長野県 小谷温泉 山田旅館

国道148号の小谷温泉口信号を曲がり、走りやすい道をくねくねと登っていく。すると上の方に赤い屋根の建物が見えてくる。これが小谷温泉山田旅館。

常に古びた風情ある建物である。それもそのはず。1,550年に発見されたこの温泉。山田旅館はここ小谷温泉の中でも最も古く、江戸時代に建てられた本館を含む7棟にいたっては登録有形文化財となっている。受付をすると女将さんらしき方から「予約を一番早くしていただいたので料金は旧館(本館)と同じで別館(新館)をご用意させていただいておりますがよろしいでしょうか?」との言われた。本館は確かに風情があって興味があったがトイレが付いていないし、隣の部屋との仕切りがふすま1枚のようだった。これは好都合なので喜んで承諾。同行者も喜んでいたようだ。

部屋はかなり広い。バス、トイレ付き。景色もGOOD。ここから外を眺めると山深い場所であることがよくわかる。

早速、宿泊者専用の露天風呂へ。ここ別館の地下一階にある。なかなか綺麗な建物であるが健康館と呼ばれているようでマッサージ機や卓球台なども置いてある。全く風情はない。さあ、露天風呂へ。湯船は二つあり、一つは室内にあり、もう一つは屋外にある。また屋外の湯船は屋内の湯船のお湯をそのまま流しているようだ。なので屋外の湯船には入っていない。取り合えず屋内の湯船に浸かる。あっあつい!これはスゴイ熱い。我慢して何とか肩まで浸かるが2〜3分浸かるのが限界。ほとんど半身浴となる。お湯の色は若干茶色に濁っている。お湯を舐めてみると鉄の味と若干の塩気を感じる。あまり美味いものではない。結局、カランで頭を洗い、10分程で出てきてしまった。ここは期待していたほどではなかった。

そして今度はメインの内風呂へ。旧館にあり入口からして非常に風情があり湯治場の雰囲気を醸し出している。木製の扉を引くとそこが脱衣所。数人が入っている様子。さぁ、湯船へ。木製で造られた風情ある湯船であり5〜6人は入れそうな大きさ。湯船の端に湯口があるが2mくらいの高さからお湯を滝のように落としている。情報ではこの滝?には析出物で出来た柱があると聞いていたがいつだかわからないが切ってしまったようだ。残念。早速、湯船に浸かる。お湯の温度はやや熱めで43℃くらいはあるが温まるにはちょうどいい。お湯の色は若干黄土色+白濁がかっており茶色の湯の花も浮いている。お湯を舐めてみるが鉄味と若干の塩分を感じた。また少しであるがヌルヌル感もあった。なかなか気持ちいい湯である。しかしこのお湯、群馬県鹿沢温泉紅葉館のそれにそっくりである。湯船の横には寝湯が出来るスペースがあり、ここで寝転がるのもよい。

PM5時30分。夕食である。かなり豪華で味もなかなかであった。朝食はAM7時30分。この玉子焼きが甘くて美味かった。

チェックアウト後、せっかくなので有形文化財の山田旅館をくまなく見学。ちょうど我々が滞在した部屋の下に飲泉所があったため、この際に飲んでみた。やはり鉄味+若干の塩分を感じたが意外と飲める。ここに備え付けてある竹製のコップ1杯をくいっと難なく飲むことができた。

この山田旅館。建物を見に行くだけでも価値があるのではないかって思う。昔ながらの湯治場というものを実際に見ることができる。お湯はやや熱めで長湯は出来ないが、いかにも身体に効きそうなお湯であるように感じた。
07.5.4〜5(宿泊)
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