………………………………………………………………………………………………………

大 崩 山

………………………………………………………………………………………………………

またまたJALの「どこかにマイル」を利用。今回の行先は宮崎となりました。今年は九州に縁があるようで三月(鹿児島)・六月(北九州)に続いてこれで三回目。
九州は元々好きな場所なので我々にとっては好都合。

宮崎と言えばこの山が代表格。大崩山です。
いつの日か、あの一枚岩で作られた大きな奇岩をこの目で見てみたかったのでした。

あとは天候。渡渉もあるので前日には降雨がないように。そして登山当日も滑るのはいやなのでやはり晴天が良い。
そう願いながら当日を迎えたのでした。

………………………………………………………………………………………………………

<行程時間>
登り
大崩山登山口 6:51→大崩山荘 7:20→湧塚分岐(祝子川渡渉) 7:42〜49→袖ダキ展望所 8:59〜9:10→下湧塚 9:39→中湧塚 9:45→上湧塚 10:11→りんどうの丘との分岐 10:16→坊主尾根との分岐 10:31→上鹿川登山口との合流点 10:45→石塚 10:48→大崩山山頂 10:52
登り合計時間(休憩・食事等含む) 4時間01分

下り
大崩山山頂 10:58→石塚 11:01〜18→りんどうの丘への分岐点 11:45→りんどうの丘 11:51〜57→坊主尾根との合流点 12:09→小積ダキ 12:22〜30→象岩 12:45→林道分岐 13:58→祝子川渡渉 14:32〜36→大崩山荘 14:41→大崩山登山口 15:01
登り合計時間(休憩・食事等含む) 4時間03分


合計行動時間(休憩・食事等含む) 8時間04分

………………………………………………………………………………………………………

宮崎には前日入り。高速を飛ばして延岡のエリアワンホテルに宿泊。非常に安価であるが、きれいにされていて非常に便利。
機会があればまた利用したい。とにかく安い。

翌朝はAM5:00に起床。前日に購入したコンビニおにぎりを食べてAM5:30過ぎに出発。
登山口まではやや細い道もあるが、全面舗装路のため安心。

この大崩山登山口にはトイレはない。なので手前にある祝子川温泉美人の湯手前にある駐車場兼トイレにて用を済ませる。
ちなみに大崩山にはトイレがない。ここで済ませるのが良い。



大崩山登山口にはAM6:40頃に到着。
ここには駐車場はないため路上駐車。邪魔にならないように出来るだけ路肩に寄せて。


………………………………………………………………………………………………………

6:51 大崩山登山口。
登山口(画像右のBOX)に登山・下山届が入っているので記入した。



最初から道は不明瞭。
この大崩山。沢山の人が入山する山とは違って道が不明瞭。

初めて登る人はとにかく赤のテープを追うこと。もし見失ったら通過した赤テープ付近まで戻って再度、赤テープを探すこと。これをやらないと間違いなく道迷いをする。

しばらく緩やかな登りを進み、ちょっとした渡渉などをすると右手上に大崩山荘を通過する(7:20)。なかなか大きい。
また山荘横にはトイレらしき建物もあった。


(7:08)ハシゴ通過


7:19)頼りない橋を通過。 自分は横から回って渡渉した。



7:20 大崩山荘通過

登りは湧塚コース。なので坊主尾根方面ではなく三里河原方面に進む。
しばらく行くと岩をトラバース。太いロープが掛かっていて安全に進むことが出来る。

大崩山荘


(7:32) トラバース グリップよし、ロープは太くて丈夫


湧塚分岐点通過。
ここからは山頂標識に沿って。と言いたくなるが、数少ないためあくまでも赤のテープを追いながら。
この分岐からは沢の音に向かって少し下ると有名な渡渉に差し掛かる。


7:42〜49 湧塚分岐(祝子川渡渉)。
やはり以前架けられていた橋はなく、自力で渡るしかない。

しかし、ラッキーなことにこの日の水量は少なく、例えドボンしても流されるようなことはなさそう。


(7:41) 渡渉地点が見えてきた


(7:42) 渡渉地点到着 前方やや前に見える金具が橋の跡


渡渉地点から見た湧塚


渡渉地点に近づく 前方やや前に見える金具が橋の跡


以前、架けられていた橋の跡 今回はここにぶら下がっているロープを使えば良かったかも


正面やや左の大きな岩付近から赤テープ目掛けて向こう岸へ渡った


結局、橋跡の右方向にある赤テープに向かって大きな岩の上に登って渡ることが出来た。もし、この日のように水量が少ない場合は橋跡に掛けられているロープを使って岩を登って進んだ方が我々が進んだ方よりも楽そうに見えた。
この渡渉を終えるととにかく赤テープを追いながら樹林帯を登るのであった。

ご愛敬程度に梯子もあるが(ありがたい限り)恐怖感はない。 もしこのあたりで恐怖感を覚えたならば坊主コースで下ることは不可能かと。

(7:55) 沢伝いに進む


(7:58) 小さな滝を通過


(8:12) 道なき道?を進む


(8:14)


(8:18) ハシゴ通過


(8:27) 巨岩通過


(8:41)

標識が現れ、真っ直ぐ登ると「大崩山頂」。左に行くと「袖ダキ」 の標示。もちろん左へ。そこにはロープが垂れ下がっており、それを使って登ると袖ダキの展望台に出る(袖ダキ展望所8:59到着)

(8:56)袖ダキとの分岐


すると・・・・。色々なホームページで見たことのある光景が。

しかし、それらとはスケールが違う。全てが近くて大きい。圧巻です。正面には小積ダキ、右手には下湧塚。眼下には日向灘が。この景色を見たくて大崩山に登ったと言っても過言ではない。素晴らしい。素晴らし過ぎる。しばし、この絶景を堪能。

袖ダキから見た下湧塚


袖ダキから見た小積タギ





袖ダキから見た祝子川温泉方面




ここからは稜線に切られた道を進む。ところどころから見える奇岩と絶壁が美しさと怖さを感じさせてくれる。

(9:21)


(9:33) 下湧塚との分 この後、いくつかのハシゴを登る


9:39 
下湧塚通過。
さっき袖タギから見た岩の塔の上側に出た。ここからの景色も素晴らしく正面左に小積タギ。これから進む方向には中湧塚の岩塔が。凄すぎる。


(9:40) 下湧塚から見た小積タギ


(9:40) 下湧塚から見た東方面


(9:45) 下湧塚から見た中湧塚

さらに進む。
再び、樹林帯に入り、斜面を登りながらトラバースするような箇所もあり。赤テープを見失わないように進むといつの間にか上湧塚を巻いていた。嬉しいようなあっけないような。

この上湧塚(10:11)を過ぎるといきなり平和な道?になる。広い稜線をゆっくり登る。


りんどうの丘への分岐点(10:16)、坊主尾根コースとの分岐点と過ぎ(10:31)、歩きやすい急登を進む。時折、赤テープを見失いそうにはなるが山頂へは上に進めば必ず着く。

(10:16) りんどうの丘への道との分岐点

急登も終わり、平坦になるとあとは楽チン。

宇土内谷登山口からの道との合流点を過ぎ、石塚と呼ばれる眺望のよい石群を通過すると山頂には目と鼻の先。


(10:40) 山頂へのなだらかな道


(10:46) 山頂へはあと少し

10:52 大崩山山頂到着。
山頂らしくないよ〜。周りは草木に覆われて眺望は良くない。山頂標識と三角点がなければ、ただの稜線。達成感はあまりなく・・・・。
ここでは写真撮影を済ませただけで休憩もせずに立ち去る。



そして山頂手前の比較的景色の良い石塚で休憩することにした。サーモスに入れてきたお湯で抹茶オレやら紅茶オレを入れる。美味い。それから持参したおにぎりやパンで栄養補給。
大崩山の岩群は見ることが出来ないが眺望はなかなか。


(11:01)石塚にて休憩


石塚からの眺望

休憩を終えると下山。坊主尾根コースとの分岐を過ぎてもさらに湧塚コースを下る。

(11:31) 山頂からの尾根を歩く


(11:31) 下界の眺望もGOOD

上湧塚手前の坊主尾根コースへの分岐を右折(りんどうの丘方面へ)

太い木が道を塞ぎ、標識の文字も不鮮明なため、一瞬迷った。ここを曲がっていいのかって。
りんどうの丘までは急斜面をトラバースするような道。

ちなみにりんどうの丘へ行きたい場合は是非、「湧塚コース→坊主尾根コース」に抜ける道を選択すべきかと。理由はあとで。

11:51 りんどうの丘到着。
トレラン集団の方々が休んでいた。ここからの眺望も素晴らしい。登りで歩いてきた袖タギ〜上湧塚正面から一望。また下を良くみると我々の立っている岩は迫り出ている?ってことはこの岩の下は?怖い〜。


りんどうの丘に到着


りんどうの丘から見た袖タギ〜中湧塚


りんどうの丘から見た下湧塚〜上湧塚

実はここから坊主尾根コースとの合流点までは意外と難儀。道が崩落しそうな箇所もあり、時間を要する。ゆっくり進めば問題ないが。

坊主尾根コースとの合流点を過ぎると傾斜がきつくなる。でもそんなことは序章に過ぎなかった。

まずはテラスのような箇所を通過する。ここからの眺望も素晴らしく袖タギ〜中湧塚あたりまでが目の前に見える。

(12:18) 袖タギ〜中湧塚が目の前に

さらに下ると下山方面と小積タギとの分岐に差し掛かる。もちろん寄ってみる。いくつかの大きな岩を縫うように進むと急に視界が開ける。ここからの眺望は雄大。
もちろん袖タギや下湧塚あたりも見えるのであるが、眼下に広がる風景が素晴らしかった。また右に目をやるとこれから越える「象岩」がはっきりと見える。


小積タギから見た祝子川温泉方面と日向灘


小積タギから見た祝子川温泉方面と日向灘、そして象岩


小積タギから見たこれから通る象岩

小積タギから急斜面を下り、時には簡単なロープ場をいくつかクリアしていくと「象岩」と呼ばれる岩をトラバースする箇所に突入。
巷では落ちたら命はないだとか、脅すようなことを言われている方もいる。
しかし、何気にステップを切ってあったり、頑丈なワイヤーが架けられたりで。また岩のグリップも雨でなければ、しっかりしており、とにかく三点支持でゆっくり進めば大丈夫だと思える。


(12:45) 象岩トラバースを前にして


(12:46) 象岩トラバースを前にして


(12:45) 象岩トラバースを終え、振り返って小積タギを見る


象岩トラバースを終え、振り返る

それよりも危険な箇所がこの後、出てくる。


ここからが実は大変。角度のない脚立を伸ばしたような梯子やロープが数多く出現。中でも本当にヤバいと感じた箇所は二ヵ所。一つ目は取り付くまで梯子やロープ、そして着地地点が全く見えない箇所。梯子の真上まで進んでようやく降下の全容を知ることが出来る。

(12:58) ヤバいハシゴの手前 まだ下は見えない


(12:59) ヤバいハシゴ 下が見えたが・・・・なんじやこりゃ



(13:02) ヤバいハシゴを下から 画像ではわからないが垂直近くに感じる


(13:23) 坊主岩を見る


(13:25)


(13:30) 坊主岩

もう一つは梯子+ロープでトラバース+再度梯子のようなかなり高度な技を要する箇所。腕の力と靴のグリップ力、そして爪先の力を要求される。
はっきり言って劒岳別山尾根コースの方が簡単な気さえする。


(13:41) 右に垂れ下がるロープがいやな予感をさせる


(13:44) 右上のハシゴを終えたらロープのみで手前のハシゴにトラバース

とにかく目の前に現れる梯子・ロープ群を一ヶ所、一ヶ所丁寧にクリアするしかない。 結局、20以上のハシゴを下ったと思う。いちいち数えてらんないよ〜(^□^)

中にはアスレチック感覚だという方もいるが、同行者もいる自分にとっては早く安全に通過したいという思いが強かった。

その同行者は技術的にもかなり上達。考えてみたら、百名山全てを登った実績もあるのだから当たり前なのかも。

そしてようやく林道分岐を通過する。

(13:58)

ここまでくれば多少のはしごはあるもののここまでの道程を考えたら大したことない。
急斜面をひたすら下りる。段々と沢の音が近づいてくると渡渉まであと少し。


(14:04)

沢伝いをしばらく進むと渡渉地点の河原に到着する。
ありがたいことにこの日は渡渉ポイントを探すまでもなく、とにかく正面に向かって進めば難なく渡ることが出来た。
それからこの川の水で顔を洗うとなんと気持ちのいいこと。快感だった。


(14:33)


祝子川ってきれいな川だなぁ

河原から少し登ると大崩山荘。あとは朝、通った平坦な道を歩くだけ。

15:01  大崩山登山口到着。
早速、下山届けに記入。

とにかく汗を流したくてそのまま祝子川温泉美人の湯に向かったのであった。


(15:01) 登山口に帰還

………………………………………………………………………………………………………

「どこかにマイル」で行き先が宮崎に決定した瞬間、「大崩山」の文字と花崗岩の景観が頭に浮かんできました。
ならば登るしかありません。

金曜日、仕事を切り上げてからの宮崎入り。そして翌朝からの登山とあって体調が心配でした。もし体調が優れない場合は「宇土内谷コース」で山頂まで行き、りんどうの丘だけ寄って下山することも頭に入れていました。

しかし、天候に恵まれ体調にも恵まれて湧塚・坊主尾根コースを無事に歩くことが出来ました。本当にありがたいです。

昨年、滑落骨折を経験したので「無事に登頂・下山」することがどれだけありがたいことかということを身に染みて感じています。

それから・・・・二百名山は百名山より数倍難しそうなことがわかりました。その一番の要因は「道迷い」です。
ちゃんとしたGPSを購入しようかと本気で考えています(でも高い・・・・・・)。


………………………………………………………………………………………………………




                TOP    二名山登山リスト 







17.9.2

………………………………………………………………………………………………………