長野県 奥山田温泉 満山荘
念願が叶っての宿泊となりました。二年以上も宿泊することを待ち焦がれていた温泉宿です。超人気のここ満山荘。予約時にも安い部屋はいっぱいとのことで景色の良い部屋(1人/二食付き18,800円)への予約となりました。

上信越道須坂長野東ICから約40分で山田牧場に到着。ここでチェックインの時間まで散歩をしたり、昼寝をしたりとのんびりと過ごした。天気がいいので非常に気持ちがいい。青い空と高地特有の凛とした空気が心身をきれいにしてくれるような気がした。

PM2:00。奥山田温泉満山荘着。玄関から裸足で歩くのが気持ちいい。清掃も行き届いている感がある。何故だかホッとさせてくれる雰囲気を持っている宿である。チェックインにはご主人が対応して下さった。記帳の際に入れていただいたそば茶が香ばしく美味しかった。



今回の部屋は階段をひとつ上がってすぐ左にある「鹿島槍」という部屋。洋和室の非常に洗練された造り。デザイナーズ旅館と言った雰囲気。若いカップルから老夫婦までがきっと落ち着けるであろう雰囲気。非常に非常に気に入った部屋。またここ満山荘のいいところは最初から最後まで布団が敷きっぱなしなこと。ってことは宿の方々も最初に部屋へ案内してからチェックアウトまで一切部屋には入らない。
窓側のあるゆりかごには同行者が、自分は二人掛けのイスに腰を掛けながら、景色を眺める。この日の空気は若干ガスっているものの下界には長野、須坂の街が。遠くには北アルプスの山々がドカンと君臨しているのがうっすらと観える。この景色は他の温泉宿にはなかなかないおかずだなぁ。

またこの鹿島槍という部屋の上には鳥の巣(ツバメかなぁ?)がある。特に朝はこの鳥の声で起こされてしまう(笑)。これはまさに自然が生み出す目覚まし時計。こんな経験、都会にいると出来るはずもない。






<一万尺風呂>
お風呂については以前、満山荘を立ち寄りで訪れた時とはかなり変わっている。
この岩風呂も同様。まず男女別になっていた浴室の壁が完全に突破られていた。また以前男性用だった岩風呂浴槽は埋められていてカラン、シャワーは以前のままだろうか、三基も備え付けられている。女性用浴槽はそのまま使用されていると思われる。露天風呂についても展望の良い浴槽は依然のそれと変わらないが、細長い風呂については埋められていた。

まずは内湯の岩風呂。広々としており、また窓を多く設置したせいか非常に明るく開放感がある。浴槽は二つ。奥にあるひとり用サイズの浴槽は激熱風呂。浸かれる温度ではないくらい。湯口は一か所であるが触れないくらいに熱い。
一方、もうひとつの浴槽は6〜7人くらいは入れそうな大きさ。湯口は一か所でちょろちょろとあまり多くない量のお湯が掛け流されている。こちらのお湯は体感温度が44℃くらいで十分に浸かれる温度。やや白濁したお湯で焦げたような硫黄臭がほんのりとしてくる。PHが7程度であることからもわかるのであるが肌への刺激がほとんどない。優しい湯である。

次に露天風呂。おそらく5〜6人は浸かれるであろう大きさ。お湯は内湯同様であるが白い湯花の量が凄い。温度は露天のせいでややぬるめになっており41℃〜41℃くらいだろう。ここからの景色はかなりよく、周りには山々が見える。見通しのよい日には遠く北アルプス連邦が見えるらしいが、おそらく湯に浸かったままだと難しいだろう。立てば可能だろうが。しかし立つと真下にある満山荘駐車場からは丸見え(笑)。注意が必要。







なおここはチェックインからPM10時までとAM8時からチェックアウトまでが男性用となっている。













<新しい内湯と露天風呂>
従来からある一万尺風呂とは逆で、チェックインからPM10時までとAM8時からチェックアウトまでが女性用となっている。
以前は創業者のおっちゃん(笑)の趣味の部屋となっていたところにこの風呂への扉が造られている。08年の暮に造られた新しい風呂棟?。出口からは用意してある草履を履く。木造の非常にモダンな雰囲気のある廊下を進むと風呂棟の入口に到着。
脱衣所からして、ものすごく綺麗でデザイナーズ旅館と思わせる雰囲気。特に女性にはたまらないだろう。
床は水を弾く人工畳のようなものを使用している。おそらく床暖房完備だろう。最低限のものしか置いていないが、しかしそれがかえって良い。













<新しい風呂棟の内湯>
扉が透明なガラスでまずびっくり。この扉を開けると檜の香りが漂ってくる。
しかし下を見ると湯船に使用されてい檜の香りであることがすぐにわかった。
大きさは6人程度は入れそう。湯口は一か所。体感温度は42℃くらいでちょうどいい温度。お湯は他の浴槽と同様と思われるが、この浴槽のお湯だけは檜の香りが強く、硫黄臭より勝っている感がある。浴室の窓が開放的で大きく造られているせいで、太陽の光を十分に受けることが出来、また周りの自然を十分に楽しめるように造られている。素晴らしいの一言に尽きる。文句の付けようがないし、これ以上の言葉も見つからない。ただ「
素晴らしい」の一言。
カラン・シャワーは三基。ちなみにこの浴室で驚いたのは壁に炭を埋め込んでいること。シャワー部分の鏡が埋め込まれている壁や内湯湯口部分のあたりにはふんだんに炭が埋め込まれている。これにもびっくり+脱帽。











<新しい風呂棟の露天風呂>
この浴槽も素晴らしい。色々な意味でTVや雑誌で使われてもおかしくないような造り。
凍結防止マットの敷いてある階段を三段下ると6人くらいは入れそうな石造りの浴槽。湯口は一か所。体感温度は41℃〜42℃くらい。

特に早朝に入ったこの露天風呂は今回の満山荘訪問の中で最も印象深いものとなった。高地特有の凛とした空気と周りの自然が生んだ澄んだ空気、そして堂々と顔を出してくれたお日様が相まって、非常に清々しく、また少しオーバーかもしれないが神々しくもあり、最高のひと時をいただけた気がした。

ここの露天風呂も内湯同様に「素晴らしい」の一言。











<食事(夕食)>
夕食、朝食とも一階にあるFOOD風土という食事処でいただく。
中へ入ると三つの部屋に分かれている。我々は一番奥の部屋へと通される。各々のテーブルは薄いカーテンのようなもので仕切られているのでプライベートはそれなりに保たれている。
とにかくこの満山荘の料理は美味い。美味すぎる。一品一品、丁寧に作られているのがわかる。しかも器も凝っているし盛り付けも美的感覚が優れている。視覚的にも十分楽しめる。
熱いものはアツアツで出してくれるし、この料理だけを目的に満山荘に宿泊しても十分におつりがくると思う。東京で料理屋として出店しても十分にやっていけそうな高レベルの味。
どれが美味しかったかと聞かれたらきっと自分は全部と答えるだろう。

また地酒も豊富にそろっており10種の中から選ぶことが出来る。自分は須坂の地酒「朝しぼり」を1.5合注文した。この素晴らしい料理と美味い地酒が相乗効果を発揮したようで普段旅行先で食べる夕食より何倍も美味しく感じた。








<食事(朝食)>
朝食はバイクング形式。和洋どちらも用意されている。バイキングと言えどもおかずの種類は豊富で味はどれも格別に美味しい。普段、朝食をほとんど食べない自分が腹いっぱいになるくらい食べてしまった。特に卵焼きが少し甘くてふわふわで非常に美味かった。それからシャケの焼き物。おそらく炭火で焼いていると思われる。非常に香りがよい。





<その他>
創業者のおっちゃんの力作が置いてある談話室には無料コーヒー機があり、いつでも飲んでいい。挽きたてのコーヒーを飲める機械で非常においしい。自分も三回ほど利用させていただいた。

またここ満山荘には館内放送や内線電話もない。もしフロントに用がある場合には帳場に備え付けられている鐘を鳴らすようになっているのが面白い。





奥山田温泉満山荘。家族経営のため、マニュアル的な対応は一切なく非常に好感が持てます。建物全体も非常にきれいにされています。清掃もさぞ大変かと思いますが手を抜いていないところがすごいです。また「光」の使い方が非常に上手なように感じました。自然光や照明などを非常に上手に扱っていらっしゃる。
ここからは生意気ながら少し感じたことを書きたいと思います。料理、部屋、浴室。すべてにご夫婦の美的センスの良さを感じました。特に自然への感謝の気持ちを非常に強くお持ちであり、この大自然ありきの満山荘だということをわかっていらっしゃるのではないかと感じました。

今回HPを開始して初めて感想を書きたくない気持ちに駆られました(笑)。とにかく全てが素晴らしい。この「
素晴らしい」以外の言葉が見つからないのです(困)。
ここは何度でも宿泊したい宿です。今まで宿泊した宿の中でもトップを争うくらいにお気に入りの宿です。
正直、周りの人にあまり宣伝をしたくないです。だって予約が取りづらくなりますから(笑)。



  

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07.1.7(立ち寄り)/09.4.18〜19(宿泊)