鳳 凰 山

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今年の登山シーズンもあとわずか。南アルプス入門の山と言われている鳳凰三山に登ってきました。入門ということなので少々甘く見ていましたがどこが入門なのでしょうか(笑)。急登が続き、登り堪えのある山でした。
前日、予想以上に仕事が終わらず、ほとんど不眠状態での登山となりました。

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自宅をAM2時過ぎに出発。この時間にもちろん渋滞などはない。順調に進み、中央道の須玉ICを下り国道20号を南下。そして青木鉱泉への案内標識を右へ。
他の方のHPなどでは青木鉱泉までの道は悪路で大変と書かれているものを目にするが、実際はそうでもない。本当に悪路と思ったのは青木鉱泉手前数百mのみ。あとはどこにでもよくある登山口までの道。

青木鉱泉にはAM4時半頃には到着。周りは真っ暗。夜が明けるまで睡眠。

AM5時頃に起きる。朝ごはんを食べて駐車場上(青木鉱泉玄関前)にあるトイレを拝借し出発。
※青木鉱泉の駐車場は有料。1日/750円。我々は下山後に青木鉱泉の受付で支払った。



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一日目
青木鉱泉 5:59→白糸滝 8:46→五色滝 9:21→鳳凰小屋 10:10〜30→地蔵岳 11:18〜43→観音岳 13:11〜29→薬師岳 13:55→薬師岳小屋 14:02
登り行動時間(休憩時間含む) 8時間03分

二日目
薬師岳小屋 6:44→御座石 7:33→中道終点(林道) 9:10→青木鉱泉 9:42
下り行動時間(休憩時間含む) 2時間58分

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今回の登山はドンドコ沢コース→地蔵岳→観音岳→薬師岳→薬師岳小屋(宿泊)→中道経由で青木鉱泉へ下山。

<一日目>
5時59分 青木鉱泉出発。
空はピーカンの様子。でも天気は下り坂。いつまで持つことか。

最初は遊歩道に近い道。歩きやすい。するとすぐに川沿いに出る。正面に見える山が朝日にあたり赤く色付いている。
砂防ダムの堤防横の道を過ぎ、川を渡渉すると本格的な山道へと変化する。

青木鉱泉出発(5:59)


砂防ダム通過(6:14)


歩きやすいが、つづら折りの急登。10月というのに汗が額から垂れてくる。

つづら折りが終わってもここからは基本、ずっと登り。危険な個所はないが樹林帯を進むため眺望はあまり期待できず。ただひたすら登る。

急登を進む(6:41)


(6:59)


(7:20)


(7:38)


(7:55)


このコース。滝を見ながらの登りが売りであるが、それらの滝を見るためには登山道を一旦、外れる必要もあり。
この日はまだ先は長いために体力温存。残念ながら登山道から見えない滝はパスすることに。
また次回かな。

白糸滝(8:46)

いやぁ。なかなかこの急登は堪えます(笑)。
なんだか笠新道よりキツいんじゃ?って思えてしまう。
とにかくこの道は体力温存でゆっくり登るのが得策かと思われる。登りって急いでもゆっくり小股で登っても、それほどタイムに大きな影響はないと思われる。ならば体力を使わないゆっくり小股の方がよいと。


(8:53)


(9:00)


(9:29)

珍しく一旦、下るのかなと思っていると目の前が一気に開ける。
すると正面にはチューリップの花のようなオベリスクが。人はよく「鳥のくちばし」と言うが自分は「チューリップの花」に見える。

ようやくオベリスクが見えた(9:54)

ここからはあまり傾斜のない河原っ縁のような道を先へ先へと進む。


(10:00)


(10:01)

しばらくすると右手前方に茶色い小屋が現れる。
10時10分。鳳凰小屋到着。
ここの従業員のお姉ちゃんとご主人があいさつしてくれた。またここのご主人。なんだかとっても優しそうだった。いつか泊まって名物カレーを食べてみたい。

この小屋のテーブルを借りて昼飯タイム。
また喉も渇いていたのでこの小屋に引かれている沢水をいただいた。ここより先は水場がないため貴重な存在である。しかも美味しい水。
ちなみにトイレは使用料200円。一応、バイオのようだが、少し臭った(笑)。

           鳳凰小屋                          鳳凰小屋水場

10時30分。鳳凰小屋出発。
ここは鳳凰三山最高峰の観音岳への近道と地蔵ヶ岳(オベリスク)への道との分岐点でもあるが我々はもちろんオベリスクへ向かう。

最初は相変わらず樹林帯かぁと思っていたが、しばらくすると砂地へ変わり周りの木々もなくなってくる。すると正面上部にはオベリスクが。
この砂地。歩きやすくはないが、斜面をキックせずにソッと足を置くようにして進むといいかも。

(10:33)


(10:50)

ここからはただひたすらにオベリスクを目指して登る。はっきり言ってかなりの急登。標高も高いせいもあってか息が切れる。

近そうでも遠いオベリスク(10:55)


かなり近づいたオベリスク(10:58)


息が切れるよ〜(11:02)


下を見ると急登なのがわかる(11:05)


オベリスクの門(勝手に命名)通過 (11:05)


あと少し(11:15)


11時18分。鳳凰三山一座目。地蔵ヶ岳到着。標高2,764m。

(11:18)

もちろんオベリスクてっぺんには登らない(笑)。登るためにはそれなりの装備と技術が必要と思われる。
実はちょうどオベリスクの左側を巻くように進むと絶景ポイントがある。甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳。そして遠くには槍穂も。
ここでしばらく休憩を取る。いやぁ。素晴らしい。

絶景ポイントから見た仙丈ケ岳〜アサヨ峰〜甲斐駒


絶景ポイントから見たオベリスクの先っぽ


絶景ポイントから見た槍穂


しばらく佇み、移動開始。
まずはお決まりの地蔵ヶ岳標識まで下り写真撮影。名の通り、この付近にはお地蔵さんがたくさん。なぜなのかはあまりにも有名な話なので割愛します。

鞍部付近から見たオベリスク


お地蔵さん達とオベリスク


お地蔵さん達と甲斐駒


お決まりの標識とオベリスク

さぁ、ここからは鳳凰三山最高峰の観音岳へ向けての登り・下り・登り。

オベリスクを振り返る(11:51)


右手には北岳と間ノ岳(11:53)


後ろを振り返ると針のような岩々が(11:54)

実は一旦、登ったあとの下りが意外と難儀。大きな岩があり、足場がなかなか見つからない箇所もあり。ゆっくり進んだ方が無難。

観音岳へ向けて下って登る(11:58)


オットセイのような面白い岩と北岳〜間ノ岳(12:06)


振り返ると針のような岩群(12:10)


観音岳まではまだあるなぁ(12:10)


振り返るとオベリスク 随分と下ったなぁ(12:13)


鞍部への下り(12:36)

鞍部に着くと鳳凰小屋から観音岳への近道と合流。

鳳凰小屋からの道との合流点(12:39)

ここから観音岳山頂まではずっと登り。
しかし右手に白峰三山を見ながらの登りはキツさよりも楽しさの方が勝っている。
また、来た道を振り返るとオベリスクのまた違った姿。そしてその奥には八ヶ岳がポッカリ浮かんでいるかのように見える。素晴らしいです。この道。

振り返ると八ヶ岳とオベリスク(12:40)


こんな登りもあります(12:41)




観音岳山頂へ向けて(12:49)

ここまでは順調に歩いていた同行者にもやや疲れが見え始めてきた。なので「牛歩時々休憩」でゆっくり進む。
しかし、そのゆっくりのおかげで絶景を堪能することが出来た。

観音岳山頂へ向けて(12:56)


観音岳山頂へ向けて(13:00)

13時11分。観音岳山頂到着。標高2,840m。
ここからの景色は圧巻。360度の大パノラマ。
白峰三山〜これから向かう薬師岳〜富士山〜茅ヶ岳〜八ヶ岳〜甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳と。スゴすぎる!
まだ薬師岳小屋に行くには時間があるため、しばらく山頂でゆっくりする。

観音岳山頂標識と薬師岳。そして富士山


観音岳山頂から見た薬師岳と富士山


観音岳山頂から見た八ヶ岳


観音岳山頂から見た甲斐駒とオベリスク


観音岳山頂から見た白峰三山

※観音岳山頂からの画像は本当の山頂(最も高いところ)から撮影

13時29分。観音岳山頂出発。
あとは基本的に下り。

観音岳山頂出発(13:29)

右手には相変わらず白峰三山を見ながら。
そして正面には青い富士山を見ながら。
白砂の道をのんびり行く。
この時間はまさに至福のひととき。標高2,700mの稜線漫歩。
とにかくスゴいんです!

(13:36)


右手には白峰三山(13:37)


13時55分。薬師岳山頂到着。標高2,780m。これで鳳凰三山全ての山頂に到達。

薬師岳山頂到着(13:55)

この薬師岳山頂は標識付近ではなく左側にある岩群らしい。
それから曇天であるからだろうか。意外と寒い。風が当たると手が悴んでくる。

本当の薬師岳山頂と思われる岩群

早く小屋に行って温まるか。
この山頂標識から薬師岳小屋までは5分くらい下る。

鞍部の青い屋根が薬師岳小屋

14時02分。薬師岳小屋到着。この小屋は完全予約制のため、ゆったり眠れるかと思いきや一つの布団に二人で寝てくださいとのこと。え〜っ。聞いてないよ(笑)。
最終的には三人で二つの布団になったけど。

薬師岳小屋到着(14:02)

ここのご主人はまだ若い。メディアでも取り上げられているため有名な方だけど偉そうなところは全くなく、話好きの山男。
言葉の節々に皆さんの安全を考えての発言だということが感じ取れる。
特に高齢の方は無理しがちだから。

この小屋にはテレビもない。水場もない。荷物置き場はあってもストーブをガンガン焚くような乾燥室もない(ハンガーに掛けて自然乾燥)。
しかし居心地は決して悪くない。





またトイレは外にあり、しかもバイオトイレ。
二人で切り盛りされているようだが、上手く回している。

夕食は5時半から。朝食は6時から。
また夕食後は食堂兼談話室でご主人と消灯までお話しすることもOK。もちろんお酒を飲みながら(生ビールはないが缶ビール、日本酒、いいちこなどがあった)。

               夕食                         夕食(分け合って食べる)


               朝食


<二日目>

朝、起きると外は雨風。天気予報はバッチリ当たった。

朝食後、雨具をバッチリ着てザックカバーを装着。
最後はご主人にあいさつ。
「今度は晴れた日にぜひ」との会話で別れた。

6時44分。雨の中、薬師岳小屋を出発。一旦、薬師岳山頂まで登るがやはりこの天気では白峰三山は全く見えない。



風も冷たく雨も止む気配がないので、そのまま中道を下る。

中道を下る(6:52)

この道。最初はなかなかの急坂。しかし、誰が整備されているのか。気の根っこで滑りやすい箇所はあるものの歩きやすい。

しかし、樹林帯でしかも雨。こりゃ苦行でしかない(笑)。
転ばないことだけを考えて下る。

(7:11)


御座石通過(7:33)

次第に道は傾斜が緩くなり、やがて笹原ロード?になる。しかし、よく整備されている。本当にありがたい。

(8:08)

最後はまたまた急坂のつづら折り道になるが、凸凹はなく本当に歩きやすい。

(8:54)

椹島〜赤石小屋間の大倉尾根に似た道だなぁ。でもあそこよりもっと歩きやすい。

9時10分。下山完了。無事に林道に到着。あとは林道を青木鉱泉へ進むのみ。
この林道。意外と長い。

意外と長い林道(9:14)

9時42分。青木鉱泉到着。
早速、未払いだった駐車料金2日分(1,500円)を払い、本日の宿泊先である常宿の増富温泉不老閣へと向かった。

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天候を考えて晴れ予報の一日目に稜線歩き。雨予報の二日目は下山のみにしました。
その甲斐あってか、楽しい山旅をすることが出来ました。
特に地蔵ヶ岳〜薬師岳の稜線は圧巻です。正面に見える北岳〜間ノ岳の稜線も素晴らしいですが、こちらも負けていません。

また今回も無事に登ることが出来て、そしてたくさんの絶景を拝むことが出来ました。月並みですが本当にありがたいことです。

次回は晴天を狙って今回歩いたコースを日帰りで歩きたいと思います。

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15.10.10〜11
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