平 ヶ 岳(中ノ岐コース)

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三週連続の登山。
今週は楽ちん登山をと考えて平ヶ岳に登りました。一般的には「鷹の巣コース」からかなりの長い距離を歩く日帰り登山難関コースを進むのでしょうが、我々は麓の銀山平の宿に宿泊しないと歩けない「中ノ岐コース」を登りました。

7月に奥只見山荘を予約。すでに普通の個室は満室とのことでログハウスになってしまうとのこと。でもトイレはログハウス内にあるし、山小屋に比べたら天国のような場所。
この山荘の平ヶ岳登山コースは一泊二食(朝食は弁当)で中ノ岐コースの登山口まで送迎あり。

またお風呂は本館にあり一応、温泉。塩素投入の循環とのことであるが露天風呂に関してはそれらがあまり感じなかった。掛け流し併用では?無色透明の単純泉。下山後には気持ち良く入らせていただいた。

この奥只見山荘で一番感激したのは料理。かなり美味い。普通に観光で宿泊するだけでも充分にOKだと思う。

このお宿はかなりお気に入りです。人におすすめできるし越後駒ヶ岳登山の際にはまた泊まりたいと思います。

     奥只見山荘(手前ログハウスが宿泊した棟)               宿泊した部屋


           奥只見山荘内湯                        奥只見山荘露天風呂

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3:50 奥只見山荘出発(マイクロバス)→5:15頃 中ノ岐コース登山口到着

5:34 中ノ岐コース登山口(標高1,250m)出発→6:44 急登終了あと一時間標識→7:23 たまご石との分岐点(標高2,050m)→8:05 平ヶ岳山頂標識(標高2,139m)到着→8:11〜8:38 標高最高地点(標高2,141m)到着→9:33〜9:53たまご石→11:28 中ノ岐コース登山口

合計時間 5時間54分(休憩・食事等の時間含む)

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3:50 奥只見山荘のマイクロバスは出発。

予定通り。外は真っ暗でたくさんの星がきれいに輝いていた。
国道352号線を尾瀬方面に進み、奥只見湖に架かる赤い橋の手前を渡らずに林道方面に進む。我々のバスの前にはすでに二台、伝之助小屋のバスが先に行っているようだった。ゲートで鍵を開け、そして閉めていく。先日の幌尻岳振内コースと同じだなぁ。

ここからの道が意外と大変。ほとんどがダート道。しかし、我々の乗っているバスの運転手である奥只見山荘ご主人の運転はとっても丁寧でバス酔いしづらかった。性格が運転に現れているようで優しい運転。車に弱い同行者も全く酔わなかった。ありがたい限りです。

そんなことで5時15分くらいに中ノ岐コース登山口到着。実際は国道30分、林道60分といった具合でしょうか。
すでに登山口には銀山平の他の宿のバスが数台、止まっていた。まずはトイレ。ここには簡易トイレが三台。置かれている。これは大変ありがたいこと。平ヶ岳にはトイレがひとつもないため、この存在は大きい。

早朝の中ノ岐コース登山口 トイレ待ちの行列と沢山のバス(5:23)

5:34 中ノ岐コース登山口出発。
最初は河原の岩ゴロゴロ道。すぐに丈夫な梯子が架かる急流を渡渉。そこからはいきなり急登。前日に奥只見山荘のご主人から「最初から二時間はずっと急登です」と聞いていたが、その通りだ。

樹林帯で下は土+木の根っ子の滑りやすい道を登る。でも実際に取り付いてみると想像していたより登りやすく、同行者もペースが上がるわけではないが落ちもしない。


丈夫な橋を渡る(5:39)


いきなり急登(5:41)


大木群を通過(6:13)


急登は続くが段々と景色がよくなってくる(6:32)


これを登り切ると森林限界まであと少し(7:07)


背中には越後駒ヶ岳が(7:16)

後ろを振り返ると越後駒ヶ岳が存在感たっぷりに姿を現してくれる。すると、徐々に木々の高さが低くなり傾斜が緩やかに。そのまま進むと木道が出てくる。
これで急登も終わり。楽園道を歩くことになるはず。

結局、急登は7:22に通過。

ようやく木道に出る(7:22)

あとは多少のアップダウンはあるもののとっても気持ちのいい極楽道。

すでに赤や黄色に紅葉し始めている木々もありとってもきれい。おまけに空はピ〜カン。

たまご石は帰りに寄ることにして先を急ぐ。右手にはどっしりとしたまあるい平ヶ岳の山容が。また、所々にある小さな池塘が美しい。
実は姫池を目指したのであるが、知らぬ間に山頂方面へと向かってしまっていたのであった。今、思うと残念ではあるが・・・・。

極楽のような道(7:30)


極楽のような道(7:31)


極楽のような道(7:35)

平ヶ岳山頂へは一旦、下りそして再び登る。この登りも若干、ハアハアする箇所もあるが、それも少しだけ我慢すれば終わる。
このあたりはきれいな木道、階段で整備されており、ちょっとビックリ。

正面の山が平ヶ岳(7:43)

とにかくこのあたりの景色は楽園みたい。腕をグイ〜っと天に向かって伸ばしたくなるような。そんな場所である。

色とりどりの木々の間を進む(7:45) 正面の山が平ヶ岳 あそこまで登る


平ヶ岳山頂標識までもう少し(8:00)

すると木道が平らになり右へも一本、分岐している。その分岐を進むとそこは平ヶ岳山頂標識。
標高2,139m。8:05到着。
なんだか有名人のお墓を見に来たような感覚。木道の行き止まりには木々に囲まれ、ポツンと山頂標識と三角点があるだけ。


三脚を使って写真撮影を済ませるとすぐに移動。

このあとは本当の山頂?平ヶ岳最高地点に向った。山頂標識から2〜3分くらい。

先の標識群が最高地点らしい

木道行き止まりが平ヶ岳最高地点。標高2,141m。ここに山頂標識を建てればいいのに。

この行き止まりが平ヶ岳最高地点らしい(8:11)

実はここからの景色が素晴らしかったのであった。まずは雲海。そしてその奥に小さくてはあるが姿を現したのが富士山そして北アルプス。そのまま左に視線をやるとなかなか荒々しい武尊山〜皇海山〜日光白根山〜男体山。逆に北側に目をやると池塘の向こうに越後駒ヶ岳。
だ〜れもいないから、ここで残りの朝ごはん。ちょうどテント一張り分くらいのスペースがあって。ここで食べるごはんは美味いね〜。贅沢だね〜コンビニおにぎりより一回り大きなやつ二つとお新香と鮎の甘露煮。

最高地点から見る
雲海と武尊山、そしてよ〜く目を凝らして見ると富士山や北アルプスが


アップすると武尊山の稜線の向こうに富士山が


最高地点から見る武尊山〜皇海山など


最高地点から見る奥白根山など


最高地点から見る池塘と越後駒ヶ岳

しばらくの間、ホッとするような温かさをもった、まるで楽園のような場所を同行者とふたりで独占させてもらえたのであった。

ごはんも終わり、一息ついたころ、続々と他のハイカーさんがやってきた。なので我々はたまご石へ。

下りの木道も気持ちがいい。景色を見ながら歩けるから。茶色や黄色や赤に染まった丸い山々って何故だかほのぼのとさせてくれる。
ゆっくりゆっくりと歩く。もったいないから決してハアハアさせずに。

山頂から下山する(8:46)


山頂から下山する(9:00)


山頂から下山する途中の池塘と山々(9:11)


山頂から下山する たまご石ももう少し(9:21)

でもあっという間にたまご石に着いてしまった。9:33。

バス出発時間を考えるともっとゆっくりして行こう。
そこでたまご石でしばらく休憩。
この奇怪な石の向こうにある池塘群がなんとも美しい。
水分補給しながらゆっくりまったりする。

不思議なたまご石


日帰り登山でこんなにゆっくりするのも久しぶり。

しばらくするとまたまた次から次へとハイカーさんがやってくる。
ゆっくり下山することにするか。

ってことで9:53 たまご石出発。

急登の反対は急坂。膝を痛めないようにゆっくりゆっくり下りる。

他の登山道よりはかなり整備されているように思え、足を取られる箇所も少なかったように思えた。

ゆっくりと言っても知らぬ間にぐんぐん下っていたようで11:24には登山口手前の渡渉箇所に着いてしまった。
実はここにある水場が最高。
ドバドバと水が流れており、ペットボトルに汲んで飲んでみたが、冷たくてかなり美味い。
ここの存在を知っていればわざわざ水を買って持ち込む必要はなかったって思った。

登山口近くの水場

そして11:28 中ノ岐コース登山口到着。

中ノ岐コース登山口到着(11:28)


登山口から見た平ヶ岳山頂へ向かう急登方面

やっぱりもう少し、ゆっくりしてくればよかったかなぁ。出発時刻の12:30まで一時間も余ってしまった。

下山後は早く下山した人たちだけに天然イワナの味噌汁が振る舞われた。これは銀山平の宿の方々が登山客を送った後、暇なのですぐ横の川で釣りをして釣れたイワナをぶつ切りにして味噌汁にぶちこんだのであった。
味噌汁自体にイワナの味はあまりしなかったが非常に珍しいものでいい体験が出来た。

それからは早く下山した方々と山談義。

すると最後の下山者が到着しほぼ予定通りの12時30分少し過ぎ(笑)に登山口を出発。
行きとは違い、景色を見ながらの林道はガタガタ道でも楽しい。途中、林道が終わる少し手前で10分間の休憩。
ここは一枚岩でなる渓谷。白く輝いていて光石のよう。奥只見山荘のご主人も自信を持って紹介して下さったようだ。また、この場所は深田久弥が平ヶ岳登山の際にこの沢から入り、姫ノ池まで登ったとのことであった。

深田久弥はこの沢から平ヶ岳に入った沢らしい

そして14時過ぎに奥只見山荘に到着。浦佐行のバスまで三時間近くあるため、奥只見山荘の露天風呂に入ったり、お蕎麦を食べたり銀山平をゆっくりのんびり散歩したりと時間を気にしないひとときを過ごした。

そして17時10分。ご主人の運転するバスで銀山平バス停まで送っていただき、浦佐駅から帰路についたてのであった。

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たまに他の方のHPで中ノ岐コースは邪道だとか書かれているのを目にします。邪道だと思いたければ勝手にそう思えばいいと思います(笑)。ただ、この一言が銀山平で宿を営む方々皆さまにひょっとすると迷惑をかけているかもしれないということだけは覚えておいていただきたいです。

奥只見山荘さん始め、銀山平で宿を営む皆さまのおかげで少なくとも私はいい思いをさせていただきました(*^^)v
中ノ岐コースは登山道だけでなく林道から見える渓谷美も素晴らしい。これを見ないなんてハッキリ言ってもったいないです。

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今回はまたまた天気に恵まれて、素晴らしい山旅となりました。越後の山々名物?の池塘もきれいですし、温かくてほのぼのした気持ちになって帰ってきました。

また、自然環境を考えて木道を強化されているようですし、登山口には可動式のトイレも置かれています(登山道には一切トイレはありません)。
それから一番、ありがたいこと。それは天候や豪雨によって林道は危険にさらされますが、点検を怠らず、危険な場合には宿泊予約の入っているお客さんに登山お断りの電話を掛けているとのこと。
中にはそんなことは当たり前という方も出てきそうですが、家族経営に近い状態の宿でこれをやるのは大変なことだと私は思いますし、それに加えて直前キャンセルとなると痛手も相当だと思います。
それでも登山者の安全を第一に考えている。大変ありがたいことだと私は思います。


また銀山平という場所もかなりお気に入りです。場が良いとでも表現すればいいのでしょうか。銀山平一帯はきれいに整備はされていますが何にもありません(笑)。売店、コンビニは当然ながらナシ。

そうはいっても夜に見た星のスゴさ。星がでっかくて落ちてくるかと思うくらいでした。また天の川もきれいにはっきりと見えました。ここに住んでいる方々はプラネタリウムに行く必要はないかもしれないですね。

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13.9.29

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