宮城県 青根温泉 不忘閣
年末年始は料金は高いし混むし・・・・。ってことなので年明けの連休を狙っての温泉です。今年も昨年同様、宮城県にしました。秘湯を守る会スタンプ10個目の温泉宿は何処にしようかと考えた結果、蔵王山麓にある青根温泉の不忘閣にしました。
失礼ながらそれほど期待をしていなかったのですが・・・・・。とんでもなく素晴らしい温泉宿でした。記念すべきスタンプ10個目にふさわしいところでした。伝統あり、料理よし、お湯よし。もっと早く訪れるべきだったなぁ〜。
今年も青春18きっぷ使用です。
大宮AM7:16発の快速に乗り、北上。宇都宮、黒磯、郡山、福島と乗り換えを繰り返し、PM0:33白石着。駅前は非常に寂れている。日曜日だからなのだろうか、それにしても数軒のお店が営業しているのみ。昼飯を食べようと駅周辺を歩いたが目ぼしいところが見つからず、結局は駅前にある「なかじま」というお店に入った。一応、名物のうーめんを食べさせる店のようだった。
自分は田舎うーめん。同行者は三種うーめんを注文。前者はごぼう、にんじんなどが入ったもの。ごま油と生姜が入っていた。正直、美味くない。完食するのもつらい(汗)。後者はくるみ、黒ゴマ、しょうゆだれに付けて食べる。これはまあまあの味。ちなみにうーめんとはそうめんを短く食べやすくしたもの。
   

PM1:33発のミヤコーバスで宮城蔵王ロイヤルホテルへ。約45分で到着。ここで不忘閣お迎えのワゴン車に乗り換え。ここから約10分で青根温泉不忘閣着。

着いた瞬間、タイムスリップしたような感覚があった。古〜い建物がドンと構えていて、異様な雰囲気だった。がフロントのある建物は木造の非常に綺麗な建物。

すぐに受付を済ませ、部屋へと案内される。受付からすぐのところに位置する「小松」という部屋。とっても綺麗で広々としている。窓から見える景色は中庭と木でほとんど隠れて見えない青根御殿。そしてかつては湯治部屋として使用されていた建物が見える。なかなかの雰囲気。
電話では少々、愛想のないと思われた女将さんも話してみると何とも素朴で親切な方。
ちなみにここでは鍵を二つ渡される。これってすごくありがたいんです。夫婦同時に男女別のお風呂に入る時、とっても便利なんです。さすがは不忘閣!
トイレはシャワートイレでしかも綺麗。木の香りが特徴的なとても過ごしやすい部屋です。





これからお風呂について書きたいと思います。貸切の蔵湯以外は男女別です。基本的にAM8:00とPM8:00で全てのお風呂の男女が入れ替わります。この制度。非常にわかりやすくて賛成です。これだと間違えなくて済みます。



<蔵湯浴司>
ここは唯一の貸切風呂。フロントに札が置いてあれば、空いている証。そしてそれを持ってゆく仕組み。特に予約の必要はない。
ちなみにここは明治初期から存在する土蔵の中を改造して造った浴室。

入口で草履に履き替え、内鍵をかけて蔵沿いを30mくらい歩いた一番奥に浴室がある。
重い鉄の扉を開けるとそこは別世界。
壁、浴槽、床(スノコ)、骨組み。全て木製。木の香りが心地よく、また品の良いライティングによって異空間を作り出している。


浴槽は6人は入れると思われる大きさ。お湯は無色透明無味無臭。でも少しだけ温泉臭がする。体感温度は42℃くらい。泉質も単純温泉。当たりが非常にやわらかい。

この異空間のような場所に浴槽があるなんて何だか不思議。ライティングも程よく、とってもいい気分。おそらくこの日、一番風呂であろうと思われるお湯は透き通るほど綺麗。


結局、この蔵湯には着いて早々と深夜の二回利用した。
ここは人気があるようで、なかなか空かないようだった。











<大湯>
木の扉を開けた瞬間から異空間に包まれる。びっくり驚きの素晴らしい浴室。風情があるという言葉でだけでは言い表せない。言葉を失うほどだった。

以前は青根温泉の共同浴場だったのを老朽化を機に改築。08年春に復活。
「大湯 金泉堂」に生まれ変わった。現在は共同浴場ではなく、元々所有権のあった不忘閣に返却されている。

この浴室に脱衣所はなく、脱衣籠が数個置いてあり、そこに衣服を置く。昔の共同浴場の雰囲気を持つ。浴槽はかなり大きく20人くらいは入れるだろう。

深夜にひとりで入ったここ大湯には感動した。土壁と木の柱と蔵王石で出来た浴槽のコラボがものすごく独特ないい雰囲気を出している。
ちなみに浴槽は伊達政宗が入った当時のものをそのまま保存し使用している。


お湯は蔵湯と同じと思われるが、温度はややぬるめで40℃くらいだろうか。また当たりが非常にやわらかく、長湯可能なお湯。とっても気持ちがいい。至福のひととき。

ここには三回入ったが幸いにも全て貸切状態。こんな極上の浴室、お湯に独占で入れるなんて贅沢すぎる〜。

不忘閣で一番好きなのがここ大湯。

なお男性はPM8時〜AM8時まで
女性はAM8時〜PM8時まで














<御殿湯>
この浴室、浴槽は大小ふたつある。

両方とも浴槽は木製。少し古めの浴槽だが年輪を感じられていい雰囲気。

大の浴槽は6人くらいは入れそうな大きさ。お湯の温度は42〜43℃くらいだろうか。ここの浴槽には熱めの源泉がなみなみと。もうひとつの細い管からはぬるい源泉(大湯源泉)が注がれており、この大湯源泉で温度調整しているらしい。
なのでぬるいのをお望みの場合は奥に陣取るのがよい。


小の浴槽はふたり入ればいっぱいになる。非常に小さい。しかし、自分が入った時には貸し切り状態でゆっくりさせてもらった。

この御殿湯にはシャワー、カランがあり頭や身体を洗うことが出来る。

なお男性はPM8時〜AM8時までが小
AM8時〜PM8時までが大を使用可。女性はその逆。





上の画像は大。下は小。


<新湯>
この不忘閣の一番奥にある。
この新湯の浴槽が昔の湯治場の雰囲気を一番残しているような気がする。
お湯の温度も一番高いかもしれない。43℃はあったような。きりっとさせられるが長くは浸かっていられない。

浴槽はここも木製。しかし浴室の床は石組。この石組はなんと400年前から使用しているとのことであった。

ここでゆっくりしていると、タイムスリップして昭和30年代(まだ生まれていませんが・・・)に湯治でもしているような感覚にもなる。

大湯の次に気に入ったのがこの浴槽。ひとことでいうと「渋い浴槽」。

なお男性はAM8時〜PM8時まで
女性はPM8時〜AM8時まで












<夕食>
夕食はPM6時と6時半のどちらかをを選ばせてもらえた。少しでも残さず食べようとPM6時半からにさせてもらった。

部屋食ではなく昔は湯治宿として使用されていた歴史ある建物の二階で食べた。
回廊式の建物で青根御殿を間近に望める。とっても雰囲気がいい。

後でわかったことだが、我々が使用した部屋は古賀政男が泊まった部屋のとなりだった。(残念〜)

料理は本格的な懐石料理。宿泊代を考えれば、それほど大したこともないだろうと思っていたが・・・。これはまさに失礼だった。

どれもこれも美味いし器や盛り付けも綺麗。こんな風情ある部屋でゆっくり二時間もかけて食べるなんて何年ぶりだろうか。

我々に付いて下さった仲居さんはまだ若くて素朴で一生懸命仕事をされている姿が印象的だった。

またこの日は風が強くて回廊のガラスがガタガタと音を立てて揺れていた。こんなところにも昔ながらの風情を感じられる。


今まで泊まった温泉宿の中でもここの料理は最高レベルだと思う。料理だけでも十分に満足がいく宿だと思う。



<朝食>
朝食はAM8時から。夕食と同じ部屋でいただいた。
この日の朝は快晴。回廊から見える景色がとっても清々しい。
やはり夕食同様、どれも美味しくてすべて平らげた。ご飯は宮城産のひとめぼれ。大盛りで二杯食べた。
















<青根御殿>
ここ不忘閣メインの建物。その昔、伊達藩主の湯治場であったここ不忘閣の宿泊施設だったのが青根御殿らしい。しかし焼失してしまい、現在の建物は昭和初めに再建されたとのこと。

AM8:50フロント集合で仲居さんに案内される。
中へ入ると非常に寒い。暖房がないから当たり前か。
一階、二階と順番に案内される。政宗の父である輝宗が付けたと言われている鎧等、伊達藩ゆかりのものや不忘閣の歴史を感じられるものが展示されていた。

温泉宿の中に博物館があるような感覚で得したような気分だった。










<その他>
様々なお風呂がある古くからの湯治棟の一階にはお休み処がある。
ここでコーヒーや冷水。加えてびっくりしたのが冷えた地酒やみそおでん。
こういうサービスって、とってもありがたい。
ちょうどこのお休み処からは青根御殿を含む庭園が目の前に望める。それとこの部屋は不忘閣の歴史資料館のようになっており昔のここを知ることが出来る。
湯上りにはちょうどよいスペースだと思う。




帰りは宮城蔵王ロイヤルホテルAM9:47発のバスに間に合うようにAM9:20フロント集合でお迎え時と同じワゴン車で送って下さいました。
帰り際に女将さんが「スタンプ10個貯まったことですし、無料宿泊はぜひうちへ」と仰ってくださいました。
こういう言葉ってなかなか言えないものだと思います。とってもいい気分で不忘閣を後にしました。



いずれは両親を連れてきたいって思わせてくれる温泉宿です。だれに薦めても間違いない宿だと思います。
今まで宿泊した温泉宿の中でも屈指の存在です。
また宿泊したいって本気で思ってます。

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10.1.10〜1.11(宿泊)