東鳴子温泉 馬場温泉 「馬場乃湯壱號」


馬場温泉といっても今回は馬場温泉旅館ではなく、ここの敷地内にある小さな小屋(温泉)である。この温泉は大々的に宣伝しているわけではなく、そもそも地元の方々のために作った温泉らしい。なので受付というものもない。早速、母屋の門をたたく。御免くださ〜いと言ってもだれも出てこない。昼飯時だからだれもいないのかなぁと思っていると奥からご主人らしき方が出てこられた。「ここのお湯に入りたくて伺ったのですが入浴させていただいてもよろしいですか?」と言うとこのご主人、ニコッとされて「いいよ。ここのお湯は大体44度くらいあるから熱いと思うけど慣れてくれば大丈夫だよ。」との返答。二人分600円を払い、扉の札を入浴中にセットして中へ。

まだこの小屋を建ててそれほど経っていないのか木の香りがする。非常に風情のある建物である。早速、掛け湯をするがメチャメチャ熱い。昔、日テレで放映していた熱湯コマーシャルを思い出した。さっき44度くらいと聞いていたがそれよりも熱いのではないか?とりあえず湯船に入ろうとするが腰まで浸かって断念。しかし諦めきれない。掛け湯を何度も何度もする。そして結局、肩まで浸かることが出来た。この温泉。とにかくスゴイ!入った瞬間から身体はアワアワ。しかも泡が細かい。手で泡を掃うと湯面に浮いてきた泡がバチバチと音をたてる。よ〜く湯面を見てみると泡が炭酸水のようにバチバチと音をたてながら出ている。なんじゃこりゃ〜。こんな温泉初めてだ!お湯の色は黒い。コーラ色とでも表現しようか?源泉口からはドバドバとお湯が注がれている。お湯の匂いはモール臭が強い。以前、東鳴子温泉旅館大沼に宿泊したが、そこの匂いと同じ。この匂いを嗅ぐと東鳴子を思い出しそうである。お湯を舐めてみると少しの鉄味と生臭い匂いがする。この生臭さが何なのかはわからないが生臭いのである。しかし決していやな匂いではなく語彙が少ないためこれしか表現しようがない(泣)。またところどころに白い湯の花も浮かんでた。

入浴時間の30分間。肩まで浸かっては身体を冷まし、冷えたらまた浸かる。これを計4回繰り返す。最初は1分も浸かれば皮膚が熱くなる感覚があったが、慣れてくると2〜3分は浸かれてきた。クセになりそうなお湯である(もうクセになってしまった)。最初は30分もあれば十分かと思ったが上がるときには時間が足りないって思ってしまった。

洋服を着て小屋を出る。先程、ご主人にこの小屋の横にある小さな池の横に飲水できる水があるから飲んでみてと言われていたので一杯頂いた。これは間違いなく鉱水だ!釈迦の霊泉の飲み心地で覚える「喉に引っかかる感覚」がある。身体に効きそう〜。

最後にお礼を言おうとすると奥からご主人が出て来られた。埼玉から来た旨を言うと「なぜだか埼玉の人は結構多いんだよね」との言っていた。その他にも色々を話をさせていただいたが「ここには源泉が3本あるから見せてあげるよ」と言われて案内をしていただいた。この母屋の横に二つ(一号源泉と三号源泉)。母屋裏の杉の木ところに一つ(二号源泉)あるとのこと。一号源泉はさっき入った温泉に使用されており、二号源泉は馬場温泉旅館に。三号源泉は捨てているとのこと(笑)。なんて贅沢な。最後に「またおいで」と言って下さった。本当に気さくなご主人であった。やっぱり「いい温泉=いい人」の公式は当てはまるようだ。

07.5.26(立ち寄り)

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