越後駒ヶ岳

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9月の週末。登山の季節もあとわずか。天気予報をみて「晴れ」の文字が出ていれば行くしかありません。
今回は越後の名峰「越後駒ヶ岳」に行ってきました。

色々な本や地図ではコースタイムが長く、往復10時間を超えるものも多々あり。
しかし昨年、百名山完登をした大先輩と先日飲んだ際に「あの山は楽だよ。お前の体力ならば心配することはないよ。」と言って下さっていました。

その言葉を信じて日帰りの計画での登山としました。
確かに自分の体力だけならば全く問題ないですが・・・・・(笑)

最悪は駒の小屋さんにお世話になればいい。その気持ちも少しは持ちながらのスタートとなりました。

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枝折峠 5:31→明神峠 6:03→小倉山 7:23→百草の池 7:56→駒の小屋 8:54〜9:01→越後駒ヶ岳山頂 9:19〜9:52→駒の小屋 10:06〜10:16→百草の池 10:56→小倉山 11:22→明神峠 12:40→枝折峠 13:04


登り時間(休憩時間を含む) 3時間48分
下り時間(休憩時間を含む) 3時間12分

総合計時間(休憩時間を含む) 7時間33分


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登山口の枝折峠には午前3時過ぎに到着。
すでにたくさんの車が止まっていたが、数少ない空きスペースに無事、駐車することが出来た。

この枝折峠には水洗トイレ完備。道は狭いが舗装道路。駐車場もきれいに舗装されており、ビックリ。

仮眠・朝食・着替の後、ほぼ予定通り5:31に枝折峠登山口出発。

左手にはすでにあの有名な雲海が見える。ちょうど夜明け前。奥只見ダム〜銀山平あたりが雲で包まれる。その雲たちが低い稜線を伝って流れていくのである。見ての通り、滝雲と呼ばれているらしい。
これはスゴい!素晴らしい!美しい!
この滝雲を撮るために何人もの方が高そうな(笑)カメラを持参して、この絶景を撮っていた。

雲海(5:43)


登山道から見た駒ヶ岳(5:53) でっかい山です

最初から絶景に出会ってしまい、なかなか前に進めない。

ちょうど正面の山の稜線から出てきた朝陽が雲海に反射して、これまたスゴい場を創っている。
なんとも優しい温かい光景。
これがそれほど有名にならないのが不思議なくらい。
大絶景です!

朝陽にあたる雲海(5:53)


6:00枝折大明神通過。
拝殿のような建物があるが閉まっている。ここから少しだけ急登を進むと明神峠というピーク。

              枝折大明神                          急登を進む

目の前には目指す越後駒ヶ岳の山容が姿を現す。朝陽に当たって赤く染まる山肌がきれい。山頂近くは紅葉で色が変化しているよう。
それにしてもデカイ山だよなぁ。


朝陽にあた雲海(6:07)

ここから小倉山までは多少のアップダウンはあるものの、標高差のない緩やかな道。また木道も整備されており安全でかつ歩きやすい。
左手には荒沢岳。正面には越後駒ヶ岳を見ながらの歩行は飽きることがない。山頂に近い箇所はやはり紅葉が少し進んでいるようで、その様子が段々と鮮明に見えてくる。


樹林帯を進む(6:16)


またまた雲海(6:23)


駒ヶ岳と中ノ岳を見ながら木道を進む(6:28)

道行山は山頂を通ることはない。標識をみて「ここが道行山ね」と気づく。6:49に通過。

しかし、ここの道は楽しい。ハイキングだなぁ。


駒ヶ岳を見ながら進む(6:54)


7:23 小倉山通過。
ここで休憩しようと考えていたが、団体さんがいたので通過。
それから団体さんの方に言いたい。「道標」の上にリュックサックを置くのは絶対に止めましょう!。
団体さんだといつもガイドさんに連れられて山に入るから、この行為が何を意味するか?きっとわからないのだろうなぁ。道標を隠してしまっている・・・・・。ちょっと考えればかなりやばいことをしていると気づくはずだけど。


この小倉山を過ぎると越後駒ヶ岳がかなり近くなったような気がする。しばらくはまだまだ平坦な道。歩きやすい木道、階段を進む。

駒ヶ岳を見ながら進む(7:45)

「百草の池」の標識を過ぎたあたりから登りはやがて急になってくる。

岩場というほどの箇所ではないが若干、手を使った方が安全と思える箇所も。
しかし、この急登。途中、立ち止まり周囲を見渡すと絶景を拝むことが出来る。
すでに紅葉が始まった越後駒ヶ岳の上部〜中ノ岳〜平が岳〜荒沢岳〜奥只見ダムなどなど。
本当に気持ちがいい。
急登で息がハアハアしたら無理をせずに絶景を眺めるのがいいと思う。

稜線から中ノ岳方面を見る(8:34)


紅葉がきれいな駒ヶ岳(8:35)


ちょっとした岩場も・・・・大したことはなし(8:39)


こんなところも登ります でも大したことはなし(8:46)

急登を進み、金属製の柱が見えてくる。これは駒の小屋の目印である(笑)。

8:54駒の小屋到着。
管理人さんに断って中を見させていただいたがきれいにされている。


トイレはチップ制。100円程度を払い使用。なかなかきれいにされていた。
水は小屋上の雪渓がすでになくなっているためにここから数分下ったところに汲みに行くしかないよう。

さあ、ここからはあと少し。気持ちのいい黄色い稜線をゆっくりと登る。なかなかの急登ではあるが山頂を肉眼で捕らえることも出来るため我慢が出来る。

右手のピークが山頂(9:02)

山頂への尾根に出た時にはあの八海山が左手にどっか〜んと見えてくる。思わずハッとした。存在感あるんですよ。この山。ギザギザした稜線が荒々しくっていかにも霊山といった雰囲気。

中ノ岳分岐から駒ヶ岳山頂を見る(9:15)


この尾根をゆっくりと進み、最後に緩やかな傾斜を登るとそこが越後駒ヶ岳山頂。9:19到着。標高2003m。

山頂標識と三角点 後ろに見えるは八海山

久しぶりの山頂からの絶景!360℃の大パノラマ。八海山と魚沼の街。そしてきれいに区切られた田圃群〜中ノ岳〜平が岳〜荒沢岳〜奥只見と。越後の奥深い景色が手に取るように見渡すことが出来る。

駒ヶ岳山頂から見た魚沼市街


駒ヶ岳山頂から見た八海山


駒ヶ岳山頂から見た登って来た道&中ノ岳方面

やっぱり晴れっていいねぇ。

ここでご飯タイム。コンビニおにぎりと同行者が大好きな、いそべもち。それからサーモスに入れてきたお湯で作ったココア。美味い!

団体さんが到着するまでの間、久しぶりの山頂からの絶景に心は弾んだ。


9:52。団体さんが山頂に着いたのを見計らって下山開始。
下山はまたまた絶景を見ながらの歩行。

駒の小屋へ向かって下山(9:56)

駒の小屋で再度トイレを借りて、間近に見ることの出来る山頂付近を見納めた。

下りは軽快。でもこの日は天気が良すぎて暑い。標高が下がるに連れて汗は出るし水は予想以上に飲むし。

駒の小屋出発直後の急坂とこれから進む下山道(10:23)


下山道から見た中ノ岳方面(10:33)


下山道から見た下界 真ん中の小さな○は百草の池(10:41)


何故だか登りよりもずっとずっと長く感じた。

13:04 枝折峠登山口到着。
リュックには1リットルの水しか残っていなかった。自分としては珍しい。予想以上に汗を掻いたようだ。もう少し余らせるのが基本なのに。

枝折峠到着(13:04)

枝折峠には朝に増して車の台数が増えていた。自分たちが出発したあとにも次々とハイカーが訪れたのだろう。

帰りはお馴染みの銀山平にある白銀の湯に寄ってゆっくり。いつもは注がれている源泉浴槽に源泉が注がれていなかったのが納得いかない。あのぬるめの源泉に浸かりたかったのに。

帰路は渋滞に巻き込まれながらも無事に自宅に到着。

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まずはコースタイムについて。どの本や地図を見ても納得出来ない。同行者のペースで登りは4時間を切っており、下りも決して急いではおらずそれでも3時間とちょっと。
ちなみに同行者はもう40代で学生時代は特に運動もしていないんです(笑)。

多く見積っても登りは4.5時間、下りは4時間でいいのではないかなぁ。
これほど甘いコースタイムは他の山では感じたことがない。

この越後駒ヶ岳自体は整備もしっかりとされており危険な箇所はないと言って良いと思います。
しかも登山途中や山頂から見る景色は素晴らしく好きな山のひとつになりました。
見ても素晴らしく登っても素晴らしい。

今回は時間の都合上、叶いませんでしたが大好きな源泉100%「鬼」掛け流しの駒の湯山荘に連泊して山頂にアタックしてみたい。
百名山完登したらぜひやってみたいです。

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先日、御嶽山が噴火。多くの被害者が出た模様です。
この山は自分が百名山完登を目指そうと思うきっかけを作った想い出の山です。

今はひとりでも多くの方が助かること、また一刻も早く家族の元へ帰ることを心から願っています。


今回の災害を一言でいうと他人事ではない出来事です。
被害に遭われた方の中には以前、自分と山で出逢ってお話した方もいらっしゃるかもしれません。確率的には低くないような気もしてます。

毎日の報道を見ていても、ただ心配するばかりで何も出来ない自分にもどかしさを感じたりもします。

いま自分がこうして生きているのも単なる偶然かもしれないって思います。もしかすると山仲間に誘われて、または友人の誰かに紅葉のきれいな登りやすいおすすめの山に連れてってと言われて、あの日あの時間に御嶽山頂に立っていたかもしれません。実際に今まで何人に御嶽山をすすめたことか・・・・。本当に紙一重です。

だからいま生きているということが本当にありがたく思っています。


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14.9.28
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