群馬県 川中温泉かど半旅館

もう7月。暑くて少し動くと身体は汗でびっしょり。こんな季節は温湯が一番!。源泉温度が約35℃の群馬県川中温泉かど半旅館に宿泊してきました。ここは日本三大美人の湯としても有名?です。

いつもの同行者は鈍行列車での旅となりましたが、自分は歯の治療が予想以上に長引いて、新幹線で追いかけることになりました。無事に高崎で合流。吾妻線に乗り換え、岩島駅で下車(PM1:59)。駅前は何にもない静かな無人駅です。
ここからは徒歩で現地に向かいます。このかど半旅館。送迎はやっておらず、もし列車で行く場合には川原湯温泉駅からタクシーとなります。しかし我々はケチケチ旅行のプロ(笑)。歩いて向かいました。実際は川原湯温泉駅よりも岩島駅からの方が断然近いようです。

  

岩島駅から国道145号線を西へ向かいます。途中、セブンイレブンで買出し。松谷の信号を過ぎしばらく進むと「川中温泉・松の湯温泉」の看板が現れます(ここまで約30分)。ここを右折。暑くて汗がアゴから垂れてきます。吾妻線の線路を渡り、ここからは山道となります。山道といっても舗装された歩き易い道です。周囲は山に囲まれていい雰囲気ですが、ダム建設のための橋げたが視界を妨げ、これらははっきり言って邪魔です!しばらく進むと道の下に川が流れているのに気づきます。このせせらぎと川が運んでくれる冷気が火照った身体を元気付けてくれます。松の湯温泉を過ぎ、こんな道を約30分進むと、やがて「かど半旅館」の建物が見えてきます。ここまでの道のりはおおよそ1時間。
    

このかど半旅館。湯治場の雰囲気を残す建物です。入口を入ると若女将が出迎えてくれました。もの静かな感じですが、非常に品のある雰囲気をお持ちの方です。女優の赤座美代子に少し似ている気がしました。
  

部屋は別棟2Fにある「富士」という部屋でした。若女将に案内していただきました。窓を開けると、下には渓流がものすごい音をたててます。ゴーゴーと。せせらぎというレベルではないかもしれません(笑)。果たして寝られるのかと。
部屋の中は非常に清潔にされており気に入りました。花瓶には生花(あじさい)が活けてありました。粋な計らいです。トイレは共同ですが部屋の前にあり、しかもウォシュレット付きなのでOKです(笑)。
それからこの部屋にはクーラーがありません。扇風機のみです。暑がりの自分としては心配でしたが下を流れる渓流が冷気を運んでくれているため夜は非常に涼しくなります。なので全く問題ありませんでした。

    
   
ここのお風呂は全部で6つ。男女別の内湯。それから混浴内湯の大湯。露天風呂が二つ。それと混浴の薬湯。しかしこの日、薬湯にはお湯が張られておらす、入れませんでした。ちなみに混浴では女性専用時間が設けられております(PM6時〜8時とAM6時〜7時)。
  

<露天風呂>
手前が熱交換による源泉加温掛け流しの湯船。奥が源泉掛け流しの湯船。目の前には元気のいい濃緑の木々が生い茂っており心を和ませてくれます。また直下には渓流があり、このせせらぎが心地よくさせてくれます。源泉加温の湯船はお湯の投入量がなかなか多くてGOODです。体感温度は38℃〜39℃くらいだと思います。無色透明で白と茶色の湯花が舞っています。若干ですが石の甘い香りがします。非常にいいお湯です。何時間でも浸かっていられます。それほど特徴のないお湯ですが、何故だかまったりしたくなってしまいます。

  

奥の源泉浴槽はやはり温い。っていうより冷たいです(笑)。お湯の投入量はあまり多くありません。なので少々なまり湯気味です。こちらは加温浴槽ほど湯花はありません。しかし温湯好きの自分としてはこんな冷たいお湯がたまりません。おそらく体感温度は30℃以下だと思いますが。結局、かど半旅館の中でもこのお湯が一番気に入りました。計3時間は浸かっていたと思います。
またお湯に浸かっている時にはキシキシ感を感じていましたが、上がってしばらくするとお肌がびっくりするほどツルツルになっているのです。こんな経験は初めてです。クリームを塗ったようなという表現は適切ではないと思います。このお湯に失礼です(笑)。今まで感じたことのない感覚です。とにかく肌がツルツルになるのです。

  

それから夕方にこの露天風呂に入っている時、渓流の方から「かじか蛙」の鳴き声が聞こえてきました。一緒に入っていた常連さんが「この鳥の鳴き声のようなのはかじか蛙の鳴き声なんだよ。メスを呼ぶときに鳴くらしいんだ」と教えて下さいました。
<大湯>
露天風呂の手前にある混浴の浴槽です。おそらく6人くらいは入れそうな大きさです。源泉加温掛け流しで40℃前後だと思います。湯花も露天同様浮かんでいました。ここには何と何と源泉が出てくるカランとシャワーがあり、シャンプーも備え付けられています。自分は頭を洗う際と露天風呂の上がり湯して利用させてもらいました。このお湯だけでも結構、満足してしまうほどいいお湯です。

  
<男性用内湯>
一番小さな浴槽です。4人くらい入ったらいっぱいになる大きさです。結局、ここには一度も浸かりませんでした。

  
<食事>
夕食も朝食も受付横にある食堂でいただきます。夕食はPM5:30から。朝食はAM8:00からとなっておりますが準備が出来次第、宿の方が呼びに来て下さいます。
夕食には名物「おっきりこみ」が出てきました。新鮮な野菜とほうとうのような太い麺?で器が埋め尽くされ、みそ仕立てのスープで以外とあっさりしていて美味しかったです。その他の料理も美味しく、満足しました。またここ川中温泉オリジナルの生酒(300ml)を2本も注文してしまいました。最近は何だか地酒でも生酒にはまってしまい、何処の宿へ行っても注文してしまいます。きっかけは奥出雲湯村温泉湯乃上館です(笑)。
朝食は甘い玉子焼きが出てきたのが印象的でした。豪華ではありませんが家庭的な味付けで満足しました。

         

AM10:00。チェックアウト。ここからは岩島駅までまたまた徒歩で向かいました。帰路は下りのせいか思ったよりも楽でした。AM11:41、岩島駅発。高崎駅で駅弁を買い込み、普通列車のクリーン車で帰宅しました。
この川中温泉かど半旅館。まずは辛口コメントから。露天風呂の源泉掛け流し浴槽へのお湯の投入量が少な過ぎます。宿のHPによると1分/6.5Lらしいです。あの浴槽の大きさを考えれば明らかに少ないです。混雑している日にはなまり湯になるのも当然です。であれば大湯へ投入しているお湯の半分の量でいいのでこの源泉掛け流し浴槽へ回せばいいのではないでしょうか。ちなみに自分は今回宿泊しましたが、大湯に入っている方をほとんど見かけませんでした。ってことは、それほどこの大湯にはお湯を投入しなくてもいいのでは?。そうでなければ源泉掛け流し浴槽の大きさを小さくするのはいかがなものでしょうか。温泉は鮮度が命だとおっしゃる方もいらっしゃいます。私もそう思います。ですので源泉浴槽というものをもっともっと大切に扱っていただけると嬉しいです。

しかしながらこのかど半旅館。高級感のようなものは感じませんが、これがかえって素朴感を生み出してくれているようです。非常に落ち着く宿です。山奥でひっそりと、家族だけで営む温泉宿といった雰囲気がとっても気に入りました。到着した当初、渓流の流れる音が非常に大きくて寝られるか心配ですが杞憂に終わりました。自然が生み出したBGMとなって段々と心地よい音にかわってきました。普段より余計にぐっすり眠れたような気がします。また夕食の配膳係りと化している中学生くらいの息子さん。一生懸命に働いていました。笑顔が非常に素敵で好感が持てました。このご時世の中、どうやったらあんなにいい息子さんに育てることができるのでしょうか?きっとご主人、若女将の人柄がそうさせているのでしょうね。陰ながら応援してますよ!

またここのお湯のすごさには圧巻です。源泉浴槽がなまり湯気味だったにもかかわらず、自宅に帰ってから数日経った今も、まだ肌がツルツルです。石鹸で洗顔しなくても十分なくらいです。さすがは日本三大美人の湯。

この宿も大好きな温泉宿のひとつとなりました。リピーターが多いのも納得です。自分もリピーターになりそうです。次回は空いていそうな日を選んで宿泊したいと思ってます。

08.7.12〜13(宿泊)
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