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霞 沢 岳

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2017年10月の三連休。
当初は表銀座をゆっくりと歩こうかと考えていました。しかしながら、五日くらい前の天気予報では初日は雨。二日目、三日目は晴れとのこと。
今年の目標?としては「レインウエア」を着ずに山歩きをする。ということを掲げています(どうでもいいこだわりですが・・・・)。
そんなことで二泊三日の山歩きは諦めて予定変更。

急遽、35%引きのトクだ値であずさ号を予約。そして運良く空いていた上高地西糸屋山荘個室を予約。初日は移動日に。残り二日を山歩きにと考えました。
そして行き先も「霞沢岳」に変更したのでした。

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<行程時間>
一日目
河童橋 5:14→明神館 5:54〜6:05→徳本峠分岐 6:09→徳本峠小屋(テント場でテント設営) 7:51〜8:53→ジャンクションピーク 9:44〜50→P2 10:34→K1 12:00〜03→K2 12:20→霞沢岳山頂 12:40〜58→K2 13:13→K1 13:35→P2 14:51→ジャンクションピーク 15:41→徳本峠小屋 16:25
※徳本峠小屋=霞沢岳山頂との往復時間(休憩・食事等含む) 7時間32分

二日目
徳本峠小屋 8:02→徳本峠分岐 9:28→明神館 9:32
(その後は上高地散策のため時間は計っていない)
※徳本峠小屋→明神館までの合計時間(休憩・食事等含む) 1時間30分


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初日は天気予報がズバリ的中。ずっと雨ではあったが強雨にはなっていない模様。夕方、上高地到着時も傘が要らない程度の降雨だった。
西糸屋山荘個室といっても古い別館の相部屋を二名で使用して良いというコース。しかし、トイレは共同であってもシャワートイレ付。水もポットも自販機もあり、もちろん風呂にも入ることが出来る。夕食は豪華ではないが量もGOOD。朝食は弁当に切り替え可能。そして一人/10,800円也。高いと思うかもしれないが、上高地でこの値段とはお得感あり。自分もこれで二回目の宿泊。

また、本館にはお土産コーナーあり、無料コーヒーありで、もし利用したければそちらに行くのが良いと思う。

※翌日の10/8は穂高神社奥宮で例祭があるらしく、前日宿泊の人たちにはお菓子を配っていた。この西糸屋山荘にも置かれていて自由に持って行ってOKだった。





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5:10  西糸屋山荘出発。

外はまだ暗く、ヘッドライトを着けながらの歩き。
河童橋から見る穂高連峰も暗く、岳沢小屋の灯りがよくわかる。

梓川を五千尺ホテル側に渡り、明神館へ向けて歩く。

徐々に夜は明け、明神館に着いた頃には一般ルートが存在しない明神岳の稜線付近が真っ赤に染まっていた。 


(5:46)


(5:48)

この明神館横の公衆トイレを借りてから出発。水洗で清掃が行き届いている。ありがたい限り。

(5:55) 明神館から見た明神岳


(5:57) 明神館から見た明神岳

明神館から数分、徳沢方面に進むと徳本峠との分岐点にくる。
また、ここから見る明神岳は足元から頭まで見ることが出来る。大迫力で圧倒されそう。

(6:09) 徳本峠分岐から見た明神岳


(6:09) 徳本峠分岐

俗に呼ばれているクラシックロード。最初の30分は軽自動車四駆ならば走れるのではないか?と思えるほど傾斜は緩く、下も砂利で整備されている。

(6:12)


(6:30)


(6:35)


(6:35)


(6:43)

進むに従って傾斜はきつくなってはくるものの整備が行き届いており、歩きやすい。つづら折りに上手く作られている。

標高が上がるに連れて周りの葉の色が黄色や茶色に変化してくる。冬が間近なんだなぁ。

それから背後には明神岳、そして標高が上がると奥穂、吊り尾根、前穂などなどが見えてくるのであった。

このクラシックロードを登っていると背後にとてつもなく大きなパワーを感じる。 


(7:09)


(7:12) 明神岳とその後ろの穂高連峰を見る

最終の水場とかかれている木札を発見。ここで本日の夕飯用水の確保。徳本峠小屋では1リットル/200円で売ってくれるのであるが、ケチッた。

(7:22) 最後の水場

ただ、何となくこの水場の水を生で飲むのには抵抗があったので飲料水だけは下から持ってきたペットボトルにした。


(7:27)背後には尖った前穂が見えてきた


(7:46)この標識を左へ行くと徳本峠小屋。右へ行くとそのまま霞沢岳へ


(7:50) 徳本峠小屋まであと少し

7:51 徳本峠小屋到着。

早速、小屋でテント泊の受付。一人/700円。トイレはカートリッジをヘリで運搬するタイプらしく、使用毎に100円を払う。


徳本峠小屋到着



小屋のご主人のお話によると昨日は雨にもかかわらずテン場は激混み。そのため霞沢岳へピストンされ、即日下山される方にはテントを撤収してから登山に向かってもらえるようにお願いされたらしい。もちろん、テントなどの重い荷物は小屋で預かるからと。
そのおかげで穂高連峰を一望出来る特等席が空いていたのであった。

早速、テント設営。ペグも刺さりやすく、いいテント場である。

手前の黄色いテントが我が家

これから登る霞沢岳はアップダウンが激しくジャンクションピーク、K1K2と三つのピークを越えなければならない。かなりハードな山のようである。


8:53 徳本峠小屋出発。

(8:53) 徳本峠小屋出発

最初から急登。ジャンクションピークまで標高差約300mを一気に登る。つづら折りてしかも歩きやすく整備されている。が、重たい荷物を背負って徳本峠小屋まで登ったツケが回ってきたのだろうか。体が重い。しかも、よりによって同行者はすでにバテ気味でペースは超遅い。

また、この日は気温が高いようで汗がだらだらと落ちてくる。


(8:59) 紅葉がきれい


(9:05)


(9:23)


(9:39)右手には穂高連峰が

9:44 ジャンクションピーク到着。

ここからは松本市内方面や霞沢岳のピークなども見ることが出来る。

(9:44) ジャンクションピーク到着

ここからK1手前の超急登までの間は樹林帯を進むのであるが、赤、黄、茶、緑とが混ざりあった木々の葉がきれい。
ジャンクションピークからはだらだらと下るが正直、もったいない。

(9:54) ジャンクションピークからはゆるい下りがある


(10:02) 鞍部左手には乗鞍と御嶽が

かなり下ったなぁと思っていると小湿地を通過する。しかし、昨日の雨のせいなのだろうか、黒土の箇所はどこもドロドロ。

(10:23) 小湿地通過

さらに下り、そして登りきるとP2通過(10:34)。木の幹に赤いスプレーのようなものでP2と書かれている。

(10:30)



(10:34) P2通過

小さなアップダウンも合わせたらいくつのピークを越えるのか?

このあたりからは霞沢岳山頂付近を見ることが出来るためテンションが上がるはすだが体が言うことを聞かない。重い。

(10:57) 手前からK2と霞沢岳


(11:03) こんな道も登る


(11:07) 後ろを振り返る。紅葉がきれい。


(11:19) 右手を見ると奥穂〜吊り尾根〜前穂が目の前に

しばらく樹林帯を進むとK1ピークに人が立っているのが見える。高低差はかなりありそう。

そしてK1への登りに差し掛かる。なっ、なんという急登。丸太などで整備されているものの崖のような傾斜。すれ違う方々と話をすると皆さん「ここが一番キツイ」と言う。確かに。もちろん長さは短いが北アルプス三大急登ブナ立尾根より絶対にキツイ。

(11:22)


(11:26)前のピークを巻きながら登る


(11:40) この先からが超急登


(11:43) 超急登なのだが画像だとわかりづらい


(11:53) 右手にこんな景色があると頑張れるよなぁ

こんな登りを約30分。登り切るとK1ピークに到着する(12:00)。

しっかしまぁ()。ここからの眺望は素晴らしい。360度の大展望。穂高連峰〜蝶ヶ岳〜松本方面〜焼岳と。またこのあたりから見る穂高連峰は新鮮。上高地から見るそれと似ているのではあるが、こちらの方が標高にして1,000メートル以上も高いために目線が稜線に近くて見たことのない角度から見ることが出来る。

K1ではピーク標識に寄りかかって飯を食べる馬鹿夫婦がいた。標識は決してそういう風に使うものではない。気分が悪いので先に進む。


K1ピークから見た穂高連峰


K1ピークから見た笠ヶ岳と眼下に見える上高地帝国ホテルなど


K1ピークから見た焼岳


K1ピークから見たこれから進む稜線。手前がK2、奥が霞沢岳。

ここから山頂まではずっと尾根伝い。K1からはまたまた一旦下り、そして登り返し。下半身に堪える。

またこのあたりからは上高地の帝国ホテルなどの建物や西穂山荘もはっきり見ることが出来た。


(12:06) K1ピークからK2ピークに向けて


(12:12) K1ピークからK2ピークに向けて


(12:13) K1ピークからK2ピークに向けての道。こんなちょっとした岩場も。

K2のピークには標識がない。霞沢岳山頂まではここを下って登り返すだけ。あと少し。

(12:20) 標識のないK2ピークから見た穂高と笠


(12:24) 標識のないK2ピーク下から見た焼岳


(12:24) 標識のないK2ピーク下から見た笠


(12:26) 奥にある霞沢岳山頂へ向けて


(12:29) 奥にある霞沢岳山頂へ向けて

12:40  霞沢岳山頂到着。

先客さんもいたが、我々がこの日最後の登頂者らしく、しばらくすると貸切り。

眺望はK1同様、素晴らしい。ここではサーモスに入れたお湯で作った紅茶オレやら、ココアやらで疲れを癒やした。焼岳をこれほど近くに見えるのはスゴい。

しばらく絶景を眺めながら下山の体力を溜めたのだった。


霞沢岳山頂から見た穂高連峰


霞沢岳山頂から見た焼岳


霞沢岳山頂から見える穂高連峰をアップ


霞沢岳山頂から見た釜トンネル方向の無名峰


霞沢岳山頂から穂高連峰と蝶ヶ岳、常念岳。そして歩いてきた尾根伝いの道を見る。

12:58 下山開始。

下山と言っても登り返しのたくさんある稜線歩き。気を引き締めて歩く。ところによりヤセ尾根や三点支持の必要な箇所もあり、要注意。
それなのにK1ピーク手前で同行者が岩に膝を強打するアクシデント。ペースが極端に落ちる。 特にK1ピークからの下りは、その影響でかなりの時間を要した。



(12:59)


(13:01)


(13:13) K2から見た穂高連峰と蝶ヶ岳方面


(13:35) 霞沢岳山頂とK2ピークを振り返って見る


(13:37) K1直下の急斜面。画像で見るよりもっと急。


(13:44) K1直下の急斜面。画像で見るよりもっと急。

後ろを振り返ると霞沢岳やK2K2ピークが雲で覆われてしまった。なのでひたすら歩くのみ。

(14:48)


(15:00)

ジャンクションピークに着いた時には正直、ホッとした。
あとは歩きやすい急な下りを進むだけ。

16:25 徳本峠小屋到着。

まずは小屋に行って炭酸飲料を買う。コーラとジンジャーエール。どちらも400円だが、この場所で飲めるのはありがたい。美味すぎてガッツポーズしたくなった(意味不明)

その後はテントで晩飯。あまり腹が減らなかったので茶碗一杯のカップヌードルとナッツ類の行動食をツマミに黒霧島をチビチビとやった。

夜は寒くなったがテント内は快適だった。あまり熟睡は出来なかったが。。。。

夜の我が家




二日目は下山+上高地散策と決めていたため、ゆっくり。
しかし、夜明前というよりも深夜AM3時くらいになると、起き始めて普通の声で話しながら準備をする馬鹿どもがいた。中にはラジオを付ける大馬鹿ものもいた。まだAM3時ならば起きない人もいっぱいいるのに。せめて「ヒソヒソ話し」で会話をしようよ!
最近は経験を積まず(礼儀を学ばず)に山に入るやつらが多い気がする。でもこんなことは常識なので学ばなくたってわかるはずなのに・・・・・。「人に迷惑を掛けてはいけない」って子供でもわかるのにね。

朝はAM5:30過ぎに起床。特に明け方は馬鹿どものおかげで眠れなかったが、暗い中、動いても仕方がないので寝袋に包まっていた。

朝食は先週、韮崎で買っておいた「八ヶ岳ブレットのメイプルパン」。これとコーヒーで済ませる。ご来光を拝もうと外に出るがガスってダメだった。
食事を終えて、グダグダしながらゆっくりとテント撤収をする。

AM8時前になると雲に隠れていた穂高連峰がようやく顔を出す。
これを見届けてから徳本峠小屋を出発した。

明神岳をアップ

しばらく進むと下から上がってきた人から「熊の目撃情報」。怖いので笛と大声、そして鈴を鳴らしながら歩いた。

明神館に到着するとたくさんの人達。人酔いしそう(笑)。
静かな山歩きだったから余計にそう感じる。

明神館からは嘉門次小屋で岩魚を食べる→穂高神社参拝→<上高地散策>→河童橋と進む。
そして事前に整理券を確保しておいた「16:30発の松本駅行き」のバスに乗って下山。しかし、渋滞の情報&新島々までも渋滞だったため、新島々駅でバスを下車。そこからは松電で松本駅へ。

松本で山賊焼きを買って、特急あずさの中で祝杯を挙げながら帰京したのだった。


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以前から気になっていましたが、登る機会がいつ来るんだろうと思っていた霞沢岳。三連休の初日が天候不良とのことで、予定変更。そのチャンスがやってきました。
徳本峠小屋で一泊してから霞沢岳山頂を目指すのであれば、それほどではないと思いますが、我々は一日でテントと食料を担いで「上高地→霞沢岳山頂→徳本峠小屋」の行程を歩いたため、かなりキツかったです。
もうそんなに若くないのかなぁ。

ただ、やはり霞沢岳への稜線から見た穂高連峰は素晴らしいです。あの角度、あの高さからは霞沢岳からしか見ることが出来ない。大変、貴重な存在だと思います。

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17.10.8〜9

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