岩 手 山

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岩手の山旅二日目は岩手山です。
別名「南部片富士」と呼ばれているようにその山容はとっても美しいと思います。
自分は岩手を通る度にこの岩手山が見えないかなぁといつも探していたような記憶があります。
そんなことでいつの日か登ってみたい。そう思っていたのがようやく実現しそうです。

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馬返し登山口 5:52→一合目 6:35→二.五合目 6:58→四合目 7:33→五合目 8:01→七合目 8:56→八合目避難小屋 9:07〜15→御鉢到着 9:51→岩手山山頂 10:06
登り時間(休憩時間を含む) 4時間14分

岩手山山頂 10:21→八合目避難小屋 11:03〜30→新道六合目 11:59→新道五合目 12:27→新道三合目 13:05→一合目 13:33→馬返し登山口 14:05
下り時間(休憩時間を含む) 3時間44分

総合計時間(休憩時間を含む) 7時間58分


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ホテルの窓から、昨日はきれいに見えていた岩手山の姿は今日はほとんど見ることが出来ず。
う〜ん。天気予報は晴れのち一時雨なのだが。

登山口の馬返し登山口駐車場には5時半の到着。駐車場は意外に大きく50台は間違いなく置けそう。

ここからは岩手山の7合目付近まできれいに見えていた。

馬返し登山口駐車場から見た岩手山

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馬返し登山口駐車場上にあるトイレで用を済ませて馬返し登山口(キャンプ場)へ移動。
ここで登山届を書いて5:52に出発。

登山口出発(5:52)

一旦下ってから登りが開始される。
最初は樹林帯の単調な道。

0.5合目の標識を通過する。ここで一合目まで旧道と新道に別れる。今日は登りは旧道。下りは新道を進むことに決めた。理由は昨日の山岳警備隊もしくは岩手県警の方のアドバイス。

岩手山七合目付近を見ながら進む(6:23)

一旦、一合目で新旧道合流するがまたすぐに別れる。実はこの一合目までが意外と長い。

まだ単調な道であるが、後方には馬返しキャンプ場方面に広がる下界を見ることが出来る。ただ、この日は薄くガスがかかっているようで見通しはあまり良くない。

整備された階段を登る(6:38)


もやっているが、下の視界はまあまあ(6:50)

6時58分。2.5合目通過。
ここからは完全に旧道と新道に別れる。旧道は稜線上を進むため景色はよいし、暑い時期には風を受けることが出来るため涼しい。

(7:09)


(7:31)

7時33分。四合目通過。
この付近からは岩ゴロゴロのガレ場となり、歩きづらい箇所もある。ただ岩のグリップは比較的良好なため浮石に気を付ければ大丈夫。



四合目上から下界を見る(7:36)

この日は朝から同行者の体調が悪し。膝が痛いらしく普段に比べてかなりペースが遅い。それでも本人は「根性で登る」と言って気合いを入れていた。

(7:54)

8時1分。5合目通過。
ますます同行者の足の具合が思わしくなくなる。ロキソニンまで投入。大丈夫だろうか。
また傾斜もきつくなり息はハアハア。岩の転がり具合などはやはり富士山の登山道に似ている。

五合目通過(8:01)

ただこの旧道は景色が抜群にいいため疲れた心身を癒してくれるのは間違いない。

(8:22)

御蔵岩付近に来ると風が冷たく、また強くなってきたため防風・防寒のためレインウエアを着用。


(8:40)


ようやく御鉢が見えてきた(8:49)

やっと新道との合流点かと思ったらそこが7合目。8時56分。
目の前には岩手山のお鉢が広がる。でも山頂はここの裏側のため見ることは出来ない。

7合目にある祠(8:56)

ここからは気持ちの緩やかな道を鬼ヶ城方向に向かって進む。

8合目避難小屋と鬼ヶ城に向かって進む(9:02)


8合目避難小屋と鬼ヶ城(9:05)

9時7分。8合目(避難小屋)到着。
ここには滝沢コース唯一のきれいなチップ制(寸志)トイレもあり、大変ありがたい。
小屋のスタッフの方々は慌ただしく小屋開きの準備をされていた。


実はこの小屋の前に引かれている「御成清水」という水がものすごく旨い。水のクラスターが、かなり細かいのだろう。飲むというよりも体に吸い込まれていく感覚。我が家で飲み続けている名水。富山県穴谷の霊泉といい勝負。自分の勝手にランキングではこの「御成清水」は日本三大名水のひとつとなりました。
山奥でなければたくさん汲んで帰りたい。

日本屈指の名水。御成清水

ここからは鬼ヶ城に向かうように進み、不動平で右へ。御鉢を登るのである。標高が上がるに連れて風が強く冷たくなってくる。
この御鉢の斜面はやはりクセモノで足場は悪く、砂地に足を取られながら進むことになる。キックステップが一番登りやすいと思う。

鬼ヶ城と屋根だけ見える不動平避難小屋(9:27)


不動平から御鉢へ向かう(9:30)


歩き辛い御鉢への登り(9:40)


御鉢へ向かう登りから鬼ヶ城方面を望む(9:47)

そんな道を登りきるとようやく岩手山山頂を肉眼で捉えることが出来るのである。山頂付近には数名の方がいるのが確認出来た。

御鉢稜線に到着(9:51) 一番奥のピークが山頂


御鉢稜線から見た御鉢内部(左に見えるピークが山頂)


御鉢稜線から見た御鉢内部

ここは岩手山のかつての火口。やっばり御嶽の件が頭をよぎるので足早になってしまう。しかしまたまた調子の悪い同行者は鈍足(笑)。

なだらかな御鉢の縁を歩くが風がかなり強い。たまによろけてしまいそうにもなる。
そして残念なことにガスが急に上がってきて視界を遮る。あと10分早ければなぁ。
しかしそのガスの流れる速度がものすごい。
最後まで踏ん張りながら歩く。

奥のピークまでもう少し(10:00) それにしても風強え〜


10時6分。岩手山山頂到着。標高2038m。
山頂は貸切。絶景とは言いたいのだが、またまたガス・ガス・ガス。そして冷たい強風。
それでもこの強風によって時折、ガスが晴れることがあるため、「一瞬の絶景」は見ることが出来た。

三角点と山頂標識(御鉢内側から外側を見る)

しばらくすると男3人組が登ってきたのでカメラのシャッターを押してもらう。

しばらくして同行者が「手の感覚がなくなりそう」というので下山開始する。確かに風は冷たい。

三角点と山頂標識(御鉢外側から内側を見る)

すでに限界に近い同行者の膝には下りがきつい。
登りより遅いんじゃないかと思えるほどのペースで進む。
下に見える鬼ヶ城が荒々しいが新緑と相まって美しい。

歩き辛い下山道から不動平方面を望む(10:36)


不動平へ向けて進む(10:46)

11時3分。八合目岩手山避難小屋到着。
さすがに腹が減ったのでご飯タイム。今日のお昼は岩手と言えばすっかり有名になった福田パン。
前の日、盛岡駅近くのイオンで五種類ものコッペパンを買い、ザックに詰め込んでいたのだった。サーモスに入れたお湯で作ったコーヒーと一緒に食べる。
美味い。美味すぎる(棟方志功風)。

11時30分。八合目避難小屋出発。
果たして同行者の膝が持つかどうか。傾斜の緩い7合目までは難なく進む。
下りはもちろん新道を利用。段差のきつい箇所はあるものの旧道のような岩ゴロゴロの道はない。

膝をかばいながらのため、ペースはあがらないが、それでもそれほど遅くはない。すでに周囲はガスってきており展望は期待薄。地道に下るしかない。

11時59分。6合目通過。ガスがかかって視界は良くないものの、旧道方面にはうっすらと御蔵岩を見ることが出来る。

うっすらと御蔵岩(11:53)

12時27分。5合目通過。徐々に傾斜が緩やかに。

12時51分。4合目通過。段々、暑くなってくる。

13時5分。3合目通過。

13時33分。1合目通過。

14時5分。馬返しキャンプ場登山口到着。
早速、登山口にある鬼又清水を飲む。美味いが八合目の御成清水には及ばず。


顔を洗い、サッパリしたところでゆっくり駐車場に向かう。

さあ、このあとは八幡平だ(笑)。

馬返しキャンプ場から見た岩手山御鉢付近

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この山は以前から憧れていた山です。盛岡近辺を通る度についつい探してしまう魅力的な山です。
そして今回、ようやく登る機会を得ました。

何となくですが、岩手山は浅間山に似ています。当たり前と言えば当たり前なのですが・・・・。ただあの山よりも自分が登った滝沢コースはバリエーションには富んでいると思います。

特に旧道の稜線上から見える景色は素晴らしいです。ここは北海道?と勘違いしてしまいそうな雄大で青々とした牧草地帯を見渡すことが出来ます。疲れた身体を上へ上へと押し上げてくれる。そんな力をこの絶景が与えてくれるような気がします。

今回、同行者の膝の調子が思わしくなく一時はどうなるかと思いました。特に5合目あたりは本当にピンチでした。
それでも無事に山頂まで登り、そして下山することが出来ました。月並みかもしれませんが、本当にありがたいことです。

また、御鉢に到着した直後に山頂全体がガスってしまいました。まるで計られたかのようでした。
これは岩手山のメッセージとしていい方に勝手に解釈。また登らないといけません(笑)。

いつの日か八合目避難小屋で1泊して日本屈指の美味しい水を飲んで、ゆっくり登山してみたいものです。

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15.6.14
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