鹿島槍ヶ岳

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今回も懲りずに(笑)まいたびさんの登山バスにお世話になりました。
天候悪化でのキャンセルがしづらいのが難点ですが、やっぱり便利です。

新宿都庁前の駐車場から出発。談合坂、諏訪湖SAと休憩を挟み、安曇野ICを下りて七倉荘を経由。扇沢駅に到着。ありがたいことに、この扇沢駅ではトイレ休憩がある。
続いて爺ヶ岳登山口に。

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一日目
爺ヶ岳登山口(柏原新道入口) 4:59→種池山荘 7:54〜8:11→爺ヶ岳南峰 8:50→爺ヶ岳中峰 9:09→冷池山荘 10:05〜30→鹿島槍ヶ岳山頂 12:13
登り行動時間(休憩時間含む) 7時間14分

鹿島槍ヶ岳山頂 13:25→冷池山荘 14:32

二日目
冷池山荘 5:54→ 種池山荘 7:36〜42→爺ヶ岳登山口(柏原新道入口) 9:32
下り行動時間(休憩時間含む) 4時間45分

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<一日目>
暗い中、4時半頃に柏原新道入口(爺ヶ岳登山口)到着。
ちなみにこの登山口にはトイレはないが、まいたびバスはそれを考慮してなのか扇沢駅でトイレ休憩をしてからここに向かってくれる。これは大変ありがたい。

ヘッドライトを付けたまま身仕度。

4時59分。柏原新道入口(爺ヶ岳登山口)出発。


出発してすぐのところに登山届BOXがある。
最初から歩きやすい安全な登り道を進む。
この柏原新道。とにかく整備が行き届いている。しかも自然に出来るだけダメージを与えないようにほとんどの箇所を石畳・石段や木道にしている。
これはスゴいこと。歩けばそのスゴさに感激するはず。

朝陽が当たり赤く染まった針ノ木岳(5:24)


登りやすい柏原新道を進む(5:25)

息がハアハアするかしないかの登りをゆっくりと進む。
なんだかバスでの仮眠もあまり摂れずとにかく眠い。

大町方面と思われる街並みを望む(5:34)

樹林帯の中を進むとちょうど日の出の時刻。周囲の山々に太陽の光が当たりとっても美しい。

針ノ木〜ズバリ〜赤沢岳を見ながらの登り 下には扇沢駅が見える(6:08)

6時09分。最初のチェックポイントのケルン通過。
この付近からは標高が上がり小さく見える扇沢駅が妙な雰囲気を出している。こんな山奥に巨大な駐車場はなんか変(笑)。

ケルン通過(6:09)

そのあとは様々な標識を見ながら進むことになる。水平岬だったり黄金岬だったり。

とっても歩きやすくて疲れにくい。

(7:08)


(7:20)


周りの景色が変わり、植物の背の高さが低くなり始めてしばらく進むと尖ったオレンジ色の屋根の建物が見えてくる。これが第一目標にしていた種池山荘である。7時54分着。


標高2,460mに位置し鳴沢岳と爺ヶ岳の稜線上に建つ。
ここでしばし休憩。この日は立山三山が目の前に見える。
トイレは100円程度の寸志。



種池山荘ベンチから見た立山三山(7:56)

ここで宿泊するのもいいなぁって思えた。なんとなく(笑)
ちなみにテント場は小屋から新越山荘寄りにしばらく進んだあたりのよう。

8時11分。種池山荘出発。まずは目の前に見える爺ヶ岳南峰を目指す。

種池山荘出発 目の前に見えるのは爺ヶ岳南峰、奥が中峰

しばらく進み、稜線へ出ると・・・・。そこには大絶景が待っていたのでした。立山三山〜剱岳〜鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳〜槍穂〜針ノ木。 360度の絶景がクッキリと迫ってくるかのように見えるのである。
オレンジ色の屋根を纏った種池山荘と稜線のグリーンとそして荒々しい立山連峰が相まって天国に来てしまった。そう錯覚してそう。
素晴らしすぎる。この光景!

稜線上から見た種池山荘と後ろにそびえるのは立山三山〜剱岳(8:24)


爺ヶ岳南峰に向けて(8:26)

ここからはガレ場の急登を登る。浮石もあり、このコースで一番気を付けるべき道かも。

鹿島槍ヶ岳が迫る(8:37)


立山三山〜剱岳(8:37)


鳴沢〜針ノ木 奥には薬師岳だろうか?(8:37)


左奥には槍穂が!(8:37)


爺ヶ岳南峰のへの最後の登り(8:38)


鹿島槍ヶ岳と冷池山荘もかなり近づく(8:46)

8時50分。爺ヶ岳南峰到着。この頃には長野県側からはガスが上がってきており、鹿島槍ヶ岳の雄姿を見ることが出来るのも時間の問題かも。



南峰からは一旦下り、今度は爺ヶ岳中峰へと登る。
大小の岩ゴロゴロ道だが手を使うような危険な箇所はない。

爺ヶ岳中峰に向けての稜線(8:53)


爺ヶ岳中峰に向けての稜線(8:55

9時09分。 爺ヶ岳中峰到着。
この頃には鹿島槍ヶ岳の雄姿は富山県側しか見えず。長野県側は真っ白。
しかし富山県側は晴れているため立山三山〜剱岳はクッキリ。特にギザギザした剱岳は迫力満点。


ここからはせっかく登って稼いだ標高を下って一気に使い果たすことになる。冷乗越までは多少の登りはあるものの基本は緩やかな下り。

立山三山〜剱岳を見ながらの稜線歩きは格別。

しばらく進み、前方に鳩の置物のようなものを発見。まさかこんな場所に置物なんて。と思っていると・・・・。
まさかの雷鳥ちゃんだった。
可愛すぎる〜。ぐぁあぐぁあといっぱいいっぱい鳴いている。
親鳥1羽、小鳥2羽。でも小鳥はかなり大きくなっている。もう9月だからなぁ。





そこから5分も歩かない場所に今度はニホンザルが。これは危ない!最近、ニホンザルも標高の高いところにも出没して雷鳥の雛鳥を食べてしまうらしい。
自然の摂理だから仕方がないけど本音を言うと食べて欲しくはないです。

そこからはずっと下り。


長野県側は真っ白 富山県側は晴れ 県境を示すかのような雲(9:34)


富山県側の立山三山〜剱岳はクッキリと(9:43)


先に見えるのが冷乗越 奥の建物が冷池山荘(9:49)

9時53分。冷乗越通過。ここは大谷原からの赤岩尾根コースとの合流点。

冷乗越標識と剱岳(9:53)

ここから冷池山荘までは登りになる。さあ、最後の踏ん張り。

10時05分。冷池山荘到着。
まずは受付へ。すると噂では聞いていた個室が空いている。どうやら個室については予約は受付ておらず早い者勝ちらしい。一部屋プラス5,000円もするが山小屋でプライベート空間を保てるなんて贅沢の極み。
早速、申込む。


まずは山荘の前のベンチでサブザックに荷物を詰め替える。
そして山荘のお姉さんの計らいでザックは先に部屋へ運んでおいてもらい、部屋の案内は鹿島槍ヶ岳山頂へ行ってきてからにしてもらう。

10時30分。冷池山荘出発。
少しだけ長野県側に寄った登山道はすでにガスってきており、視界は良くない。
テント場を過ぎると登りやすいなかなかの急登。
ちなみにテント場から山荘までは意外と遠くトイレはきっと大変だろう。

さらに進むと稜線上のガレ場に出る。このあたりは不思議な場所で長野県側から登ってくるガスがちょうど切れる場所。なので左手の富山県側は絶景。右手の長野県側は真っ白と面白い現象になっている。

剱岳の望みながらの登り(10:37)

なかなかの急登。このコースで一番キツイ箇所かも。息はハアハア。

布引山へ向けての登り(11:03)


ガレ場の急登を進む(11:19)

布引山を通過すると鹿島槍ヶ岳南峰山頂を肉眼で捉えることが出来る。山頂はなかなか賑わっている様子。

先のピークが鹿島槍ヶ岳南峰山頂(11:23)

このあたりもずっと気持ちのいい稜線歩き。

気持ちのいい稜線歩き(11:35)


鹿島槍ヶ岳山頂へ向けての最後の急登(11:59)


下を見るとスゴイ光景(12:07)

しばらくすると最後のガレ場急登に差し掛かる。標高も高いためか意外と息が切れる。
そしてつづら折りの道を登ると・・・・。
たくさんの人・人・人。しかも自分達よりも一回り以上は上の「人生の先輩方」が20名くらい(笑)。

鹿島槍ヶ岳山頂(南峰)到着。12時13分。
山頂の団体さんはク●ブツー●ズム主催の山旅をされている方々だった。
こんな様子なので潮が引くまで山頂で待つことにする。
でもこの歳になっても元気に山登りをしようとする「意欲」、そして「体力」があるというのはとっても良いこと。自分たちも将来、こうでありたい。

賑わっている山頂


静寂を取り戻した(笑)山頂


三角点(晴れていれば唐松あたりまで見えるはず)

しばらく待っているとやはり皆さんは下山。静寂さを取り戻した(笑)山頂でゆっくりすることにする。

さっきまで晴れていた富山県側もガスってしまい、山頂から見る景色はほぼ真っ白。時々、ご愛敬程度に立山三山が少し顔を出すくらい。

ここで行動食を食べながらゆっくり。幸いにもそれほど寒くはない。
すると北峰側に何かがチョロチョロと。また雷鳥ちゃんだ!3羽の親子が登山道を占領(笑)
これからキレット小屋に向かう人もしばらく遠慮して立ち往生。
これだけ癒してくれる鳥も珍しい。動き方も本当にかわいい。


結局、山頂には一時間以上もいた。本当は北峰まで行こうと考えていたがガスが濃くて眺望が期待出来ないため、諦めた。

13時25分。下山開始。つづら折りのガレ場を下るのであるが、これがまた歩きやすい。
もう周囲全体がガスってしまったため、景色を眺めながらの歩きはほどほどに雷鳥を気を付けながら(笑)、歩いた。

布引山付近を進む(13:49)


急な下り しかし歩きやすい(14:00)


チングルマがきれい(14:17)


冷池山荘テント場下から見た冷池山荘(14:30)

14時32分。冷池山荘到着。
早速、感じのいいお姉さんに個室を案内される。一階の22号室。四畳半だがとってもきれいで快適。奥にはガスった立山三山と剱岳がちょこっと。それから種池山荘を望むことが出来る。




一応、夕食は17時からか18時からのどちらか。明日は下山だけだからゆっくり食事をしたいため後者を選択。朝食は一律5時から。
夕食も朝食も特別なものはないが美味しい。特に夕食で出されたそばは暑い夏には大変ありがたい。

また、飲料水については受付時に引換券をもらい、一人1Lの水をもらうことができる。

              夕 食                              朝 食

山荘に到着したものの、夕食まで時間もあるため談話室で生ビール(900円)を買って外のベンチで飲む。ちなみに談話室は山頂でお会いしたツアーの方々で占領されていた(笑)。しかし爺ヶ岳を望みながらの酒は最高!
あっ、そうそう。ここ冷池山荘は場所を選べばSoftBankならば電波が入る。特にベンチの一番谷側に座ると4Gのフラッグがバリバリ立っていた。他のキャリアは不明ですが・・・・。ちょっとビックリしたが大変ありがたい。

冷池山荘のベンチから見た爺ヶ岳

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<二日目>
朝食後、御来光を期待するが全くダメ。そんなことより上からはなんと雨が(泣)。
しかし、見通しだけは良くて鹿島槍ヶ岳や剱岳〜立山三山までが見事に見えるのである。例のツアー客のおばさまと少し会話をしたが、雨なのにこれだけの眺望を得られることがとっても嬉しそうな口ぶりだった。この御歳でこんな感動を得られるなんてやっぱりうらやましい。

冷池山荘展望台から見た鹿島槍ヶ岳(5:54)

5時54分。一応、ザックカバーをし、レインウエアは上だけ。下は巻きスカートタイプの雨具で出発。
しかし、次第に天気は回復の兆し。爺ヶ岳中峰付近を通過するころには雨は完全に上がり、少しだけ晴れ間も。

まずは爺ヶ岳へ向けて出発(5:54)


今日も立山三山〜剱岳がよく見える(6:09)


爺ヶ岳へ向かっての稜線を進む(6:20)

また、爺ヶ岳中峰手前でまたもや雷鳥ちゃんに遭遇。本当にツイている。


今日も立山三山〜剱岳がよく見える(6:34)


爺ヶ岳南峰へ向けての稜線(6:52)


槍が見える(6:54)

爺ヶ岳南峰の裾野で最後の大絶景(槍穂〜針ノ木〜立山三山〜剱岳〜鹿島槍ヶ岳)をゆっくりと眺め、種池山荘に到着。7時36分。

これで剱岳も見納め(7:28)

天気予報では午後から雨。徐々に雲行きが怪しく感じる。出来るだけ早く下山したほうが良さそう。
なので長い休憩は摂らずにそのまま下山。

樹林帯を進むため、面白さには欠けるが整備の行き届いた柏原新道。同行者と再来週のトムラウシ登山に向けての話をしながら進む。

柏原新道を下山中(7:54)


ガラ場通過(7:58)


右手に雪渓を見ながら(8:30)

9時32分。無事に爺ヶ岳登山口(柏原新道入口)に到着。

柏原新道入口到着(9:32)


柏原新道入口到着(9:32)

ここからは扇沢駅まで歩かなければならない。緩やかなコンクリートの登りをゆっくり歩く。
ちょうど扇沢駅に着く頃。上からはポツポツと雨が。瞬く間に周りの山々には低い雲が広がる。
今回は本当にツイてる。

扇沢駅からは10時30分発の長野駅行のバスに乗り、長野へ。
そして時間が有り余ったため善光寺へ行ったりスタバで行ったり、最後の〆には金龍飯店で生ビール2杯。

そしてトクだ値で予約済であった18時42分発のあさま号で帰宅。
やっぱり新幹線は早い。自宅には20時半前には着いていた。

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まず感激したのが柏原新道。自然を壊さないように石や木を使って安全に登ることが出来るように整備されています。これには本当に頭が下がります。「商売のため」だけでは決して出来ることではないと思います。

また種池山荘から鹿島槍ヶ岳山頂までの稜線はまさに「立山連峰劇場」でした。荒々しさの中にも女性らしさを感じる立山。そして荒々しさに男らしさを足したような剱岳。これらが手に取るように見えます。
また遠くへ目をやると槍穂の姿もきれいに見ることが出来ます。

先日の荒川三山〜赤石岳の山に引き続き天気にも恵まれて楽しい楽しい山旅が出来ました。本当にありがたいことです。

次こそは同行者をそそのかして八峰キレットを越えて五竜岳まで行きたいと思います。

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15.9.5〜6
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